1位 : 大宮アルディージャ 2勝0敗0分け 3得点/0失点→ J1は開幕2連勝の大宮が首位に立っている。開幕戦はアウェイでFC東京と対戦したが後半24分に新加入のMF岩上が決勝ゴールを決めて1対0で勝利すると、ホーム開幕戦となった2節の柏戦(H)は前半9分と前半15分にエースのFWムルジャがゴールを決めて2対0で勝利した。2試合とも相手に主導権を握られる時間帯の方が長かったが、GK塩田とDF河本とDF菊地将を中心とした守備陣が踏ん張って完封勝利を飾った。
2015年のJ2を制した大宮の武器はMF家長を中心とするポゼッション力の高さだったが、ここまでの2試合はMF家長が目立つシーンは少ない。さらに左サイドのMF泉澤の突破も大きな武器だったが彼のところから仕掛ける場面も少ない。「新たな武器」と言えるMF岩上のロングスローもおそらくはFC東京戦(H)の序盤に1回投げただけだと思う。有効に活用できていない武器がたくさんある中で連勝スタートを切った。
オフにMFネイツ・ペチュニクとMF岩上を獲得したが中盤から前目のポジションの充実ぶりは目を見張るものがある。攻撃的なポジションのタレント力では「J1で有数」と言えるレベルで、しかも、タイプの異なる選手を擁しているのは強みとなる。優秀なプレイスキッカーのMF岩上が加入したが高さのある選手が多いのでセットプレーも武器になるだろう。対戦相手から見ると厄介なチームになってJ1に戻ってきた。
ここまで攻撃陣を牽引しているのはFWムルジャ。「実力的にはJ1でも屈指のフォワード」と言えるのは開幕前から分かり切っていたことであるが3ゴール全てに絡んでいる。ストライカーの嗅覚を発揮した柏戦(H)の1点目のスライディングシュートも見事だったが、前半15分の個人技からのシュートも圧巻だった。左サイドの奥でボールを受けると相手DF2人を華麗にかわして角度のないところからネットを揺らした。
J1での大宮の過去最高順位は2006年と2008年と2010年の12位。ベルデニック監督が指揮した2013年は開幕から快進撃を見せたが終わってみると14勝17敗3分けで14位だった。上位進出どころから、一桁順位でシーズンを終えたこともないが、今シーズンはクラブ史上最高順位を更新する大きなチャンスである。好スタートを切った大宮がこのまま1stステージの優勝争いに絡んでくるようだと面白いことになる。
18位 : 柏レイソル 0勝2敗0分け 1得点/4失点→ 2連勝スタートの大宮とは対照的に18クラブの中で唯一の2連敗スタートとなったのが柏。開幕前に行われたちばぎんカップも0対3で敗れているのでミルトン・メンデス監督の手腕を疑問視する声も出始めている。もちろん、千葉戦(A)、浦和戦(H)、大宮戦(A)の3試合は内容的にはそこまで悪くなかった。スタイルが大きく変わったので時間がかかるのは確かであるが結果が出ないとネガティブな雰囲気になっていく。
ポジティブな要素はFWディエゴ・オリヴェイラが活躍しそうだという点。1トップで起用されているがフィジカルが強くてテクニックがあって突破力がある。ボールを失うことは少ないので最前線で起点になる働きができるし、自分でフィニッシュまで持っていくこともできる。アタッカーのMFジュリアーノ・ミネイロの方がどちらかと言うと前評判が高かったが現段階ではFWディエゴ・オリヴェイラが目立っている。
FW工藤壮とFWクリスティアーノが抜けたので攻撃的なポジションの戦力ダウンを懸念する声は多かったが、FWディエゴ・オリヴェイラがフォワードの軸に収まりそうな雰囲気で、さらには開幕前にFW田中順がチームに戻ってきたのでタレント力では2015年と比べても大きくは見劣りしない。MF大津祐、MFエデルソン、MF茨田、MF武富、MF太田徹もいるので、アタッカーに関しては魅力的な人材が揃っている。
問題は守備的なポジション。GK中村航はよく頑張っているが最終ラインは経験の少ない選手が多いので不安いっぱい。ミルトン・メンデス監督はアタッカーのDF伊東純を右SBにコンバート。慣れないポジションでDF伊東純はよく頑張っているが、大宮戦(A)の2失点目など現時点ではプラスの部分よりもマイナスの部分の方が目立っている。試みとしては面白いが「いつまで我慢できるか?」は注目ポイントと言える。
最大の課題はセットプレーの守備。ちばぎんカップの3失点はいずれもセットプレーで、開幕の浦和戦(H)のFWズラタンの決勝ゴールもCKから。右SBに本職ではないDF伊東純を起用していることもあって「空中戦に強い。」と言える選手は184センチのDF中谷くらい。DF中谷が「相手の1番強い選手」にマッチアップしているので仕方がないところもあるがDF中谷のところでやられている場面が目立つ。要改善と言える。
