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【Jリーグ】さあ、2018年に最も成長した若手プレーヤーを決めよーぜ！ (J3編) | | |　

■　最も成長した選手に贈られる賞

Most Improved Player賞とはアメリカのプロバスケットボールリーグ(NBA)において前年度と今年度を比較して最も成長したと思われる選手に贈られる賞のことである。Improvedは成長するや上達するといった意味になる。初代の受賞者はアルビン・ロバートソン。1984年のロス五輪で金メダルを獲得している。2017年-2018年にMIP賞に輝いたのはインディアナ・ペイサーズ所属のビクター・オラディポだった。

前年の平均得点は15.9点だったが本年は23.1点と激増。また、平均アシストも2.6アシストから4.3アシストまでアップした。この1年間で著しい成長を見せてMIP賞に輝いたが「昨シーズンと比べて最も成長した選手に贈られる。」という賞の特性からキャリア1年目の選手が受賞することはない。また、輝かしいキャリアを歩んでいるベテラン選手が選出されることもあり得ない。25才前後の選手が選ばれるケースが多い。

そもそもとしてNBAは高卒の選手の(直での)NBA入りは禁止されているのでJリーグとは少し事情は異なるが、当サイトが選んだ2017年のJ1のMIP賞の1位から5位は以下の通りとなる。

　1位： DF 三浦弦太 (ガンバ大阪)
　2位： MF 原川力 (サガン鳥栖)
　3位： MF 長谷川竜也 (川崎フロンターレ)
　4位： MF マテウス (大宮アルディージャ)
　5位： FW 杉本健勇 (セレッソ大阪)

■　この1年間の成長度合い

強調したいのは「この1年間の成長度合い」に注目する賞であるという点である。例えば

　(1) もともとの能力や評価が「6」だった選手が「9」に成長したケース
　(2) もともとの能力や評価が「2」だった選手が「7」に成長したケース

でMIP賞にふさわしいのは(2)の選手である。当然、今シーズンの活躍度や現段階での評価は(1)の選手の方がかなり上となるが、「6」→「9」よりも「2」→「7」の方が成長度は大きい。なので、当初の基準値(成績やパフォーマンス)が低い選手の方が圧倒的に有利である。2017年に圧倒的な活躍を見せたFW杉本健よりもDF三浦弦やMF原川やMF長谷川竜也などを上にしているのはそのあたりが大きな理由になる。

当然、前年の成績やパフォーマンスと比較するので高卒1年目や大卒1年目の選手はMIPの対象外になる。さらにJ3+アウォーズでは年齢制限を設けており、今シーズンは「1993年4月2日～1997年4月1日に生まれた選手」を有資格者とする。ちなみにベストヤングプレーヤー賞の対象となるのは「1997年4月2日以降に生まれた選手」なのでベストヤングプレーヤー賞とMIP賞を同時に受賞するのは不可能である。

■　MVP級の活躍を見せるFC琉球のコンビ

2018年のJ3のMIP賞の1位はMF中川風(FC琉球)で決まりだろう。武南高ならびに関東学院大でプレーした後、スペインに渡って、昨夏にJ3のFC琉球に加入したが10試合で1ゴール1アシスト。さしたるインパクトは残せなかった。一転して今シーズンは28試合で13ゴール10アシスト。大ブレイクのシーズンになっている。首位を独走しているFC琉球の原動力になっており、今シーズンのJ3の主役の1人に挙げられる。

2位にはMF富樫(FC琉球)を選出した。高卒4年目となるMF富樫は28試合で15ゴール3アシストを挙げている。昨シーズンまではJ3で通算54試合で6ゴールのみ。J3の中では最高レベルのテクニックを持っていたが、高いポテンシャルに見合った活躍はできずにいた。伸び悩んでいたが一気に才能が開花した。基本ポジションは右SHになるが決定力が劇的にアップして「点の取れるアタッカー」に成長した。

MF中川風ならびにMF富樫は2018年のJ3のMVP候補にも挙げられる。状況を考えると「2人のうちのどちらかがMVPに選出される。」と言える状況になっており、この2人は甲乙つけがたい活躍を見せている。MVP争いに関しては大接戦と言えるが、MIPに関しては、すでに触れたとおり、「成長度」がポイントになるので、Jリーグでほとんど実績がなかったMF中川風の方がMF富樫よりも「成長度」ははるかに大きい。

■　5位候補はたくさんいるが・・・。

3位にはDF甲斐(鳥取)を選択した。J2のFC岐阜からの期限付き移籍になるが鳥取の守備の要として活躍中。3バックの中央でプレーする機会が多くなっているが高い身体能力を生かして鳥取の躍進に大きく貢献している。「島根の槙野」の異名を持っているが攻撃的な能力も非常に高い。ルーキーイヤーの2017年はJ2のFC岐阜で1試合の出場のみだったが、新天地の鳥取で大きなインパクトを残している。

4位にはGK牲川(沼津)を選出した。磐田の下部組織で育った195センチの大型キーパーは沼津で定位置を確保して上位争いをする沼津の守備の中心として大きな貢献をしている。2017年はJ2の群馬でプレーしたが精彩を欠いた。失点に直結するミスが多くて「J3降格の戦犯の1人」という人も多かったが見違えるような働きを見せている。2018年にJ3でプレーしたキーパーの中では屈指の有望株と言えるだろう。

5位の候補はFWジョン・ガブリエル(SC相模原)、DF西山雄(Y.S.C.C.横浜→鳥取)、GK堀田(福島)、FW宮市剛(盛岡)、DF井上黎(鳥取)など。FW宮市剛もこの1年で大きな成長を遂げたが大卒2年目のDF西山雄を5位に選出した。2017年はY.S.C.C.横浜でプレーして12試合の出場のみだったが今シーズンは主力に定着。夏に鳥取に引き抜かれたが新天地では8試合で4ゴール。「J3屈指のCB」と言える選手に育った。

2018年のMIP賞(J3編)

　　1位： MF 中川風希 (FC琉球)
　　2位： MF 富樫佑太 (FC琉球)
　　3位： DF 甲斐健太郎 (ガイナーレ鳥取)
　　4位： GK 牲川歩見 (アスルクラロ沼津)
　　5位： DF 西山雄介 (Y.S.C.C.横浜→ガイナーレ鳥取)

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