■ 初タイトルを手にするのは・・・。ルヴァン杯の決勝戦は11月4日(土)に埼玉スタジアムで開催された。対戦カードはともに初タイトルを目指すセレッソ大阪 vs 川崎フロンターレ。C大阪はクラブ史上初となる決勝進出を果たした。一方の川崎Fは2000年・2007年・2009年に次いで4度目の決勝進出となるが過去3度はいずれも完封負けを喫している。どちらも「シルバーコレクター」という有り難くない称号を今度こそ払しょくしなければいけない。
C大阪は「4-2-2-2」。GKキム・ジンヒョン。DF松田陸、マテイ・ヨニッチ、木本、丸橋。MF山口蛍、ソウザ、水沼、清武。FW杉本健、柿谷。ケガから戻ってきたMF清武がスタメンに復帰してからリーグ戦は3連勝と好調。ケガで離脱していたMF山村和が復帰してベンチスタートになった。今シーズンのC大阪は完全なターンオーバー制を採用しているので日本代表のFW杉本健は今年のルヴァン杯は初出場となる。
川崎Fは「4-2-3-1」。GKチョン・ソンリョン。DFエウシーニョ、谷口彰、エドゥアルド、車屋。MF大島僚、エドゥアルド・ネット、家長、中村憲、三好。FW小林悠。同じくケガで離脱していたMF大島僚が何とか間に合ってスタメン出場。MF阿部浩はベンチスタートになった。古巣対決となるMF家長は大分時代の2008年にナビスコカップを制覇している。MF清武も大分の一員として優勝メンバーの1人になっている。
■ 開始47秒でFW杉本健が先制ゴール試合は開始1分にDFエドゥアルドのミスからゴール前でドフリーになったFW杉本健がキーパーとの1対1を確実に決めてC大阪が先制に成功する。「開始47秒での先制ゴール」はルヴァン杯の決勝戦においては史上最速ゴールとなった。その後は川崎Fがボールを支配して攻め込む展開になる。受け身になったC大阪は耐える時間帯が長くなるがDFマテイ・ヨニッチを中心に集中して守ってゴールを許さない。
後半開始から川崎FはMF三好を下げてMF長谷川竜也を投入。後半の立ち上がりはMF長谷川竜也の仕掛けからチャンスを作りかけるがなかなか決定機は作れない。後半も同じように川崎Fがボールを保持して攻め込む展開になったがC大阪の守備陣が相手の攻撃に慣れてきたこともあって川崎Fはシュートチャンスを作れなくなる。FW知念とMF阿部浩という攻撃的なカードを投入したものの大きなプラスの効果は生まれず。
1対0のまま後半のアディショナルタイムに突入すると後半47分にC大阪がカウンターを仕掛ける。右サイドでボールを受けたMF清武を起点になって数的優位の場面を作ると最後はMF水沼のパスを受けたMFソウザがキーパーもかわしてから無人のゴールに流し込んで決定的な2点目を奪った。2対0で勝利したC大阪がクラブ史上初めてのタイトルを獲得した。川崎Fはまたしても決勝戦で涙を呑むことになった。
■ 堅い守備で守り切ったセレッソ大阪両チームとも過去に何度もあと一歩のところでタイトル獲得を逃してきた。「どちらか片方のチームが悲願の初タイトルをつかむことが出来る。」ということで注目度は非常に高かった。ともにたくさんのスターを抱えており、埼玉スタジアムのチケットはソールドアウト。事前の盛り上がりは凄まじかったが悲願の初タイトルを手にしたのはC大阪だった。J1昇格1年目でのルヴァン杯制覇というのは快挙である。
開始早々の前半1分に先制に成功した後、C大阪は受け身のサッカーになった。ボールホルダーにプレッシャーがかからずに危ないシーンは何度も作られたがGKキム・ジンヒョンが好セーブで決定機を防ぐ場面はほとんどなかった。最後のところを突破されかかったときも2人のCBがしっかりと対応して決定的なシュートチャンスは殆ど作らせなかった。「C大阪の中央の守備の堅さ」が目立つファイナルになった。
先のとおり、今シーズンのC大阪はルヴァン杯ならびに天皇杯ではサブ組中心。レギュラー組はほとんどスタメンでは使ってこなかった。FWリカルド・サントス、MF福満、MF秋山大、DF木本、DF田中裕、GK丹野あたりが決勝進出の立役者と言えるがいわゆる「ルヴァン組」の思いを背負ってピッチに立ったレギュラー組がしっかりと結果を残した。カップ戦は17戦無敗。驚異的な強さを発揮している。
決勝に関してはメンバーは大きく変わったが戦い方や戦いぶりは「ルヴァン組」が出場していた時とよく似ていた。相手にボールを持たれて守り時間が長くなるのはこれまでと同じ。それでも少ないチャンスをしっかりとゴールに結びつけて勝利を手にすることが出来た。J1のリーグ戦で3位と好成績を残している点も当然のことながら評価できるが「カップ戦で一度も負けていない。」というのは同じくらい高評価できる。
■ 4度目のファイナルも初タイトルはお預け・・・。敗れた川崎Fはまたしても完封負けを喫した。4度目の決勝進出となるがいずれも敗戦。もちろん、C大阪の選手やサポーターも「初タイトル」への思いは非常に強かったと思うが、C大阪はタイトルが目の前に迫ってくること自体がかなり久々である。昇格1年目ということを考えるとここまで来れただけでも大きな前進である。対して川崎Fは今年の天皇杯の決勝などここ数年の間にも何度もタイトルに近づいている。
「大ベテランの域に入ったMF中村憲に何としてでもタイトルを取ってほしい。」という思いの強さがマイナスに作用しているのは否めないがこれまでの流れや経緯を考えると川崎Fにかかわる人すべてにそういう特別な感情が生まれるのは仕方がない。そして、そういう特別な感情が根底にあることがJ2からスタートしたクラブがJ1のタイトル争いの常連になるほど大きく発展した理由の1つになっているのも間違いない。
幸いにして川崎Fの場合はまだ今シーズン中に初タイトルを手にするチャンスが残されている。残り3試合で首位の鹿島との差は「4」なので厳しい状況であることは間違いないが鹿島の残りの対戦カードを見ると川崎Fが3連勝できれば大逆転優勝の可能性は十分に残されている。かつてのG大阪のように1つ目のタイトルを獲得できれば2つ目・3つ目はあっさりと獲得できるように思うが最初の1つがなかなか遠い。
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