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【J2限定】日本代表チーム23名を考える。(ボランチ編) (2015年版) | | |　

ボランチ編

→　「ボランチの人材はかなり豊富」と言えるが、中でも「ほとんどの人が真っ先に候補として名前を挙げるだろう。」と断言できるのがC大阪のMF山口蛍である。昨夏に怪我をしてシーズン後半を棒に振ったためアギーレジャパンの活動には参加できなかったが、ハリルジャパンには欠かさずに召集されている。運動量が豊富で、ボール奪取力が高くて、ミドルパスの精度も高い。言うまでもなく日本屈指のボランチである。

その他ではMF山口蛍の相方であるC大阪のMF扇原、左SBから中盤にコンバートされて新境地を開いた磐田のMF宮崎智、パスサッカーの中心である北九州のMF風間宏希、3度もW杯に出場している札幌のMF稲本、精度の高い左足が武器となる福岡のMF鈴木惇、プレイスキッカーとしても優秀な東京VのMF中後、期限付き移籍先の水戸で攻守の要になっているMF岩尾などが「J2では上位クラスのボランチ」と言える。

大きな期待を受けて札幌に入団したMF稲本はここ数年、川崎Fでは出番が少なかった。なので、「タフなJ2でどこまでできるのか？」、「体力的な問題はないのか？」と不安視されたが、開幕からハイパフォーマンスを続けた。息切れした時期もあるが、力強いボール奪取は他の日本人ボランチには真似できないレベルで、若い頃から定評のあったロングフィードも健在。「さすが」と言えるプレーをたくさん見せている。

すでに多くの優秀なボランチの名前が挙がったが、長崎のMF黒木聖、金沢のMF山藤、大宮のMF横山、讃岐のMF永田亮あたりも今シーズンは目覚ましい活躍を見せておりボランチの有力候補と言える。MF黒木聖はC大阪でプレーしていた頃は後輩のMF山口蛍やMF扇原とのポジション争いに敗れてなかなか出番が得られなかったが、長崎では絶対的な存在として君臨している。C大阪時代と比べるとタフな選手になった。

「今シーズンのJ2の最大のサプライズ」と言える金沢の快進撃を支えて来た1人がボランチのMF山藤である。得点王争いをするMF清原にスポットライトが当たることが多いが、貢献度という意味ではMF山藤も負けていない。高精度の左足を持っていて、クレバーさも大きな武器となる。技術的なミスも戦術的なミスもほとんどない選手で、キャリアの大半がJFLだった選手とは思えないほどのクオリティを持っている。

MF横山はチーム事情からCBでプレーする機会もある。184センチの長身でありながらボールタッチは繊細で「ソフティ」のニックネームを持つほど。CBとしても高いパフォーマンスが期待できるが、より生きるのはボランチのポジションである。2012年は9試合、2013年は11試合、2014年は21試合と過去3シーズンは多くの出場機会を得られなかったが、今シーズンは大宮の中心として素晴らしい活躍を見せている。

オフに群馬から讃岐に移籍したMF永田亮がここまでやれるとは全く予想できなかった。讃岐は入替戦に回った2014年と比べると劇的にサッカーの質が上がっているが、中心になっているのはボランチのMF永田亮と右サイドハーフのMF沼田の2人である。MF永田亮は湘南時代から運動量に定評があって「意外性」を持つ選手だったが、今シーズンは右足のキックの精度が上がって多くのチャンスに絡んでいる。

その他では磐田のMF上田康とMF川辺、岡山のMF千明とMF渡邊一、京都のMF原川、札幌のMF宮澤裕、横浜FCのMF寺田とMF中里、栃木SCのMF小野寺、熊本のMF高柳、長崎のMF花井、福岡のMF末吉、群馬のMF松下裕、愛媛FCのMF岡崎建、東京VのMF三竿健なども能力の高いボランチである。こうして名前を挙げていくと有力選手は多い。この中から4人 or 5人のボランチ候補を選ぶのはなかなか大変である。

磐田のMF上田康は左利きのゲームメーカーで、若年層の日本代表で活躍したMF川辺は気の利いたプレーができる選手である。岡山のMF千明は左利きでボールを捌くプレーに定評があって、相方のMF渡邊一はボール奪取力とカーリング能力が持ち味。リオ五輪代表の常連になっているMF原川は決定的なパスを出すことが出来るゲームメーカーで、札幌のMF宮澤裕はすっかりボランチのポジションの専門家となった。

ここでクローズアップしたいのは愛媛FCのMF岡崎建と東京VのMF三竿健の2人。MF岡崎建はJ1のG大阪から期限付きで移籍してきたが攻撃力の高いボランチである。ドリブルで相手のマークを外すことができるのが一番の特徴。ボランチの選手が目の前の敵を1人外せるとビッグチャンスになりやすい。MF三竿健は19歳とは思えないほど心身ともに成熟した選手で「リオ世代のボランチの中では屈指の有望株」と言える。