12位:湘南ベルマーレ→ 最後の最後で何とかJ1残留を果たした湘南は曹貴裁監督のパワハラ問題で揺れた1年だった。曹貴裁監督を慕っていた選手は多いので「主力が大量に流出するのでは?」と言われていたが意外と静かなオフになっている。主力で流出したのはMF杉岡(→鹿島)とFW山崎凌(→名古屋)とDF山根視(→川崎F)の3人くらい。広島が興味を示したDF坂圭祐の残留も有力視されているので草刈り場にはならなかった。
その一方でMFタリク(AIKソルナ)、MF三幸(山口)、DF馬渡(川崎F)、DF大岩(仙台)、MF岩崎(札幌)、MF茨田(大宮)、MF福田晃(湘南)、GK谷(G大阪)などの獲得に成功した。力のある選手や将来性の高い選手を獲得できている。MF杉岡が抜けた左WBは高卒2年目となるMF鈴木冬がいるので穴は埋まるだろう。もともとはアタッカーの選手なのでMF杉岡よりも攻撃力は高い。東京五輪出場も十分に狙えるだろう。
注目が集まるのは現役のノルウェー代表のMFタリクだろう。そこまで大きな話題にはなっていないが相当な実力者である。2列目で起用されると思うが攻撃の中心になる可能性が高い。心配されるのはフォワード陣になる。もともとJ1レベルで考えると脆弱だったがFW山崎凌が抜けたことでさらに脆弱になった。FWクリスランは退団の可能性が出ており、FW若月(桐生第一高)は湘南でプレーしない可能性が高まっている。
11位:ガンバ大阪→ DF奈良(川崎F→鹿島)やMF和泉(名古屋→鹿島)やMF仲間(岡山→柏)やDF熊本(山形)やDF坂圭祐(湘南)やMF朱世鐘(FCソウル)やなどが獲得候補に挙がったがDF奈良とMF和泉とMF仲間は別のクラブへの移籍を決断。DF熊本は残留が決まって、DF坂圭祐も残留濃厚。韓国代表のMF朱世鐘についてはまだ獲得の可能性が残っているが難しそうだ。狙っていた選手の獲得の交渉が上手くいかないケースが目立つ。
ブランド力の低下を感じるオフになっているが争奪戦になったMF小野瀬の引き止めに成功したのは良かった。今オフ最大のニュースと言える。海外移籍の話が浮上したCBのDF三浦弦も現状では残留濃厚。その他の主力もほぼ残留が決まっているので「主力の流出は全くなさそうな状況になっている。」と言える。MF小野瀬の引き止めに成功したことで同じようなメンバーで新シーズンを戦うことが濃厚になった。
加入が決まったのはMF小野裕(鳥栖)とDF新里(磐田)になる。中盤は若い選手も多くてどこまで出場機会が得られるのか?は分からないがMF小野裕は技術の高い選手なのでG大阪のサッカーにハマる可能性はある。CBの控えが手薄だったことを考えるとDF新里(磐田)を獲得できたのは良かった。MF高木彰(山形→松本山雅)、GK谷(→湘南)、MF高宇洋(山口)などが期限付き移籍の道を選択したが悪くない決断と言える。
10位:サンフレッチェ広島→ 6位とまずまずの成績を残した広島も静かなオフになった。主力の流出は最小限にとどまったがボランチのMF稲垣(→名古屋)が流出した。中盤の軸になっていた選手なのでショックは大きいが五輪代表のMF松本泰がサブに控えている。「MF松本泰がいるので大丈夫」という考え方は出来る。MF青山敏がいて、MF川辺やMF柴崎晃やMF野津田をボランチで使うことも出来るので大きな問題にはならないだろう。
補強は最小限にとどまっているが最も期待が集まるのはMFエゼキエウ(ボタフォゴFR)になる。167センチなのでサイズには恵まれていないがスピードがあってテクニックがある。左右のWBでもプレー可能だと思うが基本はシャドーだろう。昨シーズンの後半戦はMF森島司とMF川辺が2シャドーを組んだがともに得点力が高くない。MFエゼキエウが攻撃の中心として8ゴール程度を記録するようだと得点力はアップする。
その他ではDF櫛引(大宮)とFW永井龍(松本山雅)を獲得した。DF吉野恭(→仙台)が抜けており、DF佐々木翔やDF荒木は日本代表に召集されてルヴァン杯などのときは抜ける可能性があることを踏まえるといい補強と言える。一方のFW永井龍はオールラウンダー。シャドーの位置でもプレーできるが2019年はJ1で27試合で3ゴールのみ。フォワードの軸として15ゴール程度は期待できるストライカーが欲しかった。
9位:大分トリニータ→ 昇格1年ながら9位と躍進した大分は期限付き移籍だったFWオナイウ阿道(→横浜FM)が抜けたがその他の主力のほとんどの残留が決定済み。DF鈴木義やDF岩田やGK高木駿やMF田中達など2019年に評価を高めた選手が誰1人として流出しなかった点は高評価できる。J1でもJ2でも昇格2年目に苦戦するチームは多いが「オフ期間中の主力の流出」が主要因になるケースが多い。流出がほぼ無い点は良かった。
