■ 第11節J2の第11節。1勝3敗とスタートで出遅れたFC岐阜がホームの長良川競技場で東京Vと対戦。東京Vは0勝3敗1分け。第10節の東京ダービーで引き分けて、ようやく勝ち点「1」を奪ったが、まだ未勝利である。
ホームのFC岐阜は<4-2-2-2>。GK野田恭。DF野田明、田中、秋田、野垣内。MF三田、橋本、嶋田、染矢。FW佐藤洸、押谷。FW西川はベンチスタート。徳島ヴォルティスから移籍のMF三田がボランチに入る。早稲田大学出身の新人のDF野田明弘は広島ユース出身で東京VのFW平繁と同期となる。
対する東京Vは<4-2-3-1>。GK柴崎。DF福田、土屋、深津、森。MF佐伯、小林祐、井上平、河野、飯尾。FW平繁。東京ダービーで負傷したGK土肥は左アキレス腱断裂で長期離脱が濃厚になっている。JFLの町田ゼルビアから加入のDF深津は2007年、2008年とFC岐阜でプレーした。
■ ヴェルディ ようやく初勝利試合の序盤は東京Vペース。序盤から攻め込むと、前半6分に右サイドからセットプレーを獲得。MF河野が左足で蹴ったボールをFC岐阜のGK野田恭が処理しきれず。混戦になって裏にこぼれたボールをゴール前のMF井上平が押し込んで東京Vが先制する。MF井上平は今シーズン初ゴール。
1点をリードされたFC岐阜は、前半24分にルーズボールがFW押谷のところに渡って、FW押谷がヒールでゴール前に落とすと、DFラインの裏のスペースに走っていたMF嶋田が東京VのDF土屋をうまくかわしてから左足でループシュートを決めて1対1の同点に追いつく。MF嶋田は今シーズン2ゴール目。前半は1対1で折り返す。
後半開始から東京VはMF河野に代えてMF高木善を投入。トップ下を入れ替えて流れがスムーズになると、後半14分に勝ち越しに成功する。中央でFW平繁が起点になって左サイドに展開すると、FW飯尾がドリブルで仕掛けて右足でシュート。これはGK野田恭がはじくが、ゴール正面に転がったボールを、MF井上平が押し込んで2対1と勝ち越しに成功する。MF井上平は、この試合は2ゴールの活躍。
さらに、後半17分にも右サイドからセットプレーを獲得。MF小林祐のクロスボールをGK野田恭がはじき、中央で待っていたMF飯尾がトラップして右足でシュート。3点目を挙げる。結局、試合は3対1で東京Vが勝利。今シーズン初勝利を挙げた。一方のFC岐阜は1勝4敗となって、最下位の19位に転落した。
■ 5試合目で初勝利開幕から苦しんでいた東京Vがようやく初勝利を挙げた。昨シーズンも、開幕5試合は0勝1分4敗という成績で、第7節のアウェーのFC岐阜で初勝利を挙げたが、今シーズンも同じようなスタートになっていて、またしても、FC岐阜のホームの長良川競技場でやや遅めのシーズン初勝利を飾った。
前半にMF嶋田のゴールで追いつかれてしまったが、後半開始からMF河野に代えてMF高木善を投入したことが当たってリズムが良くなると、MF井上平、MF飯尾と2つのゴールが生まれた。
途中出場ながら、トップ下の位置で好プレーを見せたMF高木善に対して、MF河野は持ちすぎることが多く、持ち味を出し切れなかった。MF河野は、今シーズンは主力として活躍しなければならない立場にあるが、さっそく試練が訪れたといえる。周りの選手がもっとうまくMF河野を使ってやれればいいのだが、MF河野がいると、常に、MF河野にボールが渡って仕掛けに入るので、攻撃も遅くなってしまう。
■ MF小林祐がボランチで奮闘東京Vは、ボランチに入っているユース出身のMF小林祐が好プレーを見せた。東京ダービーのときは今ひとつだったが、この試合は運動量も豊富で、ドリブルで持ち上がって陣地を回復するシーンも多く、終了間際にピッチを去るまでルーキーらしからぬ落ち着いたプレーを見せた。
MF河野が外れてからは、セットプレーのキッカーも任されて3点目のゴールにも絡んだが、キックの精度の高さ以上に、戦える選手であることを示し、好印象を持った。
ヴェルディユース出身というと「テクニシャン」が多いが、MF小林祐はテクニックだけの選手ではないことを証明した。開幕から5試合連続で起用されており、スタメンも3試合目。レギュラー定着に一歩近づいたといえる。
■ 不安定なプレーだったGK野田恭平対するFC岐阜は、チーム全体として見ると悪い出来ではなかったが、3失点ともに、うまくGKが処理できていれば問題なかったシーンでの失点であり、残念な点の失い方となった。GK野田恭は、本来は、ミスの少ないレベルの高いGKであるが、この試合は終始、不安定だった。
パンチングした位置も悪く、2点目、3点目とも、もっといいところにはじく必要があったが、こぼれ球に対するDF陣の反応も鈍く、3点とも、つまらない失点だった。
■ ボランチでミスが多発一方、攻撃陣はストライカーで184㎝のFW佐藤洸の周囲に、FW押谷、MF嶋田、MF染矢というスピードのあるアタッカーを置く布陣で、攻撃のときのスピード感はあったが、さすがに、東京Vには、DF土屋、DF森という百戦錬磨のディフェンダーがいるので、簡単には突破できなかった。終盤には長身のFW西川を投入し、ツインタワーのような形にしたが、サイドから有効な攻撃はできずに終わった。
ボランチのMF三田のところでパスミスが多かったのも気になるところであり、ゲームメーカーのMF橋本にいいボールが渡らずに、MF橋本から効果的なパスが送られる回数は少なかった。ダブルボランチは、MF三田が下がり目で、MF橋本が前目に入っているが、この配置ならびに人選には疑問が残った。
■ FC岐阜は最下位に転落J2は5試合を終了したが、下位チームを見ていくと、東京Vが16位、京都サンガが17位、コンサドーレ札幌が18位、横浜FCとFC岐阜が19位となっており、昇格候補と言われた東京V、京都、横浜FCの3チームの出遅れが目立っている。大本命のFC東京の調子が上がっていないことが大きな話題になっているが、それでも2勝1敗2分けで7位なので、この3チームの不振が際立ってくる。
FC岐阜は1勝4敗。横浜FCも1勝4敗で、得点数も失点数も同じなので、この2チームが19位タイとなっており、FC岐阜も、開幕から出遅れてしまった。攻撃のタレントを見ると、この順位にいるチームではないだけに、今後の巻き返しが期待されるところである。
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