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ねずさんの古事記・参に拍手喝采!(3)

この参の巻の大筋をいうと、いよいよこの国が大国主より天照大御神に国譲りされ、中つ国にニニギノミコトが天孫降臨され、その子孫である初代・神武天皇が統治を始める流れです。
僕らはこれまで、古事記、日本書紀の独特の言い回しというか文調のようなもので読んでいるため、なにがなんだかわからない「神話」と思っていました。

特に神さまのお名前がずらずらと書かれていて、話の筋がどこにあるのかさえ理解できない。
また、ときに登場する神さまの行動なども、唐突に相手を殺してしまったり、射殺してしまったりで野蛮な大昔の「神話」だから・・・で、すませていました。

ですが、この本の「ねずさん」流の解釈でいくといちいち納得できます。
これがまた実に現代社会でもよい教訓であったり、警鐘であったりするのです。

例えば、神武天皇であるカムヤマトイハレヒコノミコトは、東征の折に偉大な霊力のある名刀を手にします。
しかしそんな名刀を手にしても蛮力によって相手をねじ伏せるのではなく、行く先々で仲間を作り「正義」「大義」を背にして平定していくのです。
「ねずさん」は、これを現代に当てはめると「集団的自衛権」と書いています。
仲間を募り、みんなの利益を守ることで、大義を掲げることができるのです。

また、「海彦山彦」では兄(海彦)の無理難題や言いがかりに対する対処法を示しているといいます。
弟の山彦は海で兄の釣り針を失くしてしまいますが、兄・海彦はどうしても同じものを返せといってきます。
自分の大切な太刀をつぶして、代わりの釣り針を何千も作って返してもよしとしません。
困り果てた山彦は、海神に解決法を指し示されます。
それは、「誠意をつくして謝罪しても受け入れられなければ、それ以上頭を下げるな。そして、同等の報いを与えなさい。」というものです。
山彦は兄に対して、制裁を加えるのです。
・・・なんか、日本の今の情勢に似ていませんか?
ましてや、日本は謝罪すべき罪すら起こしていないのですから・・・。

このように、現代にも生かせる教訓、教えが満載されているのが古事記なのです。
ただのおとぎ話ではない、日本の大昔からの知恵や歴史が詰め込まれた叡智なのであります。

僕は、この「ねずさん」の古事記を読んで、漸くに日本の歴史や伝統、叡智に触れた思いです。
イギリスの学者だったでしょうか、二十歳までにその國の神話教育を受けなかった民族はいずれ滅びる、ということです。
素晴らしい叡智や伝統を持つこの国を亡国としてはなりません。
古事記、日本書紀を読みましょう。

くらやみ祭16

Tag : 文化歴史読書

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