■ ハリルホジッチ監督は選手交代が不得意か?アジア最終予選の初戦となるUAE戦は1対2の逆転負け。出だしで躓いてしまったが、ハリルJAPANになってからの通算成績は18試合で11勝3敗4分け。2015年8月の東アジアカップの初戦の北朝鮮戦、2016年6月のキリンカップサッカー2016のボスニア・ヘルツェゴビナ戦に次ぐ3敗目を喫したが、北朝鮮戦も、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦も、UAE戦もともに前半の早い段階で先制ゴールを奪っているが逆転負け。
「リードを奪った後の戦い方」ならびに「1対1に追いつかれた後の戦い方」に大きな課題を抱えている。ビハインドを背負った後の戦い方も課題として残っているが、これまでの18試合を振り返ってみるとハリルホジッチ監督の選手交代によって流れが良くなった試合というのは決して多くない。むしろ、ほとんど無いといえる。したがって、残念ながら「選手交代の上手な監督」というイメージは今の時点では無いと言える。
先のUAE戦はMF大島僚(川崎F)をスタメンで起用したことがポイントになった。「国際Aマッチの出場経験がないMF大島僚をいきなりスタメンで起用した采配が理解できない。」という声は多いが、ボランチの主軸であるMF柏木とMF山口蛍が揃って怪我で使えなかった(あるいは使いにくかった)ことを考えるとハリルホジッチ監督の選択肢は少なかった。MF大島僚を抜擢したことに関しては妥当だったと思う。
■ 敗因の1つはハリルホジッチ監督の選手交代ただし、緊張やプレッシャーもあって思うようなプレーはできなかった。前半20分の失点シーンはMF大島僚の横パスが弱くなって相手にボールを奪われたことがきっかけになっており、守備に回ったときもボールを奪いきれない場面がいくつかあった。最終的にはPKを献上したシーンもボールを奪いきれなかったことがきっかけになったので心配されていた「MF大島僚の守備力」が失点に直結する形になった。
先のエントリー中で記述した通りで「ハーフタイムで選手交代を行わなかったこと」は大きな驚きであり、ハリルホジッチ監督のミスだったと思うが、後半の選手交代も不可解なものがあった。もちろん、PKのシーンやFW浅野拓のゴールが認められなかったことを含めた審判団のジャッジが日本の戦い方を難しくしたのは確かであるが、敗因の1つとしてハリルホジッチ監督の選手交代のまずさも挙げることができる。
結局、1対2と逆転された後の後半17分にMF清武を下げてMF宇佐美を投入。さらに後半21分にFW岡崎慎を下げてFW浅野拓を投入して、後半30分にはMF大島僚を下げてMF原口を投入した。本来はアタッカーであるMF原口はボランチの位置でプレーすることになったが持ち味である推進力を発揮した。後半44分に訪れた左足のシュートシーンで枠を大きく外してしまったのは残念だったがプレー自体は良かった。