■ 第38節J2の第38節。18勝11敗8分けで勝ち点「62」のジェフ千葉と、18勝12敗7分けで勝ち点「61」の大分トリニータがフクアリで対戦した。J2は首位の甲府が勝ち点「77」、2位の湘南と3位の京都が勝ち点「64」、4位の千葉が勝ち点「62」、5位の大分と6位の横浜FCが勝ち点「61」、7位の東京Vが勝ち点「60」で続いている。
ホームの千葉は「4-2-3-1」。GK岡本。DF高橋峻、大岩、竹内、渡邊。MF佐藤勇、佐藤健、田中佑、兵働、谷澤。FW荒田。ベテランのDF山口智とエースのFW藤田祥はベンチ外で、DF大岩とFW荒田がスタメンとなった。FW荒田は3試合連続ゴール中と調子を上げてきている。
対するアウェーの大分は「3-1-4-2」。GK清水。DF若狭、阪田、安川。MF丸谷、松原、チェ・ジョンハン、キム・ジョンヒョン、村井。FW森島康、三平。U-19日本代表候補のMF為田は出場停止で、MFキム・ジョンヒョンが20節以来のスタメンで、右WBで起用されることが多かったFW三平が本職のフォワードでスタメンとなった。FW三平はここまでリーグ3位タイの14ゴールを挙げている。
■ 大分が逆転で勝利!!!試合の序盤はホームの千葉のペースとなる。立ち上がりから勢いよく攻め込むと、前半9分にMF田中佑の鋭いクロスをゴール前のMF谷澤がボレーシュートを決めて先制ゴールを奪う。MF谷澤は今シーズン2ゴール目となった。その後も、左SBのDF渡邊が中心になってゴール前のシーンを作っていく。
波に乗れない大分は前半27分に右WBのMF松原を下げてFW木島を投入。MF三平のポジションを右WBに戻すと、FW木島とMF三平がアクセントになって試合の流れが徐々に大分に移っていく。同点ゴールが決まったのは後半11分で、MF三平のパスを受けたFW森島康が反転してから左足でミドルシュートを決めて同点に追いつく。
さらに、後半21分にも、左サイドでボールを受けたFW木島がサイドを突破してゴール前にクロスを入れると、ドフリーになっていたFW森島康が頭で合わせて勝ち越しに成功する。FW森島康は今シーズン12ゴール目となった。
ビハインドの千葉は後半35分に204センチのFWオーロイを投入し、FWオーロイの高さを生かした攻撃でいくつかチャンスを作るが、同点に追いつくことはできない。結局、2対1でアウェーの大分が逆転勝ちして、勝ち点「64」。勝ち点で千葉を上回った。
■ FW木島の投入が成功10月12日(金)にJリーグの公式試合安定開催基金から融資を受けていた5億円を完全に返済したことが明らかになって、資金的な問題でJ1昇格が見送られるという可能性がなくなった大分が苦手の千葉にアウェーで勝利して、貴重な勝ち点「3」を獲得した。
ただ、立ち上がりは新布陣が機能せずに攻め込まれて、前半9分に先制ゴールを許した。その後も、サイドを破られるシーンが目立ったので、苦しい展開となったが、前半27分に、MF松原を下げてFW木島を投入した采配がヒットして、その後は、ペースを握るようになった。
前半途中の選手交代によって、FW木島がフォワードに入って、MF三平が右WBに回ったが、FW木島がキレキレの状態で、ボールがおさまる箇所ができた。後半21分のFW森島康の勝ち越しゴールをお膳立てしたのもFW木島で、同点ゴールと逆転ゴールを挙げたFW森島康に優るとも劣らない活躍だった。
■ エースの働き2ゴールを挙げたFW森島康は、ここ大一番でエースの働きを見せた。後半11分の同点ゴールは右サイドのMF三平からいいボールが入ってきて、マークに来たDF高橋峻を体でブロックしながら反転して左足でシュートを放ったが、体の強さと反転力を駆使して左右両足でシュートを打つことができるFW森島康のいいところが詰まったゴールだったと言える。
一方、逆転ゴールは、FW木島の突破とクロスが素晴らしくて、「ゴール前で合わせるだけ」という簡単なシュートだったが、ポジショニングが見事だった。試合後のインタビューで、「千葉の守備はクロスへの対応が悪いので狙っていた。」と語っていたが、狙い通りのゴールとなった。
大分はここ6試合で2勝4敗と調子を落としていたので、直接対決でライバルを叩くことができたのは大きい。しかも、38節は甲府と湘南は引き分けで、京都、千葉、横浜FC、東京Vがいずれも敗れているので、大分にとっては、願ってもない展開になった。
J2は残り4試合で、残りは、鳥取(A)、福岡(H)、山形(H)、松本山雅(A)との対戦となるので、厳しい相手が続くわけではない。1試合消化が少ない京都は、依然として、「自力で2位以内」を決めることができるので、2位争いは京都が有利な立場と言えるが、大分にとっては、チャンスが膨らむ38節の結果となった。
■ 痛い敗戦一方の千葉は、37節で草津に2対0で勝利して、勢いを取り戻したかと思われたが、1対2で逆転負け。ここ6試合で1勝3敗2分けと伸び悩んでいる。上位チームのほとんどが、ここに来て調子を崩しているので、プレーオフ圏内となる「5位」をキープしているが、最近は、先制しながら同点に追いつかれたり、逆転されるというダメージの残る試合が続いている。
1対0とリードした後に追加点を奪えなかったことが響いた。左SBのDF渡邊が序盤から好調で、サイドでボールを持ったときは、ほとんどの場面でドリブルで仕掛けてクロスを上げていて、一番の武器になっていたが、前半27分で大分が選手交代を行って、MF三平とマッチアップする形になってからは、存在感が薄れた。
何度も記述したとおり、大分は田坂監督の選手交代が見事だったが、一方の千葉の木山監督の選手交代は、あまり機能しなかった。1対1になった後、MF田中佑に代えてFWリカルド・ロボを投入し、1対2になった後は、MF佐藤健に代えてMF米倉、FW荒田に代えてFWオーロイを投入したが、FWリカルド・ロボとMF米倉は、消えている時間が長かった。
残り4試合で、千葉は、湘南(A)、山形(A)、松本山雅(H)、徳島(A)とアウェーゲームが多い。言うまでもなく、39節の湘南戦と40節の山形戦が大事な試合で、できれば、1勝1分け以上で乗り切りたいが、相手も必死なので、難しい試合になるのは確実である。
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