「戦国乙女を見て幸せだった」
10話を見て改めて思いました。
内容の充実度が半端ありません!!
ミツヒデと同じく泣きました!!!面白すぎる、後半に向けての怒涛の展開。
大河ドラマ・時代劇・劇画含めて古今東西、
今回みたいな「本能寺の変」の解釈は新鮮であり面白いです。
感想キャラ心理の機敏の表現が凄い
戦国乙女が作品として優れている理由の一つに
キャラクター描写の心理描写がとても上手いからです。
このミツヒデが火をつけるシーンを見て
「あたしってホント、馬鹿」というまどマギのさやかの台詞を思い浮かました。
まるで炎の色がミツヒデの狂った情熱を表現しているかのようです。
今回はミツヒデのノブナガへの揺れ動く想いが本当に素晴らしかったです。
ミツヒデは毎回ノブナガに思慕を抱きつつ、独占したいと思いながら
しかし新参者のヒデヨシにも目が向き、最近ではないがしろ感を感じていました。
でも所々で言うノブナガの優しい言葉に自分を取り戻しつつも、
ノブナガがヒデヨシにかける言葉は、自分への言葉より優しく甘美にに聞こえてしまう。
そんなノブナガへの強い想い、ヒデヨシへの嫉妬、がミツヒデに凶行に及ばせてしまいます。
ヒデヨシの一生懸命さとノブナガに対する想いが伝わるショットです。
そんなミツヒデを救ったのはヒデヨシ、そしてノブナガでした。
まずヒデヨシが
「自分だけしか見てくれない親方じゃないと好きになれないの」という言葉。
彼女にはズシリと来たようです。そうか、大事だったのは自分がノブナガをどう想うか、
ヒデヨシなんて関係ない。アケリンはここで感じ取ったようです。
次にノブナガ。「敵はどこにいる」という言葉でミツヒデは己のやましい心の中に
本当の敵を見つけたようです。そして、こんな状況に陥いったのにも関わらず
ノブナガはミツヒデをずっと信じていましたね。ノブナガの「一心同体」という言葉で
ミツヒデは完全にノブナガへの思慕を思い出したようです。
そう二人の関係は何も変わっていなかったのです。
ここ数回、ミツヒデの揺れ動く気持ちが本当に描けていたと思います。
色んな事を考えながらミツヒデはあの凶行に及んでしまいますが、
最後には同僚(ヒデヨシ)と上司(ノブナガ)の説得で、我を取り戻しましたね。
シリアス一辺倒にならない作風の幅の広さ
上記のように、ミツヒデが本能寺の変を起こす→ヒデヨシがミツヒデ説得
→ノブナガがミツヒデを説得→二人が本能寺を脱出、
と、ここまでの展開はシリアスですが、
ノブナガがミツヒデにキスをするあたりからコミカルな雰囲気も出していましたね。
この場面はシリアスとコメディの緩急が上手いと思いました
ミツヒデの至福タイムです!!
ノブナガがキスをするあたりから、BGMがコミカル調というか
多少エロそうなBGMになる事でガラリと空気を変えている事に成功しています。
そしてノブナガとミツヒデがお互いの良い関係を再確認する中
ヒデヨシが本能寺にいる事を忘れていたことに気づく
「あっ」この言葉が面白かったですね。すばらしい演出です!!
決してシリアス一辺倒にならないこの作品の底知れなさが素晴らしいです。
それにしてもこの作品のノブナガは本当にカッコイイですね。
ミツヒデ・ヒデヨシにかける愛情には共感してしまいます。
基本、ノブナガは女性キャラですが、男前のキャラでもあります。
親方様はアクションもカッコイイ!!