加入が決まったのはFW渡(広島)、FW知念(川崎F)、FW高澤(群馬)、MF野村直(徳島)、MF佐藤和(甲府)、MF町田(松本山雅)、DF香川勇(長崎)、DF小出(甲府)、GK吉田舜(群馬)など。FWオナイウ阿道などを獲得した昨オフと同様で今オフも「J2で活躍した選手が中心の補強」になっている。FW高澤やGK吉田舜についてJ3でプレーしていた選手になるが「昨オフに成功した補強のパターンを今オフも採用した。」と言える。
方針は正しいが大分がこのやり方で大成功したことで追随するチームが出てきた。今オフは横浜FMと柏が「J2のクラブで活躍した選手中心の補強」を行っているが獲得した選手の顔ぶれを見ると「昨オフであれば大分が獲得できていただろうJ2トップクラスの選手は横浜FMや柏が獲得している。」と言える。FWオナイウ阿道やMF小塚などの獲得に成功した昨オフと比べると今オフに大分が獲得した選手の質はやや劣る。
8位:ヴィッセル神戸→ 元日に行われた天皇杯の決勝で鹿島を下して初タイトルを獲得した神戸はオフに突入してまだ2週間ほどしか経過していない。昨夏に結構な補強を行っており、かつ、後半戦は結果も出たので焦って補強をする必要はあまりない状況だったが例年と比べるとかなり静かなオフになっている。夏の移籍市場も冬の移籍市場も神戸がかき回すケースが多かったが今オフはどちらかというとアウトサイダーになっている。
それでもFWドウグラス(清水)の獲得に成功した。FWダビド・ビジャが現役を引退したので後釜を見つけないといけない状況だったがJ1トップクラスのストライカーの獲得に成功した。外国人枠の問題に悩まされる可能性もあるが15ゴール程度は期待できる。高さを生かした空中戦の強さはJ1屈指なのでクロスからのゴールは増えるだろう。守備でもまずまず頑張れる選手なのでアジア制覇に向けていい補強が出来た。
他にはDF菊池流(山口)を獲得した。188センチとサイズに恵まれた有望なCBになる。ビルドアップ能力などはあまり高くないので馴染むまでに時間がかかる可能性はあるが空中戦の強さは驚異的である。気になるのはDF西大伍に名古屋移籍の話が出ていることになる。違いを生み出せる選手なので流出となると痛手ではあるが名古屋の豊富なSB事情を考えると移籍が実現する可能性は低いと考えられる。
7位:柏レイソル→ 「1年でのJ2復帰」を果たした柏は積極的な補強を行った。獲得したのはFW呉屋(長崎)、MF仲間(岡山)、MF戸嶋(新潟)、DF北爪(横浜FC)、DF三丸(鳥栖)、DF大南(磐田)、MF神谷(愛媛FC)など。J2のクラブで活躍して評価を高めた選手が今オフの補強の中心となった。昨今のJリーグのトレンドになっており、横浜FMや大分なども同じようなやり方を採用しているが下部リーグの有望な選手をたくさん獲得した。
若手のDF上島(→福岡)、MF手塚(→横浜FC)、DF田中陸(→山口)などを修行に出しているが現時点で主力の流出はない。「戦力アップに成功した。」と言えるがGKキム・スンギュ(蔚山現代)の加入が決まったことでGK中村航の残留が微妙になった。神戸時代の2019年の推定年俸が8,500万円のGKキム・スンギュを「第2キーパー候補」として獲得するのは普通ではあり得ない。GK中村航は流出の可能性がある。
さらにはケニア代表のFWオルンガも去就がはっきりしない。J1レベルでもスペシャルな選手なのでFWオルンガが抜けるようだと大打撃と言える。FW呉屋を獲得しているがタイプは大きく異なるので「FWオルンガの穴を埋めるのは難しい。」と言える。GK中村航とFWオルンガの動向がはっきりしないので現時点では高評価しにくい。「7位」になったがFWオルンガの残留が確定したら「この順位」はもっと上になる。
→ 2020/01/13 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (13位-18位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (7位-12位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (1位-6位)
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