18位:サガン鳥栖→ 辛うじてJ1残留を達成した鳥栖だったが厳しいオフになっている。Cygamesとのスポンサー契約が終了して金欠になることは予想されていたが「お金がなくて苦労しているのだろう・・・。」と感じる流出が目立っており、J1の18クラブの中では最も苦しいオフになっている。攻撃の中心だったMFクエンカ(→仙台)が流出して、DF三丸(→柏)、DF高橋祐(→柏)、MF小野裕(→G大阪)、MF福田晃(→湘南)も抜けた。
夏に加入したDF金井(→名古屋)もレンタル終了となったので主力の半数ほどが抜けている。ネガティブなニュースの多いオフになっており、不可解な補強もある。低評価せざる得ないが浦和が獲得に興味を示したMF原輝綺の引き止めに成功したのは良かった。また、FW林大地(大阪体育大)とMF森下龍(明治大)は即戦力になる可能性が高い。攻撃陣は手薄なので初年度から定位置を確保することも考えられる。
一方で加入が決まったGK守田(松本山雅)、DF宮大樹(水戸)、DF内田裕(徳島)、MF小屋松(京都)などは能力が高い。J1でも安定したプレーを見せたGK守田を獲得したことでキーパーのレベルアップには成功した。そして、「DF高橋祐→DF宮大樹」、「DF三丸→DF内田裕」、「MF小野裕→MF小屋松」であれば将来性を加味すると見劣りしない。MFクエンカの穴こそ大きいが大幅に戦力がダウンしたわけではない。
17位:浦和レッズ→ 浦和は14位からの巻き返しを図るが見通しは明るくない。3年計画でチームを立て直すことになったが興味を示したMF原輝綺(鳥栖)やMF杉岡(湘南→鹿島)やMF小塚(大分)の獲得には成功せず。FWオナイウ阿道(大分→横浜FM)の回収にも失敗した。新卒の選手やレンタルバックを除くと加入が決まったのはFWレオナルド(新潟)のみ。移籍市場における人気やブランド力の低下を感じざる得ないオフになった。
高齢化は浦和の大きな問題点なので「ミシャ体制を支えた中心選手の何人かをリリースして若手を使わざる得ない状況に持っていく。」という方法も考えられたが抜けるのはDF森脇(→京都)である。大鉈を振るってチームを変えた方がいい状況だったことを考えると「ほとんどのベテランがチームに残った。」というのはポジティブな要素ではない。3年後など先を見据えるのであれば別のやり方があったのでは?と感じる。
非常に中途半端なオフになっているがFWレオナルドを獲得できたのは当然のことながら大きい。周りを使うのが上手な選手なので浦和でも中心になる可能性は高い。FW興梠の力はまだまだ必要なので「2人が共存できるのか?」が注目点になる。FWレオナルドはJ1でもゴールを量産できる選手だと思うが残留するMFマルティノスがSNS上で騒動を起こすなど取り巻く空気はあまり良くない。難しい1年になるだろう。
16位:コンサドーレ札幌→ ルヴァン杯は準優勝。初タイトル目前のところまで迫った。大きな成果と言えるが肝心のリーグ戦は秋以降に失速して10位に終わった。13勝14敗7分けと負け越しており、目標だったACLの出場権獲得はならなかった。開幕前は上位候補に挙げられていたことを考えると「やや期待外れのシーズンだった。」と言えるが早い段階で報道された通りでオフの補強はほぼ無かった。極めて静かなオフになっている。
MF岩崎(→湘南)が期限付き移籍となったがGKク・ソンユンやMFチャナティップは残留。選手の入れ替えは「3人の大学生が加入してMF岩崎が抜けただけ」である。ここまで選手の入れ替えが少ないのは珍しい。「Jリーグ史上最少なのでは?」とも感じるが継続路線を選択した。主力の流出で苦労してきたチームなのでDF福森晃やDF進藤やFW鈴木武蔵などの引き止めに成功した点はポジティブに考えられる。
全体的に若いチームなので「1つの方法」だとは思うが「ここまで入れ替えが少ないのはプラスよりもマイナスの方が大きくなる。」と思う。前年に結果を残したクラブでもマンネリ化などで難しい面が生じると思うが札幌は満足できる結果を残せなかったクラブである。次代のレギュラー候補がたくさん控えているわけでもないので2020年にポジションを奪う可能性がある若手や新顔はMF田中駿(大阪体育大)くらいである。
15位:清水エスパルス→ 上位候補に挙げられながら低迷した清水はFWドウグラス(→神戸)が流出した。昨夏にFW北川航(ラピード・ウィーン)が抜けた後はFWドウグラスにかかる負担が大きくなっており、絶対的な存在だったので痛すぎる流出と言える。FW北川航の穴も埋まっていないのでフォワードはもともと手薄だったが深刻なレベルである。FW鄭大世の残留が決まってFW後藤優(大分)を獲得したが軸になれる選手が必要である。
