■ 立ち止まっている暇はない。日本代表はロシアW杯でベスト16という結果を残した。もちろん、2対0とリードしながら後半の半ば以降に3連続失点して2対3で敗れたベルギー戦の戦い方については「こうした方が良かったのでは?」、「別のやり方があったのでは?」というところもあるが、前評判の低さを覆してGLを突破した。3度目のGL突破となるがこれはアジアの国の中では最多となる。2度のみの韓国をGL突破の回数ではあっさり追い抜いた。
2002年の日韓W杯、2010年の南アフリカW杯と並んでベスト16というのは史上最高成績タイとなるが、過去2回はいずれも0対1の敗戦だった。「決勝Tではゴールを奪えていない。」という状況だったが、MF原口とMF乾がゴールゲット。「決勝Tでゴールを奪う。」という1つの壁を乗り越えた。同じように1点差負けだったが優勝候補のベルギー戦だったことを踏まえると過去2回よりも達成感のあるベスト16である。
しばらくはベスト16の余韻に浸りたいところであるが、日本サッカー界は発展途上である。立ち止まっている暇はない。次の4年間に向けて早く歩み出さないといけない。西野監督の退任が確定したので「後任監督選び」が目下の最大の注目点と言えるが、現状では元ドイツ代表のクリンスマン監督、イタリア人のドナドーニ監督、五輪代表の森保監督、リオ五輪代表の手倉森監督らが候補に挙がっている。
■ 4月9日のエントリーを見返すと・・・。当分の間、いろいろな名前が「日本代表の次期監督候補」としてメディアを賑わせることになると思うが過去を振り返ってみてもこの時期にメディアから流れる情報というのはガセネタが多い。具体的な名前が出てきたとしても話半分で聞くべきだと思うが、同時にこのタイミングで「直前での監督解任劇はどうだったのか?」、「監督解任という決断をどのように評価すべきなのか?」をしっかりと整理しておく必要がある。
当時、田嶋会長は「1%でも2%でもW杯で勝つための確率を上げるための監督交代だ。」とコメントしているが、当サイトの4月9日(月)のエントリーを見直すと「納得できる選択」と書かれている。重要な箇所を書き出してみると以下のとおりである。
解任に対して否定的な意見もあるとは思うが個人的には「解任というのは納得できる選択」と言える。マリ戦ならびにウクライナ戦の2試合を観ると今の日本代表は二進も三進もいかない状況であり、これからの2か月半の間にハリルホジッチ監督が手を加えてチームとして良くなる可能性はかなり低いと考えざる得ない。何かしらの手を打たないといけない状況であり、そうなると監督交代が最善の策になる。
これまでの3年間で積み上げてきたものがあるのであれば「このタイミングで監督を交代させて本大会で結果が出なかったら勿体ない。」、「これまでの3年間はいったい何だったのか?」となるが、残念ながら、今のハリルJAPANには「積み上げてきたもの」はほとんどない。ハリルJAPANのままで本大会に突入するよりも新しい体制で挑んだ方がGL突破や勝利の可能性は少し膨らむように感じられる。
→ 2018/04/09 【日本代表】 ハリルホジッチ監督の解任(?)について思うこと。
■ 賛成派は35%、反対派は65%つまり、解任という判断を聞いたときはポジティブに考えたが、このエントリー中に付随しているアンケートの結果を見ると
・解任の選択を強く支持する。 135票 (18.1%)
・解任の選択をどちらかというと支持する。 122票 (16.4%)
・解任の選択はどちらかというと支持しない。 105票 (14.1%)
・解任の選択は全く支持しない。(解任すべきではない。) 384票 (51.5%)となる。大雑把に分けると「賛成派は35%、反対派は65%」になる。したがって、監督交代に賛成した人たちが非主流派で、監督交代に反対した人たちが主流派に分類されるが、率直に言うと、あの状況で「反対派」の方が大きく上回ったことに関しては相当に意外だった。「ハリルホジッチ監督は(隠しているだけで)W杯に向けて何かしらの秘策を持っているはず。」と考えた人は少なくなかったようだ。
難しいのはハリルJAPANで本大会を戦っていたらどういう結果になっていたのか?は誰にも分からない未来になる点である。監督交代という話が浮上する前の時点では「このまま行くと3連敗するだろう。」と意見する人が多かったと思うが、当然のことながら、今回の西野JAPANが残したベスト16という成績を上回って史上最高成績を残していた可能性も全くのゼロではない。この点が話をややこしくする。
ただ、冷静に考えると、やはり、ハリルJAPANのままでGLを突破できた可能性はやはり低い。田嶋会長に関してはいろいろと思うところはあるので彼を肯定的にあまり考えたくないところもあるが、それでも監督交代によって勝てる確率が(わずかでも)上がったのは間違いないところである。監督交代という決断を下した時期は遅かったと思うが、難しい決断を下して結果が出たことは素直に評価しないといけない。
■ 「我慢強さ」というのは世界屈指アギーレ監督ならびにハリルホジッチ監督が連続して任期途中で監督の座を退いたので「日本代表はコロコロと監督を代え過ぎる。」と批判する人が多くなっているが筋違いな批判である。過去を振り返ってみるとよほどのことがない限りは任期途中では監督を代えていない。八百長問題が発覚したアギーレ監督はイレギュラーなので彼を除くと1997年の加茂監督の更迭以来。「我慢強さ」というのは世界屈指である。
トルシエ監督やジーコ監督や岡田監督(第2次)については結果が出なくて大き批判を浴びた時期もあったがかばい続けた。どちらかというと事なかれ主義で、「一度、この監督に任せると決めたらどんなことがあってもかばい続ける。」というのがこれまでの方針だった。今回もこのままいくのだろうと勝手に思っていたのでまさかのニュースだった。「内部でよほどのことが起こっているのだろう。」とこの時は推測した。
日本という国には「武士道の精神」が根付いているので「とにかく信じて突き進んでそれで結果が出なかったら仕方がない。」という風潮もあるが、この点は日本のいいところでもあり、悪いところでもある。間違った道に進んでいると分かっていても軌道修正できずに撃沈してしまうケースが各分野で少なくない。リスクの高い決断だったが「何とか決断して軌道修正できたこと」に関しては素直に評価しないといけない。
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