しかもノブナガのキャラの上手さは、
場面場面ごとに女性的魅力と男性的魅力が表現できている事ですね。
ミツヒデを説得する際は男前ですが、キスをする時は女性になるというように
女性と男性的なキャラの使い分けの上手さが光ります。
やはり史実を元にしたカッコイイ展開
今回も史実の出来事や史実を基にした人間関係をうまく使っている感じです。
①中国大返し ノブナガ×ヒデヨシ×ミツヒデ
今回、ミツヒデは邪魔なヒデヨシを遠くの森の中に縛る事でノブナガを葬ろうとしました。
しかしヒデヨシは持ち前のお腹が空く事でお腹周りが細くなり、ロープの縛りが緩くなって、
ヒデヨシは縛られた状態から脱出して、本能寺に辿り着きます。
このヒデヨシが本能寺に戻ってくる展開、史実の
「中国大返し」を思い出します。
この「中国大返しとは」中国地方にいた羽柴秀吉が
明智光秀が「本能寺の変」を起こした事を知り、驚異的なスピードで
京都まで戻ってきた事を言います。約10日間で200キロの大強行軍でした。
歴史を知る人なら有名ですが、この行軍は奇跡のような出来事なのです。
そしてあまりのスピードで進軍してきた明智光秀は秀吉に対応できず、
そして天王山「山崎の合戦」で秀吉は見事に光秀を打ち破る事につながります。
ミツヒデの予想をはるかに超えた速さで戻ってきたヒデヨシの「中国大返し」
このヒデヨシがすぐ戻って来た展開はこの作品における
「中国大返し」なのでしょうね。
ヒデヨシがすぐ戻ったからこそ、ヒデヨシがミツヒデを説得する事で
最終的にはノブナガを救う事にもなりました。
つまり史実でもこの戦国乙女の世界でも「中国大返し」はあったのです。
②マサムネさんとトクにゃんさて火事場泥棒の如く、本能寺の火事場から甲冑を盗み出したマサムネさん。
天下を掴む事が出来る真紅の甲冑を盗んだマサムネさんは「天下の大泥棒」でしょう。
そんなマサムネ=伊達正宗さん。
史実でも伊達政宗は虎視眈々と天下を家康から盗もうとばかり考えていました。
例えば、徳川幕府が開かれて、徳川の天下になっても部下の支倉常長をローマへ送り
ローマ教会やスペインの協力を得ることで、いつでも徳川に反旗を翻し、
天下取りの野望を秘めていたといわれています。
また徳川家康の息子、忠直に自分の娘を嫁がせ、彼を次の将軍に就任させるように働きかけ、
将軍の嫁の父親として、権勢を思うがままにしたいと画策していたともいわれています。
さらにいえば、娘婿の忠直を旗印に反旗を翻し、徳川幕府に対抗しようとした形跡もあります。
ずっと隙あれば伊達政宗は天下を盗もうとしていたのです。
そんな正宗の野望をことごとく挫いてきたのが、徳川家康です。
正宗が裏で色んな策謀を巡らせても最終的には家康の方が一枚上手だったようです。
「戦国乙女」でも甲冑を盗んで有頂天のマサムネさんっをあざ笑うかのように
イエヤスが待ち構えていましたね。この世界でも、イエヤス>マサムネのようです。
やはりこの作品は史実の面白い所を、作品内に上手く取り入れて見せるのが上手いです。
まとめ
記事ではあまり触れていませんが、色使いがすばらしいです。
炎がキャラクターたちの感情を表しているかのようです。
この作品は色使いも含めて見ていきたいですね。
「本能寺の変」といえば、信長・秀吉を扱った作品にとってはクライマックの一つです。
「本能寺の変」をどう見せるかで、その作品の評価が決まってしまうぐらいの勢いです。
そんな大事な「本能寺の変」をこれほど新解釈で描いた作品は中々ありません。
(さいきんだと「へうげもの」の「本能寺の変」もすごかったです)
ノブナガ・ヒデヨシ・ミツヒデの3人が元の鞘に納まる本能寺の変。
これほど幸せな結末はありません!!今回は本当に面白かったです。
最後までの展開に目が離せません!
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感想キャラ心理の機敏の表現が凄い
戦国乙女が作品として優れている理由の一つに
キャラクター描写の心理描写がとても上手いからです。
このミツヒデが火をつけるシーンを見て
「あたしってホント、馬鹿」というまどマギのさやかの台詞を思い浮かました。
まるで炎の色がミツヒデの狂った情熱を表現しているかのようです。
今回はミツヒデのノブナガへの揺れ動く想いが本当に素晴らしかったです。
ミツヒデは毎回ノブナガに思慕を抱きつつ、独占したいと思いながら
しかし新参者のヒデヨシにも目が向き、最近ではないがしろ感を感じていました。
でも所々で言うノブナガの優しい言葉に自分を取り戻しつつも、
ノブナガがヒデヨシにかける言葉は、自分への言葉より優しく甘美にに聞こえてしまう。
そんなノブナガへの強い想い、ヒデヨシへの嫉妬、がミツヒデに凶行に及ばせてしまいます。
ヒデヨシの一生懸命さとノブナガに対する想いが伝わるショットです。
そんなミツヒデを救ったのはヒデヨシ、そしてノブナガでした。
まずヒデヨシが
「自分だけしか見てくれない親方じゃないと好きになれないの」という言葉。
彼女にはズシリと来たようです。そうか、大事だったのは自分がノブナガをどう想うか、
ヒデヨシなんて関係ない。アケリンはここで感じ取ったようです。
次にノブナガ。「敵はどこにいる」という言葉でミツヒデは己のやましい心の中に
本当の敵を見つけたようです。そして、こんな状況に陥いったのにも関わらず
ノブナガはミツヒデをずっと信じていましたね。ノブナガの「一心同体」という言葉で
ミツヒデは完全にノブナガへの思慕を思い出したようです。
そう二人の関係は何も変わっていなかったのです。
ここ数回、ミツヒデの揺れ動く気持ちが本当に描けていたと思います。
色んな事を考えながらミツヒデはあの凶行に及んでしまいますが、
最後には同僚(ヒデヨシ)と上司(ノブナガ)の説得で、我を取り戻しましたね。
シリアス一辺倒にならない作風の幅の広さ
上記のように、ミツヒデが本能寺の変を起こす→ヒデヨシがミツヒデ説得
→ノブナガがミツヒデを説得→二人が本能寺を脱出、
と、ここまでの展開はシリアスですが、
ノブナガがミツヒデにキスをするあたりからコミカルな雰囲気も出していましたね。
この場面はシリアスとコメディの緩急が上手いと思いました
ミツヒデの至福タイムです!!
