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【J1】 2016年のサガン鳥栖が達成するかもしれない地味なJリーグ記録とは？ | | |　

・ 90分間あたりのシュート数が非常に少ない。

→　サガン鳥栖は2ndステージに入ってから好調。6勝2敗3分けで6位と好成績を残しており、残り6試合となった時点で2ndステージの優勝争いに絡んでいる。首位の川崎Fとの差は「4」。初となるステージ制覇が狙える絶好の位置に付けているが優勝争いに踏みとどまるためにはFW豊田を中心とした攻撃陣のさらなる頑張りが不可欠と言える。勝ち点「3」が必要な試合が続くので攻撃陣にかかる期待は大きい。

2ndステージに入ってからは11試合で15得点なのでまずまずのペースで得点を奪っているが今シーズンの鳥栖はミドルシュートが得意だったMF藤田直(神戸)やMF水沼(FC東京)が抜けた影響もあってシュート数の少ない試合が多くなっている。28試合を終えた時点で「90分あたりのシュート数」は8.00。これは1999年以降の18年間で少ない方から数えて8番目タイ。シュートまで持ち込めない展開になることが多い。

表1. 90分あたりのシュート数のランキング (1999年-2016年)

順位	チーム名	年度	試合	時間	シュート	シュート/90分
1	徳島ヴォルティス	2014年	34	3,060	204	6.00
2	横浜ＦＣ	2007年	34	3,060	254	7.47
3	ヴァンフォーレ甲府	2016年	28	2,520	211	7.54
4	ヴァンフォーレ甲府	2015年	34	3,060	260	7.65
5	コンサドーレ札幌	2012年	34	3,060	268	7.88
6	コンサドーレ札幌	2008年	34	3,060	269	7.91
7	モンテディオ山形	2009年	34	3,060	271	7.97
8	サガン鳥栖	2016年	28	2,520	224	8.00
8	モンテディオ山形	2011年	34	3,060	272	8.00
10	アビスパ福岡	2016年	28	2,520	228	8.14
11	ヴァンフォーレ甲府	2013年	34	3,060	277	8.15
12	清水エスパルス	2002年	30	2,835	269	8.54
13	大宮アルディージャ	2005年	34	3,060	292	8.59
14	サガン鳥栖	2015年	34	3,060	293	8.62
15	大分トリニータ	2013年	34	3,060	294	8.65
16	ＦＣ東京	2015年	34	3,060	296	8.71
17	大宮アルディージャ	2014年	34	3,060	298	8.76
18	湘南ベルマーレ	2010年	34	3,060	299	8.79
19	清水エスパルス	2012年	34	3,060	300	8.82
20	大宮アルディージャ	2007年	34	3,060	303	8.91
21	大宮アルディージャ	2016年	28	2,520	250	8.93
22	アルビレックス新潟	2016年	28	2,520	252	9.00
22	大分トリニータ	2009年	34	3,060	306	9.00
24	清水エスパルス	2013年	34	3,060	307	9.03
25	清水エスパルス	2003年	30	2,700	272	9.07
26	ヴァンフォーレ甲府	2014年	34	3,060	309	9.09
27	サガン鳥栖	2014年	34	3,060	310	9.12
28	名古屋グランパス	2016年	28	2,520	262	9.36
29	コンサドーレ札幌	2002年	30	2,846	296	9.36
30	清水エスパルス	2014年	34	3,060	320	9.41

・ 90分間あたりの被シュート数が非常に少ない。

→　なかなかシュートまで持ち込めないことが今シーズンの鳥栖の大きな課題になっているがその一方で被シュート数も極めて少ない。28試合で相手に許したシュートは227本だけ。90分換算では8.11本となる。これは浦和の199本(=90分換算で7.11本)に次いでJ1の18クラブの中で2番目に少ない数字となるが今シーズンの鳥栖の8.11本というのはJリーグの歴史を振り返ってみても非常に少ない数字である。

1999年以降で90分あたりの被シュート数が最も少なかったのは2001年の磐田で6.98本だった。暫定の数字ながら2016年の浦和は2番目の数字で、2014年の甲府が3番目で、2003年の磐田が4番目で、2016年の鳥栖が5番目の少なさとなる。残りは6試合。さすがに歴代1位の磐田を追い抜くのは難しいが、歴代4番目となる2003年の磐田を抜くことは十分に可能。鳥栖は被シュート数が極めて少ないチームである。

表2. 90分あたりの被シュート数のランキング (1999年-2016年)

