■ 競り合いを制したのは王者の鹿島アントラーズ2月18日(土)に行われたゼロックス・スーパーカップの鹿島 vs 浦和は3対2で鹿島が競り勝った。相手のミスを見逃さずに後半38分に決勝ゴールを奪った20歳のFW鈴木優がヒーローになった。鹿島は2月21日(火)に韓国の蔚山現代とACLのGLの初戦を戦う予定になっているが大事な初戦に向けて弾みのつく勝利となった。「全てのタイトルを狙う。」と選手やスタッフは公言しているがひとまず最初のタイトルを手にした。
GKクォン・スンテ、MFレオ・シルバ、FWペドロ・ジュニオール、MFレアンドロ、DF三竿雄、MF金森を獲得するなど今オフの鹿島は超・大型補強に成功した。弱点だったポジションを的確に補強できたのでテネリフェに移籍したMF柴崎岳の穴はほとんど感じられない。むしろ、Jリーグ屈指のボランチであるMFレオ・シルバが加わったのでボランチに関しては昨シーズンと比べてもパワーアップした印象になる。
一方の浦和は嫌な負け方になった。ミスからピンチを招く場面が非常に多くてピリッとしない内容だった。0対2になった後、MF興梠とMF武藤雄のゴールで2対2の同点に追いついたところは「さすが」と言えたが、気持ちよくACLの初戦を迎えることが出来るだろう鹿島とは対照的に次の試合までモヤモヤした感じで過ごさなければいけなくなった。屈辱を味わった昨シーズンのCSの借りを返すことはできなかった。
■ 何人かの選手を温存したと考えられる浦和レッズ浦和は早く気持ちを切り替えたいが「ほぼベスト」と言える11人をスタメンで起用してきた鹿島とは対照的に浦和は何人かの主力選手がスタメンから外れている。ボランチのMF柏木に関しては怪我という情報が入っており、FWラファエル・シルバも怪我上がりなのでコンディションの問題でベンチ外だったと思うが、日本代表のDF槙野に関しては試合前の段階から「温存されるのではないか?」と報じられている。
MF興梠ではなくてFWズラタンを先発で起用してきたことも温存策と言えるのでは?と考えられるがいずれにしても今後の戦いを見据えたメンバー起用だった。「ベストメンバー vs ベストメンバー」の方が試合は面白くなるので残念に感じるところもあるが言うまでもなく大事なのはACLの初戦のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦である。報道どおりで敢えてメンバーを落としたのであれば賢明な策と言える。
ペトロヴィッチ監督の判断は妥当だったと思うがそれでもメンバーをやや落として戦ったことに関して一部の人からは批判の声が上がっている。当然、「ベストメンバー vs ベストメンバー」の戦いにならないとゼロックスという大会自体の価値やステータスが下がる危険性がある。ゼロックスに出場するチームのほとんどが主力を温存して若手主体のメンバーを組むようだとスポンサーのゼロックスに対して失礼に当たる。
そういう事情を考慮して「なぜ、ベストメンバーを出さないのか?」と批判する人が出てくるのは仕方がない話でそのような意見も一理あるが「近年、ACLで日本勢が勝てていないこと。」を考えると(ゼロックスではなくて)ACLの方にエネルギーを注ぐのはごく当たり前の選択になってきた。特に日本勢はACLのGLの初戦や2戦目の勝率が極めて良くないので総合的に考えるとむしろACLを重要視すべきである。
■ 超・ハードスケジュールになる浦和レッズ共に2月21日(火)にACLのGLの初戦を戦うことになるが、鹿島はACLの初戦の蔚山現代戦(H)がホームゲームであるのに対して浦和はGLの初戦のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(A)がアウェーゲームになる。その点が対照的な選手起用になった一番の理由と考えられる。土曜日にゼロックスを戦った後、すぐさまオーストラリアに移動してACLのGLの初戦を迎えるというのはハードなスケジュールである。
浦和の何人かの選手は少しあるいは丸々休むことが出来たが、ゼロックスで90分プレーした主力選手は何人もいる。ゼロックスというのは伝統と歴史のある大会で、Jリーグの新シーズンの到来を告げる大会で、新シーズンのJリーグのジャッジ基準を示す重要な大会であることは間違いないが、ゼロックスという大会がACLで日本勢が結果を残す確率を下げているのでは?と言わざる得ない状況になっている。
「今回の浦和のケースが最悪」と言えるが土曜日にゼロックスを戦って次の火曜日にアウェイでACLの初戦を迎えるというのは非常に厳しい日程である。中2日で試合を行うことになるがコンディション的にはかなり厳しい。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(A)に関しては「引き分けでも御の字」と言えるが、ゼロックスという大会がなければ、あるいは、もう1日前に大会が行われていたら全く条件は違ってくる。
「ACL組の大きな負担になっているのでゼロックスは無くした方がいいのでは?」と意見する人もいるが、先の事情に加えて数少ない地上波での生中継が行われる大会を無くすのは勿体なく感じるところもある。現時点では今シーズンの鹿島のように本気でゼロックスを獲りに来るチームの方が多いので大きな問題にはなっていないが、ACLの価値が上がって来てゼロックスを取り巻く環境が変わって来たのは確かである。
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