8位 : FC東京 1勝1敗0分け 2得点/2失点→ 6年ぶりに城福監督が復帰したFC東京はJ1では1勝1敗。ACLも1勝1敗。過密日程であることを考えるとまずまずのスタートを切った。両方の大会とも開幕戦を落としたが2節で勝利してある程度のリカバーに成功した。仙台戦(A)は開始早々にセットプレーから先制される苦しい流れだったがこの試合で勝利できたのは大きい。「試練の4連戦」だったが最低限の成績を残して3節の神戸戦(H)を戦うことになる。
2月9日(火)にACLのプレーオフのチョンブリ戦(H)が行われた影響も少なからずあると思うが、この時期にしては怪我が多く発生している。レギュラーを予定していたMFハ・デソンとDF駒野が欠場中。電撃加入した五輪代表のDF室屋も長期離脱中なので城福監督はやり繰りで苦労している。ACLのプレーオフは絶対に落とせない試合なので他のクラブよりも2週間ほど早く仕上げる必要があったのは気の毒に感じる。
特にDF駒野とDF室屋が怪我で離脱した左右のSBは非常事態に陥った。SBの本職はDF徳永・DF駒野・DF室屋・DF小川諒の4人だったが、19歳でJ1経験のないDF小川諒を抜擢するのは相当な勇気が必要となる。なので、DF橋本拳を右SBにコンバートして乗り切ろうとしたが、SBの攻撃参加は城福監督のサッカーには不可欠な要素なのでDF橋本拳がSBでプレーしているときは厚みのある攻撃ができなかった。
大宮戦(H)で攻めきれなかった一因だったが3月1日(火)に行われたACLの2節のビン・ズオン戦(H)でDF小川諒を左SBでスタメン起用すると3点目のFW前田遼のゴールをアシストするなど2ゴールに絡む活躍を見せて、さらに2節の仙台戦(A)でもスタメンで起用されて相手のオウンゴールを誘発した。左足のキックは精度が高くて、しかも、180センチとサイズがある。SBで苦労していたFC東京の救世主になりつつある。
守備重視のフィッカデンティ監督から攻撃的なサッカーを好む城福監督に変更になったが大きな問題は生じていない。むしろ、チーム全体が攻撃的になったことでポジティブな雰囲気が生まれているように感じられる。攻撃陣で目立っているのはFW阿部拓。フィジカルの強さを生かした力強いドリブルで多くのチャンスを演出している。気になるのはMF水沼。大宮戦(H)とビン・ズオン戦(H)は前半のみの出場にとどまった。
★ 現在の投票数 → 804票
→ 投票したいチームを選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で8チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
→ 記事内容に関係のないコメント(政治的な内容も含む。)はご遠慮ください。
関連エントリー
2016/02/01 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (GK編)
2016/02/01 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (両SB編)
2016/02/02 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (CB編)
2016/02/02 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (ボランチ編)
2016/02/03 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (攻撃的MF編)
2016/02/03 【リオ五輪】 「本大会で手倉森JAPANに召集されるのは誰になるのか?」を予想する。 (フォワード編)
2016/03/08 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ・浦和レッズ編)
2016/03/09 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (大宮アルディージャ・柏レイソル・FC東京編)
2016/03/09 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (川崎フロンターレ・横浜Fマリノス・湘南ベルマーレ編)
2016/03/10 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (ヴァンフォーレ甲府・アルビレックス新潟・ジュビロ磐田編)
2016/03/10 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (名古屋グランパス・ガンバ大阪・ヴィッセル神戸編)
2016/03/11 【J1】 序盤戦の全18クラブの雑感 (サンフレッチェ広島・アビスパ福岡・サガン鳥栖編)
- 関連記事
-