順位	チーム名	年度	試合	時間	シュート	シュート/90分	被シュート	被シュート数/90分
1	ジュビロ磐田	2001年	30	2,823	438	13.96	219	6.98
2	浦和レッズ	2016年	28	2,520	361	12.89	199	7.11
3	ヴァンフォーレ甲府	2014年	34	3,060	309	9.09	249	7.32
4	ジュビロ磐田	2003年	30	2,700	394	13.13	240	8.00
5	サガン鳥栖	2016年	28	2,520	224	8.00	227	8.11
6	ジュビロ磐田	2002年	30	2,806	413	13.25	260	8.34
7	横浜Ｆ・マリノス	2012年	34	3,060	378	11.12	287	8.44
8	ガンバ大阪	2007年	34	3,060	497	14.62	293	8.62
9	横浜Ｆ・マリノス	2013年	34	3,060	387	11.38	295	8.68
10	清水エスパルス	2012年	34	3,060	300	8.82	296	8.71
10	アルビレックス新潟	2014年	34	3,060	364	10.71	296	8.71
12	横浜Ｆ・マリノス	2014年	34	3,060	353	10.38	298	8.76
12	横浜Ｆ・マリノス	2008年	34	3,060	459	13.50	298	8.76
14	浦和レッズ	2014年	34	3,060	380	11.18	302	8.88
14	鹿島アントラーズ	2015年	34	3,060	528	15.53	302	8.88
16	鹿島アントラーズ	2014年	34	3,060	512	15.06	303	8.91
17	鹿島アントラーズ	2016年	28	2,520	369	13.18	251	8.96
18	サンフレッチェ広島	2012年	34	3,060	401	11.79	308	9.06
19	清水エスパルス	2001年	30	2,893	364	11.32	293	9.12
20	ＦＣ東京	2016年	28	2,520	279	9.96	256	9.14

・ 90分あたりのシュート数+被シュート数は歴代で最少

→　今シーズンの鳥栖は自チームの放つシュートが少なくて、かつ、相手チームに許すシュートも少ないチームなので当然のことながら「90分あたりのシュート数と被シュート数の和」は非常に小さくなる。90分あたりのシュート数は「8.00」で歴代で8番目タイで、90分あたりの被シュート数は「8.11」で歴代で5番目。両方を合わせた数値は「16.11」となるが、これは1999年以降のJ1で最少の数字となる。

新潟が5位、福岡が7位、FC東京が10位、甲府が11位に入っているので、今シーズンのJ1は全体のシュート意識があまり高くなくて、かつ、シュートを打たせない程度の守備が出来ているチームが増えていることをダイレクトに示しているが、残り6試合で両チームのシュート数の合計が107本未満であったならば記録更新となる。いずれにしても今シーズンの鳥栖は「シュートが非常に少ないチーム」と言える。

表3. 「90分あたりのシュート数+被シュート数」のランキング (1999年-2016年)

順位	チーム名	年度	試合	時間	(シュート数+被シュート数)/90分	シュート	シュート/90分	被シュート	被シュート数/90分
1	サガン鳥栖	2016年	28	2,520	16.11	224	8.00	227	8.11
2	ヴァンフォーレ甲府	2014年	34	3,060	16.41	309	9.09	249	7.32
3	清水エスパルス	2012年	34	3,060	17.53	300	8.82	296	8.71
4	ヴァンフォーレ甲府	2015年	34	3,060	17.97	260	7.65	351	10.32
5	アルビレックス新潟	2016年	28	2,520	18.68	252	9.00	271	9.68
6	モンテディオ山形	2011年	34	3,060	18.74	272	8.00	365	10.74
7	アビスパ福岡	2016年	28	2,520	18.82	228	8.14	299	10.68
8	ヴァンフォーレ甲府	2013年	34	3,060	18.85	277	8.15	364	10.71
9	ＦＣ東京	2015年	34	3,060	18.88	296	8.71	346	10.18
10	ＦＣ東京	2016年	28	2,520	19.11	279	9.96	256	9.14
11	ヴァンフォーレ甲府	2016年	28	2,520	19.11	211	7.54	324	11.57
12	アルビレックス新潟	2015年	34	3,060	19.12	332	9.76	318	9.35
13	横浜Ｆ・マリノス	2014年	34	3,060	19.15	353	10.38	298	8.76
14	サガン鳥栖	2014年	34	3,060	19.18	310	9.12	342	10.06
15	大分トリニータ	2008年	34	3,060	19.21	334	9.82	319	9.38
16	徳島ヴォルティス	2014年	34	3,060	19.38	204	6.00	455	13.38
17	アルビレックス新潟	2014年	34	3,060	19.41	364	10.71	296	8.71
18	横浜Ｆ・マリノス	2012年	34	3,060	19.56	378	11.12	287	8.44
19	大宮アルディージャ	2005年	34	3,060	19.59	292	8.59	374	11.00
20	清水エスパルス	2013年	34	3,060	19.76	307	9.03	365	10.74
20	サガン鳥栖	2015年	34	3,060	19.76	293	8.62	379	11.15