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日本画アワード2016

山種美術館へ行きました。
本日から「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」が開催されています。
特に誰かの作品とか知っている作家がいるとかではなく、何かの期待をしていたわけではありません。
現代の作品や画風なども知っておいた方が良いと思い行ってみたのです。

山種美術館

この日本画アワードというのは、「日本画の新たな創造に努める優秀な画家の発掘と奨励」するのが目的だそうです。
要すれば新進作家の登竜門のようなものでしょうか。
そんなことすら知らずに行きました。

最近は近代日本画ですら満足できず、古典作品ばかり観ています。
なんだ感性がおかしいのでしょうか。
現代アートに関心がほぼないんですよね。
ただの懐古趣味のオッサンになりつつあります。

新進作家とこれらのような古典作品を比べては新進作家が気の毒ですが、展示された作品のキャプションで作家の経歴等を見るとなかなかの顔ぶれです。
どこそこの美大卒で、誰それに師事し、どこどこの美大准教授とか、講師とか・・・。
日展を中心に活躍中、とかいう人もいましたから、画壇では名のある人たちでしょう。

陳列された作品は40数点はどれも見事なものでした。
僕のようなど素人には及びもつかないような技巧、技術を尽くしたものばかり。
どれもこれも大画面で圧倒されます。

だけど、僕にはなんだか物足りない。
いつもながら、思うんです。
「これって、日本画なの?」

どれもこれも、西洋が被れした感じがするんですよね。
というよりも、厳しい言い方をすると「岩絵の具で描いた西洋画」としか思えなくて・・・。
大賞を受賞した作品は、珍しく絹本作品だそうですが、本当に珍しいそうです。
館内に置いてあったガイドブックの評によると、絹本だと色を薄く引くようになるうため、インパクトが弱くなるらしいです。

僕はちょっと驚きでした。
そもそも日本画ってそういう風に薄塗するんじゃないのか?
僕は日本画を習ったりしていなくて、工筆画をちょびっとかじった程度ですが。
評によれば、最近は安価に絵の具が手に入るので厚塗りできるようになったとか。

日本画の美しさは岩絵の具の美しさに負うところが大きいと思ってました。
厚ぼったく絵の具を盛る、というのが新鮮に感じます。
確かに以前見た日本画の手引書のような本では、絵の具を盛っていたと思います。

時代時代で技法も用材も変わるのですから、それはそれなのでしょうか。
つい先日、若冲展を観ました。
若冲の作品は時代を越えて鮮やかな色彩世界を創り出していますが、最大の理由は画材が最高級なものを使っているからだとか。(保存の良さも勿論ありますが・・・)

まぁ、何度もいうようですが、古典作品の名品と新進作家を比べてはいけませんよね。
だけど、やっぱり思うんです。
日展の会場を後にするときに、老夫婦が「最近の作品はそれも巧いんだけど、これはって感動できるものがない」といってました。
西洋画風だったり、写実的だったり、精巧で精密な作品だったりしますが、なんだか訴求する力が弱い気がします。
それに思想が透けて見えるものも少ないのかもしれません。

ガイドブックには受賞作品にも厳しい評価が書かれています。
なかには素人の僕でも、「速水御舟の「炎舞」に似てるな・・・」と思ったものがあります。
そのせいで大賞に推さなかった審査員もいたようです。
だけど、これ22歳の若者が描いたそうです。
この点は本当に驚きでした。
順調に育って立派な先生になって欲しいものです。

西洋画化した現代の日本画はちょっと残念ですけど、真の芸術は他の模倣であってはならない、これは真実でしょう。
新進作家の方々には一層精進いただき、明日の日本画を創り出していただきたいものです。

Tag : 文化芸術日本画

JR中央線商店街・中野北口サンモール

東京のJR中央線の中野駅。
各駅で新宿から3駅目、快速だと一つ目にあたります。
特別快速も止まるし、総武線や東西線にも乗り継げる。
新宿ほどではありませんが、アクセスできる範囲の広い
便利な駅です。

ランドマークとしてサンプラザ中野などがあって、高尾山
からも見える(へんな例えですが)。
最近になって、サンプラザの近くに明治大学や帝京平成
大学のキャンパスができたりして活性化しそう。
メジャーじゃないけど、へんぴでもない。
なんとなく中途半端なイメージを個人的に持っています。

