■ マリノスとセレッソが3連勝J1は3節を終了したが、3月26日(火)にW杯のアジア最終予選が行われるため、リーグ戦はひとまず中断となる。ACLに出場しているチーム以外は、20日(水)と23日(土)にナビスコカップが開催されるので、「オフになる」というわけではないが、「リーグ戦の最初の3試合をどう戦うか」に力を注いでいたチームは多いと思うので、一区切りが付いたと言える。
上位陣から見ていくと、横浜FMとC大阪の2チームが3連勝で乗り切った。横浜FMは3試合で11ゴールを奪っているが、MF中村俊、FWマルキーニョス、DF中澤、MF富澤といったベテランが頑張っていて、ロンドン五輪代表のMF齋藤学も途中出場で目覚ましいパフォーマンスを見せている。攻撃だけでなく、守備も堅くて、アウェーで清水に5対0で勝利した試合は圧巻だった。
C大阪の方は、内容の良くない試合もあった。1節の新潟戦は終始劣勢で、2節の甲府戦と3節のFC東京戦は「引き分けが妥当」という試合展開だったので、0勝1敗2分けになっていた可能性もあるが、勝負強さを発揮している。また、新外国人のFWエジノの調子が上がっていないが、それでも我慢して試合で起用しており、先のことを睨んだ選手起用をしている中で、結果を出している点も見逃せない。
2連勝でストップしたが、優勝候補の筆頭と目される浦和も2勝1分けと好スタートを切った。3節の大分戦は前半5分で0対2となったが、そこから、猛反撃を見せて、引き分けに持ち込んだ。1節の広島戦と2節の名古屋戦は1点差の勝利だったが、内容では相手を圧倒しており、チーム状態は非常にいい。2勝1敗のFC東京と同様で、やっているサッカーも魅力的である。
■ いいチームに仕上げてきた城福監督一方、下位グループは、大分と清水と湘南の3チームが0勝1敗2分けで、甲府と新潟と磐田と川崎Fの4チームが0勝2敗1分けということで、計7チームが3節を終えた時点で未勝利となっている。2012年は開幕から3連敗を喫したG大阪が3節を終えた段階でセホーン監督を解任しているが、未勝利が続くと、周囲が騒がしくなってくるので、早い時期にリーグ戦の初勝利が欲しいところである。
甲府・湘南・大分と昇格組の3チームは揃って未勝利であるが、3チームとも、内容は決して悪くない。「内容が悪くないのに勝てない。」というのも、ツライものであるが、甲府は1節はアウェーで仙台と1対1の引き分け。2節はC大阪に1対2、3節は名古屋に0対1で敗れたが、ともに終了間際に決勝ゴールを奪われており、C大阪戦も、名古屋戦も、互角の勝負ができた。
FWダヴィの穴をどう埋めるか?に注目が集まっているが、新外国人のFWウーゴが3試合で2ゴールと結果を残している。しかも、ゴールを奪うだけでなく、前線で起点となるプレーもこなすので、今のところは、FWダヴィの存在を忘れさせる働きを見せている。また、MF柏のドリブルも目立っており、軸のFWダヴィがいなくなってどうなることかと思ったが、さすがに城福監督はいいチームに仕上げてきた。
■ スタイルを貫く湘南ベルマーレ湘南は開幕戦は横浜FMに2対4で敗れて、2節はホームで鳥栖と1対1の引き分けで、3節の清水戦も1対1の引き分けだった。鳥栖戦も、清水戦も、先制ゴールを奪っているので、勝ち点「3」に結びつけたかったが、後半に同点ゴールを許した。特に、清水は直近の2節で横浜FMに0対5で敗れるなど、もっとも調子の上がっていないチームと言えるので、勝利が欲しい試合だったが、ドローに終わった。
ただ、やろうとしているサッカーは、他のJ1のクラブとは少し異なるので、新鮮である。2節の鳥栖戦はやや消極的になって、本来のサッカーではなかったが、横浜FM戦と清水戦はアグレッシブに戦う湘南スタイルで相手を押し込む時間帯もあった。J1初挑戦の選手も少なくないが、MF菊池も、MF梶川も、MF武富も、堂々とプレーしていて、豊かな才能を感じさせるプレーを見せている。
今後は「高さ不足」を突いてくるチームが多くなると思うので、どのように対応するか?がポイントになる。2節の鳥栖も、3節の清水も、ロングボールを多用してきたが、湘南の守備陣からゴールを奪おうとするとき、手っ取り早い方法であることは明らかである。4節の名古屋もそういうサッカーに向いた選手を揃えているが、ロングボールを蹴られたときにどんな対応ができるか、見物である。
■ 健闘する大分トリニータプレーオフを勝ち抜いてJ1に戻ってきた大分は、1節はFC東京に1対2で逆転で敗れて、2節は後半8分に川崎FのFW大久保に同点ゴールを許して1対1の引き分けで、3節も浦和を相手に2対0とリードしたが、2対2の同点に追いつかれた。3試合とも、前半の早い段階で先制ゴールを奪っているので、理想の展開に持ち込むことができたが、リードを守りきることはできなかった。
「先制ゴールを奪っている。」という点をクローズアップするのか、「リードを守り切れていない。」という点をクローズアップするかで、大分のここまでの印象は変わってくるが、前評判が高くなかったことを考えると、良くやっていると言える。3試合とも、後半にガクッと動きが落ちているので、試合運びには課題を残すが、「全員がハードワークする」という自分たちのサッカーをJ1でも披露している。
中でも、ベテランのFW高松の頑張りが目に付く。2節の川崎F戦からスタメンで起用されているが、2節と3節で挙げた計3ゴール全てに絡んでいて、FW森島康を押しのけて、フォワードの1番手になっている。FW森島康はポストプレーが雑になることが多くて、1節のFC東京戦は起点になれなかったが、FW高松のポストワークは安定している。久々のJ1の舞台で、「まだまだやれる。」ということを示している。
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