■ 2連勝スタートとなったのは鹿島と大宮の2チームJ1は第2節が終了した。開幕節は「9試合中8試合でアウェイチームが勝利する。」という極めて稀な出来事が起こったが、ホームでの開幕戦を落とした磐田・G大阪・FC東京の3チームがアウェイの地で今シーズン初勝利を飾った。インパクトが大きかったのは埼玉スタジアムで優勝候補の浦和に2対1で勝利した磐田。怪我から戻ってきたFWジェイが後半37分に劇的な決勝ゴールを挙げて勝ち点「3」を獲得した。
2節を終えた時点で2連勝は鹿島と大宮の2チームのみ。ACLに出場している広島・G大阪・浦和・FC東京の4チームにはいずれも黒星がついており、1勝1分けのチームも川崎Fと名古屋の2チームのみ。神戸・甲府・浦和・鳥栖・仙台・FC東京・磐田・G大阪・新潟の9チームが1勝1敗のイーブンの成績で、湘南・福岡・横浜FM・広島が0勝1敗1分け。ミルトン・メンデス監督が就任した柏のみ2連敗スタートとなった。
結局、2試合を終えた時点で「負け」がないのは鹿島と大宮と川崎Fと名古屋の4チーム。前評判が低かった名古屋が2試合で勝ち点「4」を獲得する好スタートを切った。内容的に厳しい時間帯もあるが新エースのFWシモビッチが2試合連続ゴールを挙げており、心配された守備陣もここまでは2試合で1失点のみ。もうすぐ40歳になるGK楢崎に助けられる場面は多いがいい雰囲気で戦えているのは好材料と言える。
■ 充実した戦力でステージ制覇を狙う鹿島毎年のことであるが、ACLに出場する4チームは序盤戦で苦労している。現段階ではG大阪と浦和とFC東京は1勝1敗。広島に至っては0勝1敗1分けで未勝利。2節が終了したACLでも軒並み苦戦を強いられており、巻き返しが期待される。ACL組は今後さらにACLとJ1のリーグ戦による過密日程で苦労することになることを考えると「ACLに出場していないクラブが1stステージを制覇する可能性が高い。」と言える。
まだ「17分の2」が終わった段階であるが、現段階では鹿島が1stステージ制覇に最も近いチームと言える。開幕のG大阪戦(A)で勝ち点「3」を獲得できたのは非常に大きくて2節の鳥栖戦(H)も1対0で勝利。戻ってきたFW金崎が決勝ゴールを記録した。昨シーズンは「守備」に問題を抱えていたがここまで2試合連続完封勝利。レギュラーを獲得しつつある五輪代表&日本代表候補のDF植田直の活躍が目立っている。
攻撃陣は2試合を終えて2得点。「攻撃陣が爆発」とまではいかないがタレントは豊富。FW金崎、FW赤崎、MF遠藤康、MF中村充の4人が現段階ではスタメンに名を連ねているが、MFカイオとMF鈴木優の2人が途中出場でベンチに控えているというのは他クラブにとっては相当な脅威である。「絶対的な切り札」になりつつあるMFカイオとMF鈴木優の存在が今シーズンの鹿島の攻撃陣の大きな武器になっている。
虫垂炎で離脱していたMF柴崎岳が戦列に復帰して、怪我で合流が遅れていたMF永木も2節の鳥栖戦(H)でデビューを飾った。ボランチは五輪代表のMF三竿健もいるので充実したセクションである。唯一の不安材料は左SBのDF山本脩のバックアッパーがいない点。万一のときはベテランのDF青木剛やDF昌子が左SBでプレーすることになると思われるが、ともに左SBが本職ではないので大きなマイナスとなる。
ただ、不安材料は左SBくらい。主力選手の平均年齢が非常に低いのでさらなる成長が期待できる選手が多い点も鹿島の強みと言える。その上、怪我に苦しんでいるFWジネイやMF土居あたりも控えていることを考えると「選手層の厚さではリーグ屈指」と言える。チームをまとめるベテランのMF小笠原とGK曽ヶ端の2人も健在。久々となるステージ制覇に向けていいスタートを切ったのは間違いないところである。