中野駅は南北に改札があって、それぞれの方角に商店街
や通りが伸びています。
北口にあるのが、サンモール商店街。
(画像はガラ空きですが、開店直後の時間です)

中野サンモール1

なんだか、吉祥寺のサンロードと間違えそうですが、それに
負けない元気な商店街です。
いずれもドラッグストアだのチェーンのお店だの、個性のない
お店が進出しているのが残念ですが、地場の個人商店も
頑張っているみたいです。

中野サンモール2

サンモールはメインとなる通りだけではなくて、その横に
並走する通りやそれをつなぐ小路にも商店が賑わうのが
とてもよい。
飲み屋とか、飲食店、個人商店がいい感じに街並みを
作っています。

中野サンモール3

この小路と小路を渡り歩くのも結構楽しいです。
昭和レトロな、というと聞きなれた語感ですけど、昔からの
整備されていない小路が残っています。
あと10年もすれば、そういう感じが大切な街の財産になる
かもしれませんね。
くだらない大規模な駅前開発に呑まれないように大切に
してもらいたいです。

中野サンモール4

中央線の各駅には、レトロ感の残る駅前商店街があります。
まぁ商店街自体が昭和レトロなのかもしれませんが、
地方のシャッター商店街みたいにならず、残って欲しい。
いずれも大切な都民の財産だと思います。

Tag : 多摩武蔵野散策

くつろげる週末の時間

それまでの会社生活というものは、ごく一般的な土日祝日休みの
勤務でした。
当然ながら、土日は休む、遊ぶ、出かける・・・など楽しい時間。
平日とは違って、すっかりとくつろいだ気分でした。

いまは定休日というものがない仕事で、土日も仕事があるのが
半々くらいです。
みんなが休みで楽しく過ごすのを横目に、職場へ向かう・・・。
なんだか損した気分。
特につらいのは通勤電車の中で、まわりはカジュアルな格好や
行楽姿の人が楽しげにしています。

府中の紫陽花

でも、まぁ僕自身は休日に仕事をするのはいやですけど、代休が
でるなら、と割り切って仕事するタイプでした。
2000年の正月などはコンピューターの2000年問題のために元旦
から丸の内へ出勤したりしました。

実際、今は・・・というと、結構悪くありません。
第一に通勤ラッシュがない。
これって、本当に大きいです。
心も体もリラックス。
いかに日頃これに神経やエネルギーを使っているか。
時には座れたりもしますから。

昨日と今日あたり気づいたのですが、仕事帰りがとても
リラックスしていて、心が軽いんです。
くたくたに疲れて早く帰りたい、なんて気持ちよりも周囲に
合わせて愉しい気持ちさえありました。

きっと、周りの人たち、電車に乗っている人、スーパーの
食品売り場で買い物する人、街を歩いている人・・・みんな
が楽しげにしているからでしょう。
世の中がギスギスしていない日だからだと思います。
日常、あまりにもみんながギスギスしていたり、くたびれて
いたり・・・世の中が息苦しいんです。

昔は・・・昭和レトロな時代はまだ、平日もこんな風に
過ごせていたんじゃないんだろうか。
もっとゆったりとした心で平日も過ごしたいものですね。

蓮4

お風呂場、しのび足

毎日毎日、飽きもせずに僕が帰ると玄関でお出迎え。
座り込んで、相手してやると股の間に入り込んで咽喉を
グリグリ、グリグリ・・・。
ご飯を食べて、人の食事を邪魔して、おもちゃで遊び、
噛みついて怒られて、最後は僕の股の間か脇腹で
お休み・・・。

見事なほど毎日のルーティンが決まっている。
同じことの繰り返し、でもそれが安心できて癒される。

最近はまたしても新しいルーティンが出来た。
場所はお風呂場です。

お風呂場のドアを少し開けておくと、自分でドアを開けて
勝手に入ってきます。
そんなとlこは、「うず」とまったくおんなじです。
ちょっと違うのは・・・。

お風呂場かくれんぼ1

何故だか知りませんが、ドアを静かにあけて、こっそりと
忍び足で入ってきます。
もの凄くスローモーションでゆっくりこっそり。
まるで、見つからないようにコソ泥みたいに。

