6位:セレッソ大阪→ ロティーナ監督の続投が決まったC大阪はどちらかというと静かなオフになった。MF水沼(→横浜FM)の流出は想定外と言えるがMF豊川(オイペン)とMF坂元(山形)の獲得に成功。MF清武を右SHに回すことも可能で、大物ルーキーのFW西川潤(桐光学園高)を右SHで使うことも出来るので大きな穴にはならないだろう。J2で躍動したMF坂元、U-17W杯で活躍したFW西川潤がどんなプレーを見せるのか?は興味深い。
その他ではMFソウザ(アルイティファク???)の退団が濃厚となった。2019年は19試合の出場のみ。移籍金が発生することを考えると双方にとっていい選択と言える。加入が確実視されるMFルーカス・ミネイロ(ポンチ・プレッタ)は188センチの長身で左利きのボランチ。23歳という若さも魅力になる。「高齢化が進んでいる。」という点がC大阪の心配材料だったが今オフは「24歳前後の主力候補」をたくさん獲得した。
「DF丸橋の控えがいない。」という点は積年の悩みだったがDF小池裕(鹿島)の獲得に成功。これはサプライズだった。攻撃力が高くてスペシャルな左足を持っているので期限付き移籍を選択した21歳のDF舩木翔(磐田)と「ポスト・丸橋」の地位を争うことになる。今オフのC大阪は「若くて、かつ、左利きの選手」をたくさん獲得しているが復帰してきた梶野チーム統括部長の好みが強く反映された補強になっている。
5位:名古屋グランパス→ フィッカデンティ監督の続投が決まった。この選択に疑問を感じている人は少なくないと思うがMF阿部浩(川崎F)、FW山崎凌(湘南)、MF稲垣(広島)というJ1のクラブで主力を張っていた選手を3人も獲得した。生え抜きのMF和泉(→鹿島)の移籍はショッキングだったが戦力的には十分に穴埋めが可能と言える。MFマテウス(横浜FM)とMF相馬勇(鹿島)の回収にも成功したので充実したオフになっている。
「ハードワークのできる選手」を今オフの名古屋は獲得している。MF阿部浩とFW山崎凌は献身的な守備も期待できる選手である。ボランチのMF稲垣に至ってはJ1屈指のハードワーカーである。フィッカデンティ監督のサッカーに合いそうな選手を獲得している点は高評価に値する。「4-3-2-1」 or 「4-3-1-2」を採用するのであればMFジョアン・シミッチが底に入ってその前にMF米本とMF稲垣が並ぶ形になるだろう。
「FWジョーの変わりが出来る選手がいない。」という点がここ2年間の名古屋の問題点だったのでFW山崎凌を獲得できたのも大きい。「J1のクラブの主戦フォワード」としてはやや物足りないが「控えのフォワード」としては十分すぎるほどの選手である。唯一、気になるのは「SBの人数が多くてCBの人数が少ない点」になる。復帰組のDF秋山陽(磐田)やDF金井(鳥栖)は「再レンタルの可能性がある。」と考えられる。
4位:ベガルタ仙台→ 渡邉晋監督が退任して木山監督が就任した。長期政権だった監督が退いたので「草刈り場になる可能性」はあったが早い段階でDFシマオ・マテやMF松下佳やFW長沢駿やGKヤクブ・スウォビィクの残留が確定した。争奪戦になったDF永戸(→鹿島)は流出したがブラジル人のDFパラ(ボタフォゴSP)の獲得に成功。同じような系統の左SBなので「DF永戸の穴を埋めることが可能な選手を獲得できた。」と言える。
「補強の目玉」は何と言ってもMFクエンカ(鳥栖)になる。事前に全く移籍の情報が流れていなかったので正真正銘のサプライズ移籍だった。攻撃の中心になれるアタッカーを必要としていた仙台にとってはドンピシャの補強になった。新加入のFWアレクサンドレ・ゲデス(ヴィトーリアSC)も能力が高いので優秀な外国人選手をたくさん抱えることになった。5人の外国人選手が2020年の仙台の中心になる可能性が高い。
日本人選手ではストライカーのFW赤崎(名古屋)の獲得に成功。CBとボランチの両方でプレー可能なDF吉野恭(広島)を獲得して、右SBのDF浜崎(水戸)の加入も決まった。DF吉野恭は仙台市出身。地元の選手になる。MF梁勇基(→鳥栖)、FW石原直(→湘南)、DF大岩(→湘南)など仙台を支えてきた選手の移籍は寂しいが出場機会に恵まれなかったので仕方がない。クラブ史上最高とも言える充実したオフになっている。
3位:横浜FC→ 2007年以来のJ1復帰を果たしたが積極的な動きを見せている。2017年はわずか4勝のみ。「1年でJ2降格」となったが当時と比べると戦力は段違いである。降格候補の1つに挙げられるが「J1残留を達成しても全くおかしくない。」と言える。若くて有望な選手をたくさん獲得しているのも目立つ。2019年はMF松尾やMF中山克などが奮闘したが今年は昨シーズン以上に若い選手の活躍が目立つシーズンになりそうだ。
年末に五輪代表に選出されたFW一美(京都)はJ2でゴールを量産した。多くのクラブが関心を寄せたと思うが獲得に成功した。補強ポイントだった左SBはDF志知(水戸)の獲得に成功した。「J2屈指の左SB」なので大きな補強と言える。MF手塚(柏)はここ2年ほどは伸び悩んでいるがパサーとしての能力は高い。DF小林友(町田)は年代別代表の常連だった。185センチとサイズに恵まれており、フィード力が非常に高い。
