■ 3連敗でGL敗退・・・2011年のアジアカップを制して、2005年大会以来のコンフェデ出場を果たしたザックジャパンだったが、ブラジルに0対3、イタリアに3対4、メキシコに1対2で敗れて3連敗で大会を去ることになった。残念な結果となったが、本番は1年後である。コンフェデで噴出した課題をどのように解消していくのか、ここから、監督・スタッフ・選手のさらなる頑張りが必要になってくる。
今回はブラジルとイタリアとメキシコの3カ国と同じグループに入ったが、いずれのチームもシード国クラスの実力と実績を持ったチームで、ブラジルW杯では開催国のブラジルはもちろんのこと、イタリアやメキシコも第1シードに入ってくる可能性の高いチームである。なので、「GLを突破すること」を考えるならば、イタリアやメキシコといったチームに「1点差負け」というのは、悪い結果ではない。
当然、本番ではこういうグループになることはあり得ず、コンフェデのグループ分けは、日本にとってはキツイ組み合わせになったが、例えば、スペインに0対10で敗れたタヒチと同じグループに入っていればボロ勝ちできたと思うが、それによって、お茶を濁すような結果にならなかったことは、1年後のことを考えると、良かったのかもしれない。
■ ザッケローニ監督の解任論コンフェデの結果を受けて「ザッケローニ監督の解任論」という話も出ているが、個人的には、いくつかの箇所を修正できれば、本大会でGLを突破することは十分に可能であり、修正できる可能性は普通にあると思う。ここでリセットボタンを押したら、TVゲームのように2010年の8月末に戻るのであれば、リセットボタンを押すのもアリかもしれないが、もちろん、そんなことはないので、現実的ではない。
日本代表に高いレベルを期待することは悪いことではないと思うが、理想が高すぎたり、現実を無視した話になると、意味が無いどころか、足を引っ張ることになりかねない。例えば、普通の高校生に「東大合格」、「京大合格」レベルを要求することは意味の無いことであり、「地方の国公立大合格」レベルでも、厳しいだろう。ふさわしくないレベルの要求を行って、現状を否定することは、百害あって一利なしである。
「厳しい視点で日本代表を見ることが成長につながる。」という意見もあるが、それもどうかと思う。誰の影響なのか分からないが、やたら現実を無視して、高いレベルを要求することが、果たしてプラスになるのか、どうなのか。むしろ、クリアできるか、できないか、丁度いいくらいの目標を設定して、1つずつクリアしていく方が、長い目で考えると、日本サッカーにとって、必ずプラスになるだろう。
■ たくさんの課題と収穫コンフェデではたくさんの課題と収穫を得ることができたが、収穫と言えるのは、「イタリアという強豪国が相手でも、ポゼッションで圧倒的できる可能性がある。」という手ごたえをつかむことができた点である。今の日本代表は守備に不安を抱えているが、失点を減らすためには、守備を強化することも解決策の1つであるが、ボールを保持して攻撃する時間を長くすることも解決策の1つとなる。
ただ、試合運びには、課題を残した。イタリア戦は前半33分にMF香川のゴールが決まって2対0となったが、その後、ハーフタイムを挟んだ数分間で3点を奪われた。「2対0」というスコアは、サッカーにおいては、セーフティーリードと言えるが、「0対0」や「1対0」のときと同じサッカーをして連続失点を喫した。「守りに入らない。」というのも大事なことであるが、戦い方に柔軟性は無かった。
それ以外では、「3-4-3」が少しずつ形になり始めていることは、プラスの材料と言える。印象的なのはメキシコ戦で、後半20分にFW前田を下げてDF吉田を投入して「3-4-3」に変更しているが、「3-4-3」になったことで、メキシコのサイドの守備が混乱していて、特に、右サイドのMF内田への対処がルーズになったことを覚えている人は多いと思う。
もちろん、結果にはつながらず、「3-4-3」に変更したすぐ後にCKから失点を喫しているので、DF吉田の投入が成功だったは言えないが、「メキシコのような対応力に優れたチームであっても、目先を変えることで隙が生まれる可能性がある」ということが分かった点も収穫と言える。世界のトップレベルになると、同じポジションの選手を代えるだけでは、変化は生まれにくいが、同時に配置も変えてやると混乱が生まれやすい。
これはサッカーの面白いところであるが、攻撃的なポジションの選手を投入したからといって、チーム全体が攻撃的になるわけではないし、守備的なポジションの選手を投入したからといって、チーム全体が守備的になるとは限らない。むしろ、闇雲に攻撃的な選手を増やすことで攻守のバランスを崩すケースが多いが、ザッケローニ監督はイタリア人ということもあって、「無茶なことはしない。」という印象はある。
試合中の選手交代については、「可能性」と「確率」を考慮して決断を下しているので、「結果」だけで是非を判断しようとすると、非常に浅い話になってしまう。戦いぶりや戦略を真っ向から否定するのは難易度が高くて、選手交代というのは、監督を否定しやすいポイントの1つではある。ただ、簡単な話ではないので、選手交代をメインテーマにザッケローニ監督を否定することは、避けた方が無難であると思う。
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