そんなことしても、バレバレだよ。「小うず」。
最初から注目しているんだから・・・。

なんだか、コミカルで明るくて愉しい。
この子は本当に根っから明るい性格の子だ。
癒し系の「うず」はお風呂のドアをバーンと勢いよく開けて、
雄叫び(鳴き声)をあげて元気に入って来たけど・・・。
この子は、何のつもりかわからないけどひょうきんだ。

お風呂場かくれんぼ2

ボクのお蔭で、ウチに帰るのが楽しみだよ。
いつもいつも、ありがとう。

Tag : ネコアメショーねこ

お母ちゃんの味・ぼたもち

僕は甘辛苦酸・・・なんでもOKで、嫌いな食べ物はあまり
ありません。
ちょっと苦手なのは、アボガドくらいです。

酒も飲みますが、甘いものも大好き。
特に餡子には目がない。
たい焼き、今川焼、大福、あんみつ・・・・。
餡子は偉大だ。
日本の甘いものの代表格です。

ぼたもちを衝動買いしました。
無性に食べたくなった。

ぼたもち

ぼたもちは不思議。

先に挙げた餡子のお菓子は、あんみつ以外は、どれも
餡子が皮の中に入っています。
がぶりとかじって、初めて口の中で餡子と対面します。
皮があるので、手もあまり汚さない。

でも、ぼたもちは餡子が皮になってます。
食べるときは手が汚れそう。
まぁ、お箸で食べるのが正しいのでしょうけど。
魅惑の餡子が直接目に見えるので余計そそられます。

カブトムシは外骨格。
内骨格の柔らかい表面の人間や哺乳類を見て驚いたろう。
なんて無防備な奴らなんだって。
あれ、関係ないかな・・・?

がぶりと口に入れる。
途端に口の中に幸せが広がる。
柔らかいもち米との美しいハーモニー。

よく、TVや映画で出征先から一時帰国した兵隊さんとか、
田舎に帰った孝行息子が、母親が作ったぼたもちをお重で
でされて頬張るシーンがあります。
これって、やはりお母ちゃんの味なのかな。
いろんな思いが交錯して、尚更うまい日本の甘味。

まぁ、僕のはスーパーで買ってきたものですがね。

Tag : 文化

さよなら、ゾウのはな子さん

吉祥寺にある井の頭自然文化園・・・郊外にあるちいさな、
ちいさな動物園です。
トラやライオン、キリンなどの人気動物がいる訳でなし、
サファリパークのように広大な敷地があるでもなし。
そんなちいさな動物園にいた人気者。

ゾウのはな子・・・。

ぞうのハナコさん

今日、国内最高齢の69歳で生涯に幕を閉じました。
3月頃から食欲も衰えて、次第にやせ細って行ったようです。
その年齢からおそらくは老衰でしょう。

高齢のためか、僕が最後に見た4年前でも、肌はシワシワ
だったし、なんだか骨が浮き出たような感じでもありました。
ご長寿だったのですね。

動物園の一番の人気者・・・。
そんなふうに言われていますが、そんなに華やかな生涯では
なかったそうです。

ぞうのハナコさん2

このゾウが日本に来たのは1949年。
戦後にタイ政府から贈られてきたそうです。
いまほど、動物の福祉環境も整っていなかった時世ですから
相当なストレスがあったようで、飼育員などを襲ったりもした
そうです。
狭いこの自然文化園の施設ですから、飼育環境としても不十分
だったようです。
海外からは世界で最も可哀想なゾウ、と言われていたとか。
はな子にとっても、動物園にとっても不幸なことでした。
詳しくはこちらのサイトを見てください。

気の毒なゾウだったのかもしれません。
でも、街の人気者で、飼育員さん達も愛情込めて世話をした。
僕もはな子の食べるものを用意している係りの人を見ました。
70年近くも・・・戦後の日本と一緒に歩んできた。
子供たちに明るい夢を与えてくれた。
はな子に感謝しよう。
さようなら、ゾウのはな子さん。

Tag : 多摩武蔵野文化

井の頭通り慕情

井の頭通りは、渋谷・原宿・表参道から、甲州街道を横切って
吉祥寺付近で中央線のガードもくぐり、果ては五日市街道と合流
する道です。

井の頭通り2

僕にとって、この道は車だと吉祥寺へ向かう道であり、電車駅だと
これまた吉祥寺ですので、、あの界隈というイメージがあります。
小学生の頃は家族でお出かけして、美味しいものや服を買い物
して帰る、という思い出があります。

