■ J3がいよいよ開幕J1とJ2に続いてJ3がいよいよ開幕した。JFLで昇格条件を満たすチームが現れなかったので今年も17チームによるホーム&アウェイ方式となる。昨シーズンと同様で2位以内に入ったチームがJ2に昇格する権利を獲得するがスタジアム等の問題を抱えていて「J2ライセンス」を取得できずにいるチームは少なくない。2017年は盛岡・秋田・福島・YS横浜・SC相模原・藤枝MYFC・沼津が「J3ライセンスどまり」だった。
ホームのC大阪U-23は「4-2-2-2」。GK茂木秀。DF沖野、森下怜、石尾、舩木翔。MF西本、オスマル、斧澤、米澤。FW安藤瑞、山田寛。ミッドウイークに行われたACLのGLの3節のブリーラムU戦は主力が帯同せずにサブ組中心のメンバー構成になったのでU-23を主戦場としている選手も何人かがタイに遠征しており、FW山田寛はスタメン出場。高卒ルーキーのFW安藤瑞は途中出場でトップデビューを果たした。
アウェイの秋田は「3-4-2-1」。GK清水慶。DF中村亮、堀田、韓昌柱。MF藤山、山田尚、古田、平石、久富賢、前山。FW田中智。オフの補強に成功して選手層が分厚くなったが前線のトライアングルは昨シーズンと同様。沼津から加入したDF中村亮を右ストッパーの位置で起用したのはサプライズだった。藤枝MYFCから加入したドリブラーのMF平石は左WBでスタメン出場。MF古田が今シーズンは10番を背負う。
■ 優勝候補のブラウブリッツ秋田が勝利オープニングゲームは「J3の優勝候補の筆頭」に挙げられるアウェイの秋田が優勢で進んでいく。チームの武器の1つになっているボランチのMF山田尚のロングスローを中心にゴール前のチャンスを作っていく。C大阪U-23は冬の高校選手権で活躍したU-19日本代表のFW安藤瑞が前半18分に個人技で相手2人をかわしてからミドルシュートを放つなど持ち味を発揮するがなかなかシュートチャンスを作れない。
すると前半33分に秋田が前方にラフなボールを入れると2種登録で高校2年生のCBのDF石尾のキーパーへのバックパスをかっさらったFW田中智が無人のゴールに流し込んでアウェイの秋田が先制に成功する。適切に処理するのは難しいボールだったがDF石尾にとっては痛恨のミスとなった。C大阪U-23は前半46分にFW安藤瑞がシュートを放ったがキーパーにセーブされる。前半は1対0と秋田がリードして折り返す。
後半も秋田ペースは変わらず。後半6分にはゴール前でフリーのMF前山が決定機を迎えるがシュートを大きく外してしまう。C大阪U-23はFW山内、MF中島元、MF魚里を投入。同点ゴールを狙ったがゴールは奪えず。1対0で勝利した秋田が白星スタートを切った。エースのFW田中智がさっそく大きな仕事をした。C大阪U-23はタイから戻ってきたばかりの選手が何人かいる難しいシチュエーションだった。
■ J2昇格に向けて好発進先のとおり、「J2ライセンスの問題」を抱えているので秋田は引き続いて「2位以内に入ったとしてもJ2に昇格できるのか?」は分からない状況である。当然、2017年のJ3を制したことで認知度や知名度は大幅にアップして行政の支援が得やすい状況になったが過去の例を見る限りではスタジアムに関する問題が急転直下で一気に動き始めない限りは今シーズンもJ3ライセンス止まりとなる可能性の方が現状では高い。
選手やスタッフやサポーターは「J2ライセンスを取得できること」を信じて戦い続けるしかないがアウェイの地で好スタートを切った。いくつかピンチの場面が訪れたがチャンスの数でも決定機の数でも秋田が大きく上回ったので順当な勝利と言える。2点目を取ることが出来ずに最後まで安心できるスコアにはならなかったが試合の終盤も攻め込んだので同点に追いつかれる心配はあまりなかったと言える。
オフの補強は申し分ないレベルだった。J3で大きな存在感を発揮した選手がたくさんいるので「主力の大量流出」の危険性はあったが流出と言えるのはDF有薗くらい。その上で即戦力となる可能性が高い選手をたくさんゲットしたので総合力ではJ3の17クラブの中で頭1つ抜けた存在になったが沼津から加入したDF中村亮を3バックの右で起用してきたのはサプライズだった。大胆なコンバートといえる。
「大学2年生の頃まではディフェンダーが本職だった。」という話なので不慣れなポジションというわけではないが沼津時代は右サイドのアタッカーとしてたくさんのチャンスに絡んだ選手である。驚きのコンバートだったがサイズがあって身体能力が高い選手なので問題なくこなせそうな印象。当然、攻め上がったときに大きな仕事が出来る選手なのでDF中村亮のCB起用はなかなか面白いアイディアと言える。
■ 見せ場を作った18才のFW安藤瑞季C大阪U-23は黒星スタートとなったがJ3の本命と言われている秋田相手の1点差負けなので悪い結果とは言えない。先のとおり、灼熱のタイに遠征して戻ってきたばかりの選手が何人もいる極めて難しいシチュエーションだったが同様にメンバーの多くは昨シーズンもC大阪U-23で主力だった選手なのでチームとしての完成度は低くはない。ミスから失点したのは残念だったが内容的にはまずまずだった。
2月下旬に加入が発表されたスペイン人のMFオスマルがJリーグデビューを飾った。192センチの長身で、かつ、左利き。FCソウル時代にはKリーグのベストイレブンに選ばれているほどの実力者であるが高さは圧倒的。左足のパスは正確なので大きな戦力になる可能性は高い。外国人枠の問題を抱えているが普通に考えるとトップチームではCB起用がメインになるだろう。DFマテイ・ヨニッチとコンビを組む可能性が高い。
もう1人の注目は高卒ルーキーのFW安藤瑞だった。タイ帰りなので疲労はあったと思うが後半途中までプレーして幾つか見せ場を作った。パワフルさが最大の武器と言えるが柔らかさも併せ持っているのがFW安藤瑞の魅力と言える。狭いスペースでボールを受けたときも問題なくプレーできるのが大きな武器となる。前半18分と前半46分に惜しいシュートを放ったが問題なくJ3でもやれそうな実力を持っている。
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