■ 苦しくなってきたアルビレックス新潟J1は残り7試合となった。上位争いも面白い展開になっているが残留争いが今シーズンも熾烈を極める。12位の仙台も『J1残留のための目安』とされる勝ち点「37」にはまだ届いていないが現実的には13位の清水、14位の札幌、15位の広島、16位の甲府、17位の大宮、18位の新潟という下位6チームが残留争いの中心になっていると言える。13位の清水~16位の甲府までの差が「4」。シビアな展開になっている。
最下位の新潟は呂比須監督の初陣となった12節の札幌戦(H)で勝利してから未勝利が続いている。ここ15試合で0勝11敗4分けとなる。直近の4試合は0勝1敗3分けなので少しずづ勝ち点が取れるようになってきたが勝利は遠い。当面のターゲットとなる15位の広島との差は「14」。残り7試合で全勝したとしても勝ち点「33」止まり。2004年からずっとJ1に居続けてきたがここまで来ると降格は不可避と言える。
「1年でのJ1復帰」が目標になって来るが2014年や2015年の磐田、2015年や2016年のC大阪、2017年の名古屋を見るとわかる通り、昨今のJ2は全体のレベルが上がっているので「昇格候補」と言われたチームがすんなりとJ1昇格の切符を勝ち取ることはほぼ無い。2013年はG大阪が圧倒的な攻撃力を武器にJ2を制覇したがG大阪がいた時期と比べて全く違うリーグになっているので新潟が苦労する可能性は高い。
表1. J1の順位表 (27節が終了時点)
順位 | チーム名 | 勝ち点 | 試合数 | 勝利 | 引き分け | 敗戦 | 得点 | 失点 | 得失点差 |
13 | 清水エスパルス | 28 | 27 | 7 | 7 | 13 | 31 | 45 | -14 |
14 | コンサドーレ札幌 | 27 | 27 | 7 | 6 | 14 | 26 | 41 | -15 |
15 | サンフレッチェ広島 | 26 | 27 | 6 | 8 | 13 | 27 | 39 | -12 |
16 | ヴァンフォーレ甲府 | 24 | 27 | 5 | 9 | 13 | 18 | 32 | -14 |
17 | 大宮アルディージャ | 21 | 27 | 5 | 6 | 16 | 25 | 48 | -23 |
18 | アルビレックス新潟 | 12 | 27 | 2 | 6 | 19 | 19 | 54 | -35 |
■ 厳しい状況になってきた大宮アルディージャより現実的には「清水・札幌・広島・甲府・大宮の5チームで3つの(残留という)椅子を争う形になっているが、5試合未勝利の大宮は苦しい立場になっている。15位の広島との差は「5」に広がった。伊藤彰監督が就任してしばらくの間はいいサッカーを見せていたので浮上しそうな雰囲気を醸し出していたが閉塞感が漂うようになってきた。夏に加入したMFカウエとFWマルセロ・トスカーノの2人を生かせていない。
大宮については残り7試合の対戦相手の顔触れを見ると悲観的にならざる得ない。横浜FM・柏・C大阪・川崎FというACLの出場権争いに絡んでいる上位との対戦を残している。33節は甲府戦(H)なので当面のターゲットとなる甲府との差は自力で縮めるチャンスが残っているが力のある上位チームとの対戦を多く残しているのはかなり不利である。横浜FM戦、C大阪戦、川崎F戦はいずれもアウェイ戦になるのもキツイ。
甲府は降格圏に位置するがチーム状態が上がってきた。不調が続いていたFWドゥドゥのコンディションが上がってきており、夏に加入した元G大阪のFWリンスが要所でゴールに絡む活躍を見せている。相手の脅威になるような選手がいなくて極度の得点力不足に苦しんできたが光が差してきた。27試合で32失点というのは残留争いに巻き込まれているチームの中では最少。堅い守備と勝負強さで残留を勝ち取りたい。
■ 日程的に有利なのは清水エスパルス広島はここ8試合で4勝1敗3分け。ヤン・ヨンソン監督への交代によってチームが大きく変わって結果が出るようになってきた。ついに15位と残留圏に浮上したが流れは明らかに良くなっている。ただし、ここからは上位との対戦が盛りだくさん。29節が鹿島戦(A)、30節が川崎F戦(H)、34節が柏戦(A)となるが、さらに地力がある浦和戦(H)やFC東京戦(H)も残している。対戦カード的にはJ1の18クラブの中で最も厳しい。
一時は残留争いから抜け出しかけた札幌だったが新潟を相手に2対0とリードしながら2対2に追いつかれた27節の新潟戦(H)の取りこぼしが痛恨だった。広島と甲府が追い上げて来たのでまたしても予断を許さない状況になっている。「ホームでは強くてアウェイでは弱い」というのが近年の札幌であるが、残りはホーム戦が3試合、アウェイ戦が4試合。ホーム戦の相手は柏・鹿島・鳥栖なので日程的にはかなり厳しい。
