ツエーゲン金沢→ 昇格2年目となる金沢は18節終了時点で2勝11敗5分けで22位。最下位に沈んでいる。入れ替え戦圏内となる21位の北九州との差は「3」。昇格初年度の2015年は一時は首位に立つなど前半戦は怒涛の快進撃をみせたが2年目の今シーズンは苦しんでいる。オフにMF清原(→C大阪)やFW佐藤和(→水戸)やMF秋葉(→FC岐阜)ら主力が退団。苦戦が予想されていたが開幕から11試合勝ちなしと初勝利が遠かった。
期待された新戦力のMF熊谷アンドリューやMF古田やMFロマリーニョなどは怪我等もあってほとんど活躍できていない。山形から加入したベテランのFW山崎雅は攻撃の中心として頑張っているがここまでの18試合で17得点のみ。一方の守備陣も18試合で31失点とリーグワースト。3月下旬のC大阪戦(A)から3バックを採用するようになると一時的にチーム状態はやや上向いたが「良い時期」は長続きしなかった。
北九州や群馬などとともに現状は「J2の残留争いの中心」になっているが現時点では金沢がもっとも厳しい立場にいるのは間違いない所である。開幕前は「昇格候補の1つ」と言われていた北九州にはFW小松塁やFW原一樹など力のあるストライカーがいて何だかんだで地力がある。群馬も戦力的には攻守両面において寂しいものがあるが何度か残留争いを経験しているので残留争いを乗り切った経験を豊富に持っている。
開幕前に「降格候補」と言われていた山口や町田は順調に勝ち点を積み上げており、残留争いとは無縁のシーズンになっている。金沢が「J3降格」を回避するためには夏の移籍市場での補強の成功は不可欠と言えるが補強ポイントはどう考えても2列目タイプのアタッカーである。昨シーズンもMF清原は不動のレギュラーだったが左SHがなかなか定まらず。台所事情は苦しかったがMF清原の移籍でさらに厳しくなった。
前述とおり、攻撃の中心になることが期待された新戦力のMF熊谷アンドリューやMF古田やMFロマリーニョあたりは期待を大きく裏切っている。MF大槻優が2列目の選手の中ではもっとも出場機会を得ているが決定的な仕事ができる選手ではない。質も量もかなり物足りないので補強は不可欠と言えたが2列目はどのチームも選手層が厚い。J1も含めると出番に恵まれずに出場機会を欲している優秀な選手は少なくない。
「比較的、補強がしやすいポジション」と言えるがさっそく、MF中美(鳥栖)の期限付き移籍が発表された。2015年は栃木SCでプレーして41試合で10ゴールを記録。チームは最下位で「J3降格」となったが攻撃の中心として孤軍奮闘した。高い攻撃センスを持っているのでJ2の中堅以下のクラブでは攻撃の中心になれるだけのポテンシャルを持っている。チームのウイークポイントを補う良い補強と言えるだろう。