■ 16位の鳥栖と首位のFC東京の試合16位の鳥栖と首位のFC東京の試合は駅前不動産スタジアムで行われた。鳥栖は残留争いの真っただ中、FC東京は優勝争いの真っただ中なので立ち位置は大きく異なるがどちらにとっても重要な試合だった。上位グループの鹿島や横浜FMやC大阪などのサポーターは鳥栖を応援して、下位グループの名古屋や仙台や浦和やG大阪や湘南や松本山雅や磐田などのサポーターはFC東京に肩入れしながら試合を観戦しただろう。
優勝争いと残留争いの両方に大きな影響を及ぼす試合だったが後半4分にFC東京のMF三田が蹴ったCKがそのまま決まってアウェイのFC東京が先制に成功する。1点を追う鳥栖はCBのDF高橋祐を前線に上げるパワープレーを敢行する。すると後半41分にこぼれ球をFW豊田が押し込んで1対1の同点に追いつくと後半50分にはFKの流れから最後はゴール前にいたDF金井が押し込んで土壇場で2対1と逆転に成功する。
終盤に2ゴールを奪って2対1で勝利した鳥栖は順位こそ16位のままで変わらなかったが日曜日に試合が行われる湘南と同じ勝ち点「31」となった。名古屋との差は「2」、仙台や浦和との差は「1」。降格圏脱出が見えて来た。敗れたFC東京は日曜日に試合が行われる2位の鹿島との差を広げたかったがまさかの逆転負け。日曜日の試合で鹿島が引き分け以上の結果を残すと「7節以来の首位陥落」となる。
■ 3つもの疑惑のシーン鳥栖は1つ前の27節の浦和戦(H)に続いてドラマチックな展開になった。この日も先制ゴールを許す苦しい展開になったが後半41分と後半50分に連続ゴールを奪って逆転勝利。17位の松本山雅が勝利したので「敗れていたら17位転落」だったことを考えても価値ある勝ち点「3」となった。鳥栖は14節以降はずっと降格圏に位置するが久々となる残留圏への浮上のチャンスが出て来た。残りは6試合となる。
鳥栖にとっては大きすぎる劇的な勝利となったが後味の悪い試合になったのは間違いない。後半50分に生まれたDF金井の逆転ゴールは残念ながら「疑惑付きのゴール」になった。疑われているのは
・折り返しのボールを受けたFW豊田の位置はオフサイドだったのでは?
・FW豊田の手に当たっているのではないか?
・最後に押し込んだDF金井はオフサイドポジションだったのでは?
の3点になるが結論からいうと「明らかな誤審だった。」と言える。ただ、1つ目に関しては微妙である。真横からの映像や写真が今のところは見つかっていないので正確に判断するのは難しいが「オフサイドではない。」という見方もできる。かなりギリギリだったので1つ目を誤審と表現するのは適当ではないと思うが2つ目に関しては明らかである。新ルールを適用すると「議論の余地なくハンドである。」と言える。
3つ目に関しては「ゴール前でDF金井が触る前にすでにゴールに入っていたのでは?」という声もある。これに関してはかなり微妙だったがJリーグの公式サイトを見ると「2点目のゴールを決めたのはDF金井」となっている。「最後にDF金井が触った。」とJリーグは認識しているようだが「DF金井が最後に触ったというのであればその時点でオフサイドの可能性がある。」と言える。こちらも誤審だった可能性がある。
■ 各方面に大きな影響を及ぼす誤審もちろん、ゴール前の込み入った状態で瞬時に判断を下さないといけないので大変なのは確かである。副審はオフサイドかどうかを判断して、その後、ハンドかどうかも見極めないといけない。副審の位置からはかなり離れたところでの攻防なので「完璧に見極めるのは難しい。」と言えるのは間違いないが優勝争いと残留争いの行方の両方に大きな影響を及ぼす誤審になってしまったのは極めて残念な話である。
FC東京は誤審がなければ勝ち点「1」は獲得できた。鹿島や横浜FMとの差はほとんどなくなったので勝ち点「1」でも貴重である。ここで失った勝ち点「1」に泣いて優勝を逃すようだと気の毒すぎる。上位争いの行方にも大きな影響を及ぼすがより影響が大きいのは残留争いの方である。鳥栖は「1」で終わるところで運よく「3」を獲得することが出来た。鳥栖が勝利したことで残留争いがさらに混沌とした状態になった。
正直にいうと、首位のFC東京が敗れた方が優勝争いは面白くなる。そして、16位の鳥栖が勝利した方が残留争いは面白くなる。優勝争いと残留争いの面白さという観点のみから考えると「鳥栖の勝利は望ましい結果」と言えるが、やはり、明らかな誤審となると醒めてしまう。「サッカーの試合には誤審は付き物」なので誤審が試合の行方に大きな影響を与えることには慣れているが大一番で誤審が生じるのはマズい。
J1は来シーズンからVARが導入される予定になっている。VARが導入されていたらまず間違いなく鳥栖の2点目はノーゴールと判断されたと思うが今シーズン中は耐えるしかない。今回、不利益を被ったFC東京の選手には同情するが、アウェイ8連戦の5試合目は疲れる試合になった。2点目を取れなかったことは反省材料になるが少なくとも勝ち点「1」は持って帰ることができる流れだった。アンラッキーだった。
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