■ J1昇格を目指すチームプレーオフの2回戦で徳島に敗れて「J1昇格」を逃した山形は木山監督が退任して石丸監督が就任した。愛媛FCから山形に移ったときは期限付き移籍だった選手を含めてたくさんの選手を引き連れて山形に移っているので「引き抜き」が心配されるが石丸監督というチョイスは良かった。愛媛FCや京都のときはいいチームを作っており、京都時代の2016年にはプレーオフ出場を果たした。面白いチームになる可能性は高い。
同じようにプレーオフの1回戦で徳島と引き分けて「J1昇格」を逃した甲府はMF小椋、FW佐藤洸、MF松橋優、MF横谷などとの契約を更新しなかった。特にMF小椋やMF横谷は主力として活躍したが今シーズンの平均年齢は30.37歳。これは30.59歳の横浜FCに次いでJ2の中では2番目に高かった。世代交代を進めなければいけない時期に突入していることを考えると致し方ない選択と言える。若手の台頭が期待される。
9位でプレーオフ出場を逃した岡山は悲願のJ1初昇格を目指すがGK一森(→G大阪)の流出が決定。MF仲間(→柏?)の移籍も濃厚となった。実力的には遜色ないレベルのGK金山が控えにいるのでGK一森の穴はそこまで大きくないと思うが、やはり、15ゴールを挙げたMF仲間の穴を埋めるのはかなり大変である。攻撃の中心となる選手を見つけないといけないが左SBのDF徳元(FC琉球)を獲得できたのは大きい。
惜しくもプレーオフ出場を逃した水戸は長谷部監督が退任。元・群馬の秋葉忠宏監督を招聘した。FW小川航やMF福満やFW黒川といった期限付き移籍中の選手はチームを離れる可能性は高くて、評価を大きく上げたMF前寛之やMF志知あたりにもたくさんのオファーが届いているだろう。草刈り場になる可能性がある。かつてと比べるとクラブの資金力は上がってきたが依然としてJ2の中では最低クラスになる。
■ 活きのいい若手がたくさんいるツエーゲン金沢注目したいのは金沢になる。11位というのはクラブ史上最高順位だったが平均年齢は25.74歳。これはJ2の中では2番目に若いチームだった。活きのいい若手がたくさんいる。評価を高めた選手がたくさんいるのでMF藤村やDF山本義などの流出を阻止できるのか?は目下の注目点になるが彼らに加えてFW垣田やFW山根永などのレンタル組の引き止めにも成功した場合は2020年のJ2の台風の目になるかもしれない。
柳下監督はとにかく積極的に若手をタイプの監督になるが高卒1年目のDF石尾は終盤にCBのポジションを確保した。興国高の3年生で特別指定選手のDF高安は最終節でJ2デビューを飾った。柳下監督が躊躇することなく若手を使うこともあってエネルギッシュなチームになっている。流出を最小限にとどめて、かつ、計算できる中堅世代の選手を2・3人獲得できるようだと「昇格候補の1つ」に挙げられるだろう。
今オフのJ2は監督交代を実施したチームが多かったが17位と最悪のシーズンになった千葉は尹晶煥監督の招聘に成功した。鳥栖とC大阪で十分すぎるほどの結果を残している指導者なので期待は高まっている。厳格な指導者なので千葉のイメージは一新されるだろう。事実上の監督だった鳥栖での1年目の2010年はJ2で9位だったがC大阪での1年目はJ1で3位に入って、かつ、ルヴァン杯と天皇杯の2冠を達成した。
各ポジションにJ2の中では上位クラスのタレントを擁しているチームなので「どういう風にチームを変えるのか?」は興味深い。オーソドックスな「4-2-2-2」あるいは「4-2-3-1」を採用することになると思うがCFの選手がキーになる。鳥栖ではFW豊田、C大阪ではFW杉本健が軸になった。すでにGK新井章(川崎F)、DFチャン・ミンギュ(漢陽大)、FW山下敬(山口)の獲得に成功しており、補強は着々と進んでいる。