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柳田国男「遠野物語」に思うかつての日本人(その1)

柳田国男著「遠野物語」(集英社文庫)は、岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集である。
日本の民俗学の草分け的存在ともいわれる。

民間伝承に焦点を当て、聞いたままの話を編纂しているが、それでいながら文学的な独特の文体であることが高く評価されている。
実際現代人には読むことは出来るが、やや堅い文体で読みづらいと思う。
しかし当時の文学者は批判的で評価は低く、泉鏡花以外からはほぼ無視されたようだ。

深大寺水車

僕も「民俗学」という言葉と、非常な強い結びつきを持って「遠野物語」を記憶していた。
どうにも、岩手といえば宮沢賢治などを同時に想起してしまう。
したがって、僕のいい加減な頭脳は「遠野物語」をファンタジー性の強い田舎の童話か、水木しげるの妖怪漫画のような類いと同一視していた気がする。
(まぁ、実際出てくる逸話は似た感じではあるが・・・)
いい加減に覚えながら、実際に手にして読むのは今回が初めてである。

物語に登場してくる事物(と、いうべきか)は一例を挙げると・・・
里の神、山の神、雪女、天狗、姥神、川童、おいぬ、狐、座敷童、マヨイガ・・・等々である。
実際、ファンタジーなのであるが、現代のそれのように甘美なものではなさそうだ。
当時の土地の者らには、脅威であり、恐怖でもあり、嫌忌されるようなものばかりだ。

文語調の慣れない文章を追っていると、正確には理解できていないのかもしれないが、だがこの文体の方がより当時の人々の感情、畏怖などが理解できそうな気がする。
浅薄な現代の口語体では、それこそ軽いファンタジーになってしまいそうな気がする。
(それでも、内容把握のため機会があれば現代語訳を読んで見たいが・・・)

かつて人々は、神々や魂、化け物らと共に生活の場を同じくしていたのだ。

< つづく >

国立郷土古民家1

Tag : 文化多摩武蔵野歴史自然読書小説

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