■ J1の第26節 J1の第26節。6勝9敗10分けで勝ち点「28」のコンサドーレ札幌はホームの札幌ドームでサガン鳥栖と対戦した。鳥栖は7勝5敗12分けで勝ち点「33」。夏に入って勝ち点が伸び悩んで残留争いに巻き込まれかけた時期もあったが勝ち点「33」となったので「残留は有力」と言える状況になった。16位の神戸との差は「9」となる。残留争いの真っ只中の札幌は16位の神戸との差が「4」のみ。切羽詰まった状況である。
ホームの札幌は「3-4-2-1」。GK菅野。DF田中駿、岡村大、福森晃。MF駒井、高嶺、ルーカス・フェルナンデス、菅大輝、小柏、ガブリエル・シャビエル。FW興梠。ドリブラーのMF金子拓を怪我で欠いているがMF高嶺などそれ以外の主力は続々と復帰してベストに近いスタメンとなった。新戦力のFWキム・ゴンヒが初めてベンチ入り。186センチの大型ストライカーで韓国代表に選出された経験を持っている。
アウェイの鳥栖は「3-1-4-2」。GK朴一圭。DF原田亘、ファン・ソッコ、中野伸。MF藤田直、福田晃、小泉慶、長沼、ジエゴ。FW宮代、本田風。E-1 サッカー選手権で代表デビューを飾ったMF岩崎は対戦相手の札幌からの期限付き移籍なので出場不可。MFジエゴが左WB、DF中野伸が左ストッパーの位置で起用された。20試合で6ゴールを挙げているFW垣田はベンチスタート。MF堀米勇もベンチスタートになった。
■ 前半は札幌ペース、後半は鳥栖が巻き返す。 試合の前半は札幌ペースで進んでいく。鳥栖はなかなかパスをつなげずにシュートまで持ち込めず。前半15分にはMFガブリエル・シャビエルの絶妙なパスからFW興梠に決定機が訪れたが決められず。大きなチャンスを逃した札幌だったが前半21分に右サイドからMF小柏がグラウンダーのクロスを入れるとFW興梠が合わせて札幌が先制に成功する。36歳のFW興梠は歴代2位タイとなるJ1通算161ゴール目となった。
1点を追う鳥栖は後半開始からFW本田風を下げてFW垣田を投入。FW宮代とFW垣田の2トップに変更すると流れは一変した。後半は打って変わって鳥栖ペースとなる。流れの良くない札幌は後半10分にFW興梠を下げて新戦力のFWキム・ゴンヒを投入する。優勢に進める鳥栖は後半18分にMF福田晃のクロスからDFファン・ソッコがかなり距離のあるところからヘディングで合わせてようやく1対1の同点に追いついた。
さらに後半24分にもMF福田晃のクロスから左WBのMFジエゴが豪快に頭で合わせて2対1と逆転に成功する。MF福田晃は2アシストの活躍だった。終盤に札幌のMF駒井が連続でチャンスを迎えたがGK朴一圭の好セーブもあって同点に追いつくことは出来なかった。2対1で逆転勝利の鳥栖は勝ち点「36」となった。暫定ながら7位に浮上した。敗れた札幌はホームでは4試合勝ちなし。12位に転落した。
■ 降格の危機を迎えたコンサドーレ札幌 この日は声出し応援が認められた。札幌のホーム戦としては2年8か月ぶり。久しぶりだったが試合後は残念ながら応援席からブーイングが起こった。声出し応援がOKなのでブーイングをすること自体には何の問題もないがこういう試合で声援ではなくてブーイングが飛び交うというのは極めて残念である。鳥栖・浦和・名古屋がここに来て勝ち点を積み上げているので11位の清水以下の残留争いになったと言える。
札幌は得失点差が「-17」。磐田に次いでワースト2位となる。これだけ混戦なので得失点差「-17」というのはかなりキツイ。先日、G大阪と磐田が監督交代を実施したが札幌がペトロヴィッチ監督を斬ることはないだろう。より正確に言うと「どんな事態になってもミシャと心中するしなかない。」と言える。監督を信じるしかないが「こういう状況になっても監督交代を選択できない。」というのはかなりきつい話である。
シーズン終了後には「続投なのか?退任なのか?(あるいは辞任なのか?)」の判断をフロントが下すことになると思うが率直に言うとどういう結論になるにせよ厳しい。続投にせよ、監督交代にせよ、明るい未来は想像しにくい。監督交代となった場合はペトロヴィッチ監督のことを慕っている選手たちが流出する可能性が高まるが逆に続投となった場合でもクラブの未来に不安を抱く主力数名が流出すると思われる。
ミシャ体制は末期の状態である。ペトロヴィッチ監督のサッカーを理解するためには結構な時間が必要となるがペトロヴィッチ監督はこれまで使ってきた選手を信頼して起用する傾向が強い。新戦力を獲得したとしても割って入ることが出来ずに新陳代謝は進まない。広島時代の末期や浦和時代の末期と同じような状況になっているがJリーグデビューを飾ったFWキム・ゴンヒはまずまず。いいプレーを見せた。
■ 後半から登場したFW垣田が活躍! 勝利した鳥栖はここ3試合は2勝1分け。勝ち点「36」になったのでさらに残留の可能性が高まった。最近の下位グループの結果や内容を考えると「よほどのことがない限りは大丈夫」と言える。勝ち点「38」まで到達できるとさらに安心できるが前半と後半は全く別のチームだった。前半は低調だったが後半になると攻守に躍動した。キーになったのは後半から投入されたFW垣田だった。精力的な動きを見せた。
187センチとサイズに恵まれているが裏への飛び出しも1つの武器となる。大きな身体で何度も裏に向かって走ったことで札幌の守備陣は混乱した。ゴールやアシストはなかったがMOM級の活躍だった。2アシストのMF福田晃は今シーズン6アシスト目。2016年にJ1で4アシストを記録しているが自己最多のアシスト数となった。「質よりも量」で勝負するタイプの選手だったが今シーズンは質の部分も向上している。
逆転ゴールを決めたのは左WBのMFジエゴだったが強烈なヘディングシュートを決めてヒーローになった。徳島時代はミスも多くてポテンシャルを生かせなかったが鳥栖で様変わりした。MF岩崎やMF堀米勇やMF長沼なども前・所属クラブでは力を出せなかったが鳥栖にやって来て存在感を発揮している。「補強が上手い。」というだけでなく「誰が起用されても活躍 or 躍動できる。」というチームになっている。
17位のG大阪は今夏に大型補強を敢行した。FW鈴木武蔵、MF食野亮、MF山本理、MFファン・アラーノを獲得したがなかなか活躍できない。今のG大阪と今の鳥栖は好対照と言える。G大阪はチーム状態が悪いので「誰が起用されても活躍 or 躍動できない。」と言える。今夏のG大阪のようにいい選手をたくさん獲得できたとしてもピッチ上で貢献できないと良かったはずの補強まで批判の対象になってしまう。
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