ノブナガがキスをするあたりから、BGMがコミカル調というか
多少エロそうなBGMになる事でガラリと空気を変えている事に成功しています。
そしてノブナガとミツヒデがお互いの良い関係を再確認する中
ヒデヨシが本能寺にいる事を忘れていたことに気づく
「あっ」この言葉が面白かったですね。すばらしい演出です!!
決してシリアス一辺倒にならないこの作品の底知れなさが素晴らしいです。
それにしてもこの作品のノブナガは本当にカッコイイですね。
ミツヒデ・ヒデヨシにかける愛情には共感してしまいます。
基本、ノブナガは女性キャラですが、男前のキャラでもあります。
親方様はアクションもカッコイイ!!
しかもノブナガのキャラの上手さは、
場面場面ごとに女性的魅力と男性的魅力が表現できている事ですね。
ミツヒデを説得する際は男前ですが、キスをする時は女性になるというように
女性と男性的なキャラの使い分けの上手さが光ります。
やはり史実を元にしたカッコイイ展開
今回も史実の出来事や史実を基にした人間関係をうまく使っている感じです。
①中国大返し ノブナガ×ヒデヨシ×ミツヒデ
今回、ミツヒデは邪魔なヒデヨシを遠くの森の中に縛る事でノブナガを葬ろうとしました。
しかしヒデヨシは持ち前のお腹が空く事でお腹周りが細くなり、ロープの縛りが緩くなって、
ヒデヨシは縛られた状態から脱出して、本能寺に辿り着きます。
このヒデヨシが本能寺に戻ってくる展開、史実の
「中国大返し」を思い出します。
この「中国大返しとは」中国地方にいた羽柴秀吉が
明智光秀が「本能寺の変」を起こした事を知り、驚異的なスピードで
京都まで戻ってきた事を言います。約10日間で200キロの大強行軍でした。
歴史を知る人なら有名ですが、この行軍は奇跡のような出来事なのです。
そしてあまりのスピードで進軍してきた明智光秀は秀吉に対応できず、
そして天王山「山崎の合戦」で秀吉は見事に光秀を打ち破る事につながります。
ミツヒデの予想をはるかに超えた速さで戻ってきたヒデヨシの「中国大返し」
このヒデヨシがすぐ戻って来た展開はこの作品における
「中国大返し」なのでしょうね。
ヒデヨシがすぐ戻ったからこそ、ヒデヨシがミツヒデを説得する事で
最終的にはノブナガを救う事にもなりました。
つまり史実でもこの戦国乙女の世界でも「中国大返し」はあったのです。
②マサムネさんとトクにゃんさて火事場泥棒の如く、本能寺の火事場から甲冑を盗み出したマサムネさん。
天下を掴む事が出来る真紅の甲冑を盗んだマサムネさんは「天下の大泥棒」でしょう。
そんなマサムネ=伊達正宗さん。
史実でも伊達政宗は虎視眈々と天下を家康から盗もうとばかり考えていました。
例えば、徳川幕府が開かれて、徳川の天下になっても部下の支倉常長をローマへ送り
ローマ教会やスペインの協力を得ることで、いつでも徳川に反旗を翻し、
天下取りの野望を秘めていたといわれています。
また徳川家康の息子、忠直に自分の娘を嫁がせ、彼を次の将軍に就任させるように働きかけ、
将軍の嫁の父親として、権勢を思うがままにしたいと画策していたともいわれています。
さらにいえば、娘婿の忠直を旗印に反旗を翻し、徳川幕府に対抗しようとした形跡もあります。
ずっと隙あれば伊達政宗は天下を盗もうとしていたのです。
そんな正宗の野望をことごとく挫いてきたのが、徳川家康です。
正宗が裏で色んな策謀を巡らせても最終的には家康の方が一枚上手だったようです。
「戦国乙女」でも甲冑を盗んで有頂天のマサムネさんっをあざ笑うかのように
イエヤスが待ち構えていましたね。この世界でも、イエヤス>マサムネのようです。
やはりこの作品は史実の面白い所を、作品内に上手く取り入れて見せるのが上手いです。
まとめ
記事ではあまり触れていませんが、色使いがすばらしいです。
炎がキャラクターたちの感情を表しているかのようです。
この作品は色使いも含めて見ていきたいですね。
「本能寺の変」といえば、信長・秀吉を扱った作品にとってはクライマックの一つです。
「本能寺の変」をどう見せるかで、その作品の評価が決まってしまうぐらいの勢いです。
そんな大事な「本能寺の変」をこれほど新解釈で描いた作品は中々ありません。
(さいきんだと「へうげもの」の「本能寺の変」もすごかったです)
ノブナガ・ヒデヨシ・ミツヒデの3人が元の鞘に納まる本能寺の変。
これほど幸せな結末はありません!!今回は本当に面白かったです。
最後までの展開に目が離せません!
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