ロシアの安全保障提案をワシントンが拒絶したのはまずい判断
2022年1月27日
ポール・クレイグ・ロバーツ
予想通り、ワシントンとNATO勢力は、平和より恐ろしい結果を好んで、クレムリンの共同安全保障提案を拒絶した。クレムリン提案を拒絶することにより、ワシントンとヨーロッパは、クレムリンに、ワシントンはNATOとアメリカのミサイル基地をロシア国境に配備し、対ドンバス攻撃のためウクライナを武装させる攻撃的政策を続けるつもりだと言ったのだ。拒否はモスクワに、ソ連政府崩壊後のロシアが脆弱な次期に分離したウクライナやジョージアなど、かつてソ連の一部だった地域が、ロシアは、そのような加盟を認めないというクレムリン声明にもかかわらず、NATO加盟候補のままだと言ってもいるのだ。
与党、統一ロシアの国会議員団長ウラジーミル・ワシリエフがこう述べた。「我々は長い間、ワシントンで正当な決定が勝利すするのを待っていてたが、そうなっていない。我々が耳にするのは制裁と兵器が紛争地域に送られていることだけだ。我々はこれは受け入れられない。」アメリカは「ウクライナを、ミサイルシステム、擲弾発射筒や他の兵器提供で強化している。現地には、こうした装置をどのように使うか教える教官もいる。これは大きい脅威だ。それは軍事行動のための準備以外の何ものでもない。そこに暮らす平和な住民に対する軍事行動だ。」
アメリカ外交政策を支配しているロシア嫌いのネオコンが決定を支配して、自分達が欲するものを手に入れた。だが彼らは、その結果を欲しているのだろうか?
ワシントンは「対話し」「ロシアの懸念を聞く」と申し出たが、ロシアにとって全く役に立たない保証だ。クレムリンは既に、その懸念を伝えたが、無視された。クレムリンは交渉をする時期は過ぎており、進歩がない果てしない交渉には引き込まれないことをはっきりさせた。
現時点では、クレムリンは、おそらく、更に挑発を受けずに後に引けるまい。だから恐ろしい結果を覚悟する必要がある。
結果は、ワシントンにとって好ましいことにはなるまい。アメリカ大企業はバイデンに、制裁はロシアを傷つけるよりも、アメリカ企業を一層傷つけるから、制裁を忘れるように言い、NATOは既にロシアが強硬手段に出始めることを予想し、緊張で押しつぶされつつある。NATO加盟国の二国、クロアチアとブルガリアは、ウクライナでのロシアとの紛争で、NATOに軍隊を送らないと宣言し、ドイツはウクライナへ武器空輸のためのイギリスの領空飛行許可を拒否したと発表した。ヨーロッパ各政府は、NATOがロシアとの紛争のための軍事的手段に欠如していることを理解しているのだ。
利用可能なアメリカとNATOの部隊は名ばかりの軍隊だ。ワシントンは両国を守り、ロシアを阻止するため、ブルガリアとルーマニアに配備する兵士を1,000人に減らした。諸国が理解する通り、1,000人の兵士で、どんなロシア軍も阻止できる可能性はない。結構ですとブルガリアは言った。
NATOは5,000人のフランス兵を動員する「計画」があるというというストルテンベルグの保証と、アメリカ合州国が8,500人の兵隊を派兵するというのは、安らぎを与えるのとは逆の効果を持っている。ロシア軍は、このような少数の軍隊のことなど気にかけるまい。ストルテンベルグが見せたのは力ではなく、欧米軍の弱さだ。
ワシントンは旧来の方法で考えているのかもしれない。かつては、アメリカと戦争をするのはいやなので、少数のアメリカ兵を散在させておけば、攻撃は防げると考えられていた。だが既にクレムリンは、現在の安全保障情勢を彼らは受け入れられず、不安定には、もう耐えられないと表明しているのだ。
ロシア介入を引き起こして、ワシントンのヨーロッパ支配を強固にし、バイデンを当選させるために、ワシントンがウクライナを挑発して、ドンバスを侵略させるのに成功しない限り、戦争が間近に迫っていると私は思わない。その場合には、ワシントンの政治的目的で犠牲にされたウクライナとの短い戦争だろう。ところが、ロシアは、ポーランドやルーマニアの米軍基地や、キエフ同様、ウクライナの全ての軍事施設を含め、ヨーロッパの全てを、彼らの極超音速ミサイルの標的にするだろう。彼らはヨーロッパを高まる緊張の下で暮らさせるだろう。ヨーロッパは、アメリカ覇権のおかげで、受ける恩恵よりも、受ける損害の方が大きく、遅かれ早かれヨーロッパは、ロシアよりNATOこそ自分達に対する大きな脅迫だと結論するだろう。
安全保障提案を拒絶するワシントンの決定はばかげている。その結果はアメリカ権力の衰退だろうと私は思う。その懸念が無視される国として、ワシントンが、ロシアに置き換わるだろう。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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ネットで、うまい言葉を見た。「尾身空論」。最初から失敗つづきの感染症ムラ全員の的確な表現に座布団!
自民党別働隊、百害あって一利なし。恥ずかしながら、かつてこの労働者弾圧組織の下っ端だった。
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ウクライナ・