よくよく考えると、吉祥寺へ行く時以外にもよくこの道を使いました。
なにかと、わかりやすいし、使いやすい。
なにしろ、甲州街道や環八、環七、山手通りも交差している。
何処へ行くにも便利だし、甲州街道が混んでいるときの迂回路
にもなります。

学生の頃、原宿にあるジムに通っていたのですが、たまに車で
いきました。
クリスマスなんかは原宿の参道のイルミネーションを見て、幸せな
気分にひたりながらカセットでクリスマスソングを流してた。
環七に入る手前がちょっと道幅が狭いので渋滞するのですが、
住宅の街並みが薄暗くていい雰囲気でした。

吉祥寺にしろ、原宿にしろ、楽しい気分になっての帰り道ですから
この道を嫌いになる訳はない。
まぁ、正直なところ車で走るのに適した道とは言い難いです。
片道二車線ですけど、実質走行しているのは中央の二車線。
駐車場待ちの行列なんかで一車線ロスしていることが多い。

でも、思い出って、快適に走れる道や場所ばかりじゃないですよね。
スイスイいける道は、何も考えずに通り過ぎるだけで、思い出も
なんにもありません。
むしろ、不便だったり渋滞したりすることで印象が深まることが
多いのでは。
そんな道です。
僕にとっての井の頭通りは・・・。

井の頭通り1

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Tag : 武蔵野散策多摩

漢詩を詠む~月下独酌

花間一壼酒 
獨酌無相親
舉杯邀明月 
對影成三人
月既不解飮 
影徒隨我身
暫伴月將影 
行樂須及春
我歌月徘徊
我舞影零亂
醒時同交歡
醉後各分散
永結無情遊
相期遥雲漢

花間 一壺の酒
独り酌んで相親しむ無し
杯を挙げて明月を邀え
影に対して三人と成る
月既に飲を解せず
影徒に我が身に随う
暫く月と影とを伴い
行楽須らく春に及ぶべし
我歌えば月徘徊し
我舞えば影零乱す
醒時同に交歓し
酔後各々分散
長く無情の遊を結び
相期して雲漢遥かなり

唐の詩人・李白の有名な詩です。
李白と言えば酒。
酒のために失敗も多かったようですが、同じ時代の詩人
杜甫にも慕われて、「飲中八仙歌」という詩に
「李白一斗詩百篇」
と謳われています。
酒を一斗飲む間に詩を百篇も作ってしまうという正に酒仙。
画題にも、滝を見る李白や酔態を描かれることがあるほど
です。

僕は酒はやりますが、ここまでではありません。
酒と食事は、食事が主役ですけれども、月を肴に酒を飲む
その風雅の心は分かります。
酒抜きでも、月をゆったりとした心で長々と語りかけるように
眺めていたいなぁ、なんて思います。
そんな心の余裕ってなかなか持てませんね。

「「漢詩」の心」(著者複数 プレジデント社よ)り引用。
一部PCで変換できない漢字あり。

Tag : 文化歴史読書

慈雨ふりそそぐ季節はすぐ

爽やかな五月の空気も少しづつですが、湿気を帯びてきた
ような気がします。
なんと今日の気温は30度とか・・・。
もうすぐ六月。
ジメジメとした梅雨の季節です。
いよいよ、高温多湿の日本の夏が本格的にやってきます。

紫陽花201605

だからといって、いやなことばかりじゃありませんよ。
日本の雨の季節だって美しい。
しとしとと降りしきる雨。
しとしと、なんて音・・・美しい表現じゃないですか。
エスキモーは雪に関する語彙がとても多いそうですが、
四季に関する日本語の表現だって豊かです。
言葉が豊かだってことは、感性も豊かな証拠です。

静かに降る雨の景色は意外に好きです。
家の中から、降る雨を眺める。
湖面に降る雨と木々を見つめ、自然や森や、そして動物たち
に恵みが降り注ぐことを想像する。
恵みの雨、優しい雨・・・・慈雨。

