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【移籍市場】ヴィッセル神戸にGK川島永嗣(ストラスブール)は必要なのか？ | | |　

■　コパ・アメリカで健在ぶりを示す。

日本代表として国際Aマッチ90試合に出場しているGK川島(ストラスブール)は日本サッカー界のレジェンドになる。2010年の南アフリカW杯から3大会連続でW杯の日本代表のレギュラーを務めており、W杯での出場試合数は11試合。これはGK川口の6試合、GK楢崎の4試合を大きく上回って日本人キーパーの中では最多となる。「欧州での実績を加味するとGK川口とGK楢崎の2人を超えた。」という人も少なくない。

先日のコパ・アメリカのときに久しぶりに代表に復帰してきたが2戦目のウルグアイ戦と3戦目のエクアドル戦でスタメン出場。特にウルグアイ戦では好セーブを連発して2対2のドローに大きく貢献。FW岡崎慎とともに「百戦錬磨のベテランは一味も二味も違う。」というところをコパ・アメリカの舞台で見せつけた。最近はGKシュミット・ダニエルが日本代表の正キーパーを務めているがGK川島も候補に浮上して来た。

今年の3月で36才になったので「サッカー選手としては大ベテラン」と言える年齢に入っているがまだまだ元気いっぱいである。「所属のストラスブールとの契約は今シーズン限りなのでフリーの状態」と報道されているので移籍先が注目されているがJ1の神戸が獲得に興味を示しているようだ。「どこまで信じられる情報か？」は分からないが「神戸との移籍交渉は詳細の詰めを残している段階」と報じたメディアもある。

神戸は「VIPトリオ」を筆頭にたくさんのスター選手を擁するJリーグの銀河系軍団であるがキーパーは固定できていない。開幕当初は韓国代表のGKキム・スンギュが起用されていたがリージョ監督の評価はあまり高くなかった。MFセルジ・サンペールが加入した後は外国人枠の問題もあって若手のGK前川がスタメンで起用された試合もあったが今一つ。同じく若手世代のGK吉丸をスタメンで起用した試合もあった。

■　精彩を欠いているGKキム・スンギュ

トルステン・フィンク監督になってからはGKキム・スンギュがスタメンで起用されているが今シーズンのGKキム・スンギュは精彩を欠いている。先日の大分戦(H)でもフィードのミスから失点に絡むなど致命的なミスが目立つ。キーパーが安定しない点は神戸の失点数が多い1つの理由になっているがGKキム・スンギュに関しては気の毒に感じるところもある。外国籍枠の問題もあって起用法が安定しなかった。

神戸にはレベルの高い選手がたくさんいるので「競争に勝たないとプレーできない。」というのは当然の話になるがライバルが同じポジションの選手ではなくて他のポジションでプレーする外国人選手になるのは少し大変である。若い頃から大きな注目を集めるキーパーだったGKキム・スンギュなので「チーム内での競争」にさらされることはあまりなかったはず。精神的に不安定になるのも仕方がない。

「起用法が安定しなかったことがGKキム・スンギュのプレーから安定感を奪った。」と言えるので本人よりも監督やコーチなどを批判する声の方が大きくなっているが、GKキム・スンギュというアジアでも屈指のキーパーがいる中、GK川島の獲得に動いているのであれば話としては興味深くなる。GK川島の神戸入りが確定した場合、日韓を代表する2人のキーパーが神戸の正キーパーの座を巡って争うことになる。

ただ、普通に考えると「GK川島を獲得するのであればGKキム・スンギュは今夏にチームを離れることになる可能性大」と言える。JリーグのクラブがGK川島クラスのキーパーを獲得しようとした場合、やはり、レギュラー待遇でないと獲得にこぎつけるのは難しい。「GK川島とGKキム・スンギュにポジション争いをさせてどちらかが正キーパーで、どちらかがサブキーパー」という状況になることは考えにくいと言える。

■　意外と悪くないGK川島の獲得

「GK川島の獲得」=「GKキム・スンギュの退団」だと思うが、36才のGK川島に対してGKキム・スンギュは28才。GKキム・スンギュは今がプレーヤーとしての最盛期と考えられる。先のとおり、今シーズンは精彩を欠いているが実力的にはたくさんいる韓国人のキーパーの中でもトップクラス。大ベテランのGK川島を獲得するためにGKキム・スンギュを放出するのであれば少し勿体ないと感じるところもある。

「神戸のスタイルに合うキーパーはどちらなのか？」という視点でも語る必要があるがGK川島はフィード力に長けたキーパーではない。セービング能力の高さや勝負強さがウリとなるキーパーであることは今さら言うまでもない話である。一方のGKキム・スンギュもフィード力がメチャクチャ高いキーパーではなくて最近の神戸がキーパーに求めるスタイルにやや合わなくなっていたがGK川島よりはフィードも出来る。

「最近の神戸のサッカーに合うのはどちらかというとGKキム・スンギュ」だと思うので、そういう意味でも報道通りに神戸がGK川島の獲得に乗り出しているのであれば驚きのニュースになるが、仮にGK川島を獲得できれば大きな注目が集まるのは間違いないところ。ザックJAPANのときに主力を張った選手の人気や知名度や動員力は物凄いものがあるので「ある意味では最近の神戸っぽい補強」と言える。

MFイニエスタさえいれば、ホームでもアウェイでも神戸は満員に近い観衆を集めることが出来るチームだと思うが、今のメンバーにGK川島が加わったらさらに「一般の人が観たいと思える選手」が増えることになる。こういうチームがJリーグの中に1つくらいあっても悪くはない。GKキム・スンギュの調子の悪さや外国人枠の問題が解消されることを踏まえるとGK川島の獲得は意外と悪くない補強に思える。