誤算はDF北爪(→柏)の流出になるがDFマギーニョ(川崎F)を獲得。何とかカバーできた。40才になったGK南の競争相手としてGK六反(清水)を獲得できたのも高評価できる。補強ポイントに合った優秀な選手を獲得できているので「申し分ない補強ができた。」と言える。新卒のMF松尾(仙台大)とMF瀬古樹(明治大)とDF星キョーワァン(駒澤大)は即戦力として活躍する可能性がある。MF古宿(青森山田高)にも期待したい。
2位:横浜Fマリノス→ DF広瀬陸(→鹿島)とMFマテウス(→名古屋)が抜けている。加入1年目ながら右SBでハマっていたDF広瀬陸の流出は想定外だったと思うがその他の主力はほぼ残留が確定済み。J1制覇を達成したメンバーのほとんどがチームに残った上でFWオナイウ阿道(大分)、MF水沼(C大阪)、MF仙頭(京都)、MF杉本竜(徳島)、DF山本義(金沢)、GK梶川(徳島)、DF前貴之(山口)などを獲得。選手層は格段に厚くなった。
補強の目玉はFWオナイウ阿道になる。J1で10ゴールを記録して日本代表にも初選出されたポストプレーヤーの獲得に成功した。「浦和への復帰が濃厚」と思われた中、横浜FMがかっさらう形になった。CF系の選手がいなかったので彼の加入で攻撃のバリエーションは格段に増すだろう。ACL等で高さのあるチームと対戦するときは「セットプレーの守備のときの跳ね返し要員」としてもチームに貢献できるだろう。
DF広瀬陸の穴を埋めることが期待されるのはDF前貴之になる。クレバーで技術が高くてビルドアップ能力の高い選手なので「難しい。」と言われる横浜FMのサッカーにも対応できる可能性が高い。J2のクラブで活躍した選手を今オフも積極的に獲得しているので1つのパターンとして確立されてきた。マイナス材料を挙げるとMF堀研太やFW町野など期待された選手が早いタイミングで契約満了になっている点になる。
1位:鹿島アントラーズ→ 所属選手の海外移籍が増えたことで選手層が薄くなっていた点がリーグタイトルから遠ざかっている1つの要因と言えるが今オフは大型補強を敢行。DF奈良(川崎F)、DF広瀬陸(横浜FM)、DF永戸(仙台)、MF杉岡(湘南)という代表入りを狙える働き盛りの年齢の選手をたくさん獲得して最終ラインの層が一気に厚くなった。今オフの移籍市場の目玉だったDF永戸とDF杉岡のダブル獲得は大きな驚きである。
DF内田篤とDF伊東幸が怪我がちでMF永木やMF小泉慶をコンバートして起用することも多かった右SBにDF広瀬陸を獲得できたのも大きい。攻撃的なポジションもFWエヴェラウド(シャペコエンセ)とMFファン・アラーノ(コリチーバ)とMF和泉(名古屋)の獲得に成功したので充実度が増した。フォワードの軸となる選手が出てこなかったことを考えるとFWエヴェラウドにかかる期待は大きい。15ゴール程度は期待したい。
MFファン・アラーノはテクニックのあるアタッカーになる。攻撃の中心におさまる可能性がある。MFレアンドロ(→FC東京)やDFチョン・スンヒョン(→蔚山現代)やMF中村充(→山形)などが抜けてしまったが大きな問題にはならないだろう。新卒の選手ではFW染野(尚志高)とMF松村(静岡学園高)とFW荒木遼(東福岡高)とGK山田大(鹿島ユース)の加入が決定。若手の有望株も一気に増えた。申し分ないオフになっている。
→ 2020/01/13 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (13位-18位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (7位-12位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (1位-6位)
★ 現在の投票数 → 129票
→ 最大で10チームまで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2019/12/21 【J1】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (上) ~優勝争いは横浜Fマリノスなど4強が中心か!?~
2019/12/22 【J1】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (中) ~ダークホース候補は柏レイソルや横浜FCなど~
2019/12/22 【J1】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (下) ~降格候補は名古屋グランパスや浦和レッズなど~
2019/12/20 【J2】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (中) ~注目したいのはツエーゲン金沢やジェフ千葉など~
2019/12/20 【J2】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (下) ~残留争いに巻き込まれるのかどこか?~
2019/12/23 【J3】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (上) ~昇格争いはカターレ富山など5チームが中心か?~
2019/12/24 【J3】 どこよりも早い2020年シーズンの展望 (下) ~大きな注目が集まるのは昇格組のFC今治~
2020/01/02 【新・国立競技場】 鹿島アントラーズのサポーターのバズったツイートについて
2020/01/14 全エントリーの一覧 (2011年-2020年)
- 関連記事
-