僕のベランダにも梅雨の訪れを待つ花が咲き始めた。
そして、夏を彩る牽牛も芽吹きました。

今年はちょっと気が早いようですよ・・・。

朝顔発芽2016

Tag : 多摩武蔵野

出光美術館「美の祝典~水墨の壮美~」

久しぶり・・・一年ぶりくらいでしょうか。
日比谷にある出光美術館へ行きました。

出光美術館1

現在、開館50周年記念で「美の祝典」という展示を3期に開催して
います。
いまは第二期にあたる「水墨の壮美」という期間です。
これに注目したきっかけは、YouTubeなどで配信されている番組
「真相深入り!虎の門ニュース」で、ゲストコメンテーターの拓殖
大学局員教授・石平さんが話していたことから。
ネットで出光美術館のHPを調べたら、池大雅や田能村竹田の
作品も展示されているとのことで、即観に行く決心をしました。

日頃、都内の美術館や博物館の企画展をチェックしているのです
が、それでも気づかないことは多々あります。
そんなときに役立つのはやはり口コミですね。

3期で開催・・・と書きましたが、第一期は「やまと絵の四季」で、
やまと絵風の絵巻物とか仏画が中心のようです。
第三期目は「江戸絵画の華やぎ」で、北斎、光琳、酒井抱一、
俵屋宗達らの作品です。
今回、僕の行った第二期は一番地味な水墨、文人画が中心で
ですが、ビッグネームが多い期でもあると思います。

さきほど挙げた大雅や竹田の他、富岡鉄斎、与謝蕪村、雪舟、
長谷川等伯、浦上玉堂などなど。
他の期は艶やかな着色・着彩の作品が多いですが、二期は
墨色のみか淡彩の作品が並び地味です。
でも、だからこそ深いし、秀作も多いです。
能阿弥や牧谿のような日本水墨の原点のような作品もあります。

思い起こすに過去にこの美術館で観た企画展で、図録を持って
いるのですが、これらにも載っているものが多いです。
つまりは、出光美術館所蔵の作品を公開しているのでしょう。

池大雅は「十二カ月離合山水図屏風」と「竹裏館図」、竹田は
「梅花書屋図」でした。
いずれも、僕がなんとしても観たいと思っている作品ではありま
せんが、それでも堪能できました。

それよりも僕が注目したのは、大雅の屏風の横で展示されて
いた与謝蕪村です。「山水図屏風」「寒林孤鹿図」でした。
これまで、僕は蕪村に関しては俳人としての認識が大きくて
絵に関してはあまり関心を持たなかったのですが、その古風な
山水図に大いに惹かれました。
カラフルで色が浮いた感じのする大雅の作品よりも大いに
魅力を感じました。
これぞ、文人画の本流といった印象です。

また、屏風に比べると小振りな作品ですが、岡田半江という
画家の「春山閑居図」が良かった。
僕の中ではこの日一番魅かれた作品です。
米点という技法を使い、雨後・雨季の湿潤とした山水画で
若干の淡彩を帯びてはいますが、山の空気の明るさ、光を
墨色のみにて巧みに表現していました。美しかった!
竹田とほぼ同時代で、交友関係もあったそうですが、この
画家の作品をもっと見たいという欲求に駆られました。

さて、出光美術館は知ってのとおり皇居沿いにあって、
帝劇の隣に位置します。

帝国劇場

丸の内や日比谷公園などにも近くて東京都を代表する
ようなロケーションに格調高く存在します。
丸の内はかつての丸ビル、新丸ビルも建て替わって、
通りなども緑化され、有名ブランドの店が並ぶ名所に
生まれ変わりました。
こんな雰囲気であれば、欧米の方々もこぞって観光や
ショッピングを楽しみに来そうな感じです。
僕自身はもう滅多にこの界隈には来ませんが、唯一出光
美術館だけは好きです。

出光美術館2

それにしても「海賊と呼ばれた男」出光佐三さんは立派な
方ですね。
多くの人々が芸術作品を楽しめるように美術館を創り、数々の
コレクションを保存・公開しています。
百田尚樹さんがお話していていましたが、出光興産が提供して
いる「題名のない音楽会」という番組では、名曲を楽しめるよう
に番組中(演奏途中)にCMを入れないことにしているそうです。

このような立派な先人が、日本の高度成長を支えたのです。

Tag : 文化歴史芸術日本画

プロフィール

無心庵ひょっとこ斎

Author:無心庵ひょっとこ斎
郷土と自然とネコをこよなく愛する多摩っこ。

愛猫:
「うず」(十一歳没)
→*「愛猫思い出」(↓カテゴリ)

「小うず」二代目。H27年生。♂
→*「ネコ煩悩」」(↓カテゴリ)

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