「このままいく。」とは考えられないのでCFの補強に動いている最中だと思うが「元・広島のFWティーラシン(ムアントンU)の加入に動いている。」と報じられている。ゴール数は多くなかったが広島時代は正確な技術を生かしたボールキープで起点になる仕事を高いレベルでこなした。提携枠になるので外国人枠にはカウントされないのも魅力と言える。値段は高いと思うが獲得できたら大きな補強になる。
34試合で69失点とJ1最多だった懸念の守備陣はDF岡崎慎(FC東京)を獲得して、DFヴァルド(セアラー)とGKネット・ヴォウピ(アメリカ・デ・カリ)の加入も濃厚と言われている。この3人の獲得によって失点数が大きく減少する可能性はある。目下の注目点は移籍の可能性がある左SBのDF松原后の動向になる。ここ2年間は低調なパフォーマンスに終始しているがこのタイミングで流出すると穴を埋めるのは難しい。
14位:FC東京→ 初優勝は逃したが2位。クラブ史上最高成績を残してACLの出場権を獲得したがオフの移籍市場はやや苦戦を強いられている。右SHが補強ポイントだったのでMFアダイウトン(磐田)とMFレアンドロ(鹿島)を獲得できたのは大きいがMF大森(→磐田)が移籍となった。MF大森のような献身的な選手はACLのアウェイ戦では力を発揮しただろう。長谷川健太監督の戦術を理解していた選手のJ2への移籍は驚きだった。
困った状況になっているのはCB陣になる。DF森重とDF渡辺剛はともに日本代表クラスの実力を持っているので「スタメン2人は盤石」と言えるが五輪代表のDF岡崎慎(→清水)が出場機会を求めて移籍を選択した。「DF森重とDF渡辺剛とDF岡崎慎の3人を引き止めた上で即戦力のCBを1人を獲得する。」というのが今オフの目標だったがDF岡崎慎が抜けた上で獲得に動いたDF木本(C大阪)の引き抜きに失敗した。
DFジョアン・オマリ(神戸)を獲得したが外国人枠に余裕があるクラブではないので「第3のCBとしてDFジョアン・オマリをベンチに入れる。」というのは難しい。DF森重とDF渡辺剛のCBコンビはJ1でも屈指と言えるがその次がDF丹羽大やDF木村誠になるのでなかなか厳しい。また、J3があるとは言ってもトップチームでの出場機会が期待しにくいFW原大智やFW田川などを貸し出さなかった選択もやや疑問に感じる。
13位:川崎フロンターレ→ ほぼ毎年、有力選手を獲得して戦力アップに成功してきたが今オフはどちらかというと主力の流出が目立つオフになっている。選手層の厚いクラブなので深刻なダメージというわけではないがGK新井章(→千葉)、MF阿部浩(→名古屋)、DF奈良(→鹿島)の3人が流出となった。海外移籍も少なくて主力クラスの選手が抜けることすら珍しいチームなので近年の移籍市場の中では最も難しいオフになっている。
ともに五輪代表で即戦力のMF旗手(順天堂大)とMF三笘(筑波大)の加入が決まっているが怪我のMF中村憲が前半戦はプレー不可。MF家長もそろそろ年齢的に苦しくなってくることを考えるとハードワーカーのMF阿部浩が抜けたのは相当に痛い。MF長谷川竜也やMF齋藤学やMF脇坂などとは全く違った系統の選手なので穴を埋めきるのは難しい。DF谷口彰のパートナー候補の1番手だったのでDF奈良の移籍も痛手になる。
補強ポイントの右SBはDFマギーニョ(→横浜FC)とDF馬渡(→湘南)がともに期限付き移籍をしてDF山根視(湘南)とDFジオゴ・マテウス(コリチーバFC)を獲得した。DF山根視とDFジオゴ・マテウスの競争になるがDF山根視はSBの経験はあまり多くない。DFジオゴ・マテウスもJリーグ初挑戦になることを考えると「計算の立つ右SB」を1人は補強したかった。今シーズンも右SBの人選で苦労する可能性は高い。
→ 2020/01/13 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (13位-18位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (7位-12位)
→ 2020/01/14 【J1】 18クラブのオフの戦力補強の評価ランキング (1位-6位)
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