清水はここ6試合で1勝5敗と低調。残留争いに巻き込まれてしまったが広島や札幌とは真逆で残りの対戦相手には恵まれている。上位陣との対戦はホームでのダービーとなる磐田戦(H)のみ。大宮・札幌・新潟との対戦を残しており、J1の18クラブの中ではもっとも楽なスケジュールになっているが残留争いの直接対決になるので敗れるようなことがあると一気に差が縮まる。当然のことながら、油断は禁物である。
下の表2は各チームの「残り7試合の対戦相手と平均順位」を示している。前述のとおり、下位6チームの中で日程が厳しいのは広島・大宮・札幌の3チームで、新潟は普通。甲府は比較的恵まれており、清水は18クラブの中でもっとも恵まれた日程になる。清水は厳しい流れになっているが日程面の有利さを生かして再浮上する可能性が高い。ケガで離脱していたFW鄭大世とFWチアゴ・アウベスが戻ってきたのは大きい。
表2. 残り7試合の対戦相手と平均順位 (順位=26節終了時点)
クラブ名 | 平均順位 | 28節 | 29節 | 30節 | 31節 | 32節 | 33節 | 34節 |
広島 | 7.00 | 札幌 | 14 | 鹿島 | 1 | 川崎F | 2 | 浦和 | 8 | 神戸 | 11 | FC東京 | 10 | 柏 | 3 |
浦和 | 7.57 | 仙台 | 12 | 神戸 | 11 | G大阪 | 7 | 広島 | 15 | 鹿島 | 1 | 川崎F | 2 | 横浜FM | 5 |
大宮 | 7.86 | 清水 | 13 | 横浜FM | 5 | 柏 | 3 | C大阪 | 4 | 仙台 | 12 | 甲府 | 16 | 川崎F | 2 |
横浜FM | 7.86 | G大阪 | 7 | 大宮 | 17 | 鹿島 | 1 | 磐田 | 6 | C大阪 | 4 | 仙台 | 12 | 浦和 | 8 |
札幌 | 8.29 | 広島 | 15 | 柏 | 3 | FC東京 | 10 | 鹿島 | 1 | 清水 | 13 | G大阪 | 7 | 鳥栖 | 9 |
磐田 | 8.43 | FC東京 | 10 | 清水 | 13 | 新潟 | 18 | 横浜FM | 5 | 柏 | 3 | 鳥栖 | 9 | 鹿島 | 1 |
鹿島 | 8.57 | 鳥栖 | 9 | 広島 | 15 | 横浜FM | 5 | 札幌 | 14 | 浦和 | 8 | 柏 | 3 | 磐田 | 6 |
鳥栖 | 9.14 | 鹿島 | 1 | C大阪 | 4 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 | FC東京 | 10 | 磐田 | 6 | 札幌 | 14 |
川崎F | 9.43 | C大阪 | 4 | 仙台 | 12 | 広島 | 15 | 柏 | 3 | G大阪 | 7 | 浦和 | 8 | 大宮 | 17 |
新潟 | 9.43 | 神戸 | 11 | G大阪 | 7 | 磐田 | 6 | 鳥栖 | 9 | 甲府 | 16 | 清水 | 13 | C大阪 | 4 |
仙台 | 9.71 | 浦和 | 8 | 川崎F | 2 | 清水 | 13 | G大阪 | 7 | 大宮 | 17 | 横浜FM | 5 | 甲府 | 16 |
G大阪 | 9.86 | 横浜FM | 5 | 新潟 | 18 | 浦和 | 8 | 仙台 | 12 | 川崎F | 2 | 札幌 | 14 | FC東京 | 10 |
柏 | 10.14 | 甲府 | 16 | 札幌 | 14 | 大宮 | 17 | 川崎F | 2 | 磐田 | 6 | 鹿島 | 1 | 広島 | 15 |
甲府 | 10.71 | 柏 | 3 | FC東京 | 10 | C大阪 | 4 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 | 大宮 | 17 | 仙台 | 12 |
C大阪 | 11.14 | 川崎F | 2 | 鳥栖 | 9 | 甲府 | 16 | 大宮 | 17 | 横浜FM | 5 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 |
FC東京 | 11.43 | 磐田 | 6 | 甲府 | 16 | 札幌 | 14 | 清水 | 13 | 鳥栖 | 9 | 広島 | 15 | G大阪 | 7 |
神戸 | 11.86 | 新潟 | 18 | 浦和 | 8 | 鳥栖 | 9 | 甲府 | 16 | 広島 | 15 | C大阪 | 4 | 清水 | 13 |
清水 | 12.57 | 大宮 | 17 | 磐田 | 6 | 仙台 | 12 | FC東京 | 10 | 札幌 | 14 | 新潟 | 18 | 神戸 | 11 |
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