はじめに
凪のあすから1話がとても面白かった。
今回は自分なりに1話の魅力について語ってみたいと思う。
①尻アニメ的要素に潜む世界の奥底
凪のあすからは、尻アニメである。
それは上のように、ファーストカットが光の尻から始まり、
まなかの初登場シーンでは、後ろから顔を映してからのPANで下半身・尻方向へ見せる演出。
そして最後は後ろ姿というお尻側を見せつつ海の世界に変える光とまなか。
フェチ的にお尻を映しているわけではないが、
1話という物語の始め、ヒロイン初登場という場面、そして1話の最後という
ポイントポイントでお尻(後ろ)を見せる演出をしているのがよくわかる。
個人的には、こうした要所を尻、もしくは後ろ姿で締めてくるのは
この作品には奥があるというイメージを持ってしまう。
この奥とは物語の奥でもあるし、世界観の奥でもあるし、
キャラクターの奥でもあるし、海の世界の奥なのかもしれない。
光にもまなかにもちさきにも要にも紡にもまだ見えないキャラクターの奥。
そして彼らの奥底を描き、引いては世界の奥底を魅力を描くのが
本作なのだろうと勝手に期待している。
②細かい魅力ある演出に惹かれる
そして凪のあすからは魅力的な描写でいっぱいだ。
アバンの光の朝食シーンから家を出るまでのシーン。
半裸から着着というふすまの開閉一つで光の着替えを見事に描写。
夜の海岸沿い。
光の視点からはまずまなかの姿が映るが、
実はその後ろには紡がいる事が陰影を用いて見せる描写。
見せ方一つ一つが実に上手い。
何より世界の広がりを見せつつ、その世界を縦横無尽にキャラクター達が動くのが魅力だった。
③魅力的なブリキさんの原案を石井百合子さんがモノにする
また、まなかも含めてキャラクターの絵柄の魅力がすさまじい。
線質が繊細かつ情報量も多いブリキさんのキャラクター原案を
石井百合子さんがキャラクターデザインをして果敢にブリキ絵をモノにしている。
もしくは石井さんを中心に修正を加え、絵柄の強化を図っている。
「電波女と青春男」の西田亜沙子さんのブリキ絵の解釈も良かったが、
石井百合子さんも負けてはいない。
この絵柄の魅力は作品を見続けるための大きな訴求力になると思う。
④美術の魅力-精鋭ぞろいのスタッフ
またこの背景を見て、美術も素晴らしいなぁと思った。
今回美術はスタジオ・イースターがやっていたが、
撮影もT2studioが担当している点も含め、
凪のあすからはスタッフ的にも精鋭を集めてきているなぁと感じる。
絵コンテは篠原俊哉さんで、演出は浅井義之さんという組み合わせは強い。
まとめ
物語的には海と陸 光と紡、というように
二項対立的なモチーフをベースに、その中の入り乱れた人間関係を描きそうだ。
本格的な恋物語を手がけるのは「true tears」以来。
水というアニメにおいて難しい表現に果敢に取り組もうとしている意味も含め
P.A.WORKSという新たなチャレンジとして「凪のあすから」に期待したい。