■ 2ndステージの大一番J1の2ndステージの第14節。10勝2敗1分けで勝ち点「31」の浦和レッズはホームの埼玉スタジアムでガンバ大阪と対戦した。G大阪は8勝2敗3分けで勝ち点「27」。2ndステージの順位は浦和が首位、川崎Fが2位、G大阪は3位となる。上位争いをする両雄の直接対決となった。浦和は年間成績では勝ち点「64」で2位。首位の川崎Fは勝ち点「66」なので「2差」。2ndステージ制覇と年間最多勝ち点が目標となる。
ホームの浦和は「3-4-2-1」。GK西川。DF森脇、遠藤航、槙野。MF柏木、阿部勇、駒井、宇賀神、武藤雄、高木俊。FW興梠。最近はDF那須が3バックの中央に入ることがほとんどだったがリオ世代のDF遠藤航が起用された。キャプテンのMF阿部勇はJ1通算500試合目というメモリアルゲームとなる。右WBにはMF駒井、左WBにはMF宇賀神が起用された。怪我で離脱していたDF槙野が左CBでスタメンとなった。
アウェイのG大阪は「4-2-3-1」。GK東口。DFオ・ジェソク、丹羽大、西野、藤春。MF井手口、遠藤、倉田、アデミウソン、大森。FW長沢駿。CBのDF金正也が出場停止で187センチのDF西野が今シーズン初スタメンとなった。好調のFW長沢駿はここまで9ゴールを挙げている。コンディションが万全ではないMF今野はベンチスタート。コンディションに不安を抱えているMF遠藤はボランチでスタメン出場となった。
■ 4対0でホームの浦和レッズが圧勝試合は開始早々の前半6分にホームの浦和が先制に成功する。浦和らしいコンビネーションから右サイドの裏を取ったMF武藤雄のグラウンダーのクロスを好調のMF高木俊が決めて幸先よく先制に成功する。MF高木俊は2試合連続ゴールで今シーズン2ゴール目となった。前半は浦和が7本のシュートを放ったのに対してG大阪は1本のみ。浦和が攻守に圧倒して1対0とリードしてハーフタイムに突入する。
迎えた後半開始からG大阪はMF大森を下げてMF藤本淳を投入。ビハインドのG大阪が先に動いてくるが後半5分にバイタルエリアでボールを受けたMF武藤雄が左足でミドルシュートを決めて貴重な追加点を奪った。問題のシーンが起こったのは後半14分だった。MFアデミウソンとDF槙野が絡んで両者が倒れたときにMFアデミウソンが暴力行為を働いたという判定で一発レッドで退場。G大阪は10人となる。
これでほぼ試合の行方は決まった。手を緩めない浦和は後半38分にDF森脇のクロスからMF宇賀神が決めて3点目を挙げると後半42分には途中出場のFWズラタンが決めて4点目を奪った。4対0で勝利した浦和は2ndステージの首位をキープ。2ndステージ制覇に大きく前進した。一方のG大阪は2ndステージ制覇と年間3位の2つを目標に戦っているがともに絶望的。CS進出の可能性は限りなくゼロに近づいた。
■ 東西のビッグクラブの激突だったが・・・。近年のJリーグを引っ張って来た東西のビッグクラブが激突した2ndステージの大一番だったがまさかの大差が付いた。終わってみると浦和のシュート数は大台の20本だったのに対してG大阪は3本だけ。後半に途中出場したFW呉屋が裏に抜け出してシュートを放った場面があったがG大阪の決定機はこのシーンくらい。近年はG大阪が直接対決を制することが多かったが浦和がゴールラッシュを見せた。
序盤から圧倒的にボールを支配して攻め込む展開になったが後半5分のMF武藤雄のミドルシュートによる追加点が大きかった。CBのDF西野の体に当たってコースが変わっているが後半開始からMF藤本淳を投入して流れがG大阪の方に傾きかけていた時間帯に生まれた大きなゴールだった。MF武藤雄は前半6分のMF高木俊のゴールもアシストしているので1ゴール1アシスト。MOM級の働きを見せた。
2ndステージに入ってからはG大阪も好調なので拮抗した展開になるかと思われたがこの試合に関しては両者の間に小さくない差があった。最近の浦和は勝負弱いと言われることが多いが「ホームのG大阪戦」という大一番を乗り切ったことで2ndステージ制覇に大きく前進した。川崎Fとのデッドヒートになってきたが残り3試合でずっと言われ続けてきた「勝負弱い」というイメージを払拭したいところである。
■ 完勝にミソが付いたレッドカードの場面浦和にとっては結果も内容も文句なしのパーフェクトに近い試合になったが完勝の試合にミソが付いたのは後半14分のMFアデミウソンの一発レッドのシーンである。当事者であるDF槙野がお腹をおさえて相当に痛がっていたこともあって近くで見ていた廣瀬レフェリーは迷うことなく暴力行為でレッドカードを提示したがリプレーを見る限りでは手を振り上げたMFアデミウソンの行為は空振りのように見える。
「振り払っているだけ」という見方もできるが手を振り上げたMFアデミウソンの行為自体は宜しくなかった。拳を作っているように見えるところも周囲に与える印象を悪くしているのでMFアデミウソンに対してイエローカードが出されるのは仕方がないと思うが、レッドカードというのは完全な誤審だったと思う。注目度の高いビッグマッチだったがMFアデミウソンへのレッドカードによって試合の行方はほぼ決まった。
当然、MFアデミウソンにも非はある。そして、(立ち位置自体は問題なかったが)見抜けなかった廣瀬レフェリーに対して批判の声が出てくるのも仕方がないことだと思うが、その一方でDF槙野の行為も同じかそれ以上に批判されるべきだと思う。両者が倒れて体が重なっている状態でMFアデミウソンの拳がDF槙野のお腹にクリーヒットすることはほぼあり得ない話であり、シミュレーションだった可能性は高い。
サッカーの試合ではエリア内で攻撃側の選手がシミュレーションをしてPKを獲得するシーンもたくさん見られるが、シミュレーションはローリスクでハイリターンなものになっている。Jリーグに限った話ではないが「主審を騙せたら儲けもの」という風なものになっているので「やったもん勝ち」になっているのが現状であるが、不利益を被った側はもちろん、利益を得て勝利をつかんだ側もすっきりしないものである
「審判員がレベルアップをしてシミュレーションに騙されないだけの力を身に付ける。」というのが大事になってくるが密集地帯で起こることが多いので見極めるのは大変である。「騙される審判員が悪い。」とも言えるが、「騙す方はもっと悪い。」という空気が作られないとシミュレーションという行為は一向に無くならない。なのでシミュレーションを行った選手は敵味方関係なく激しく糾弾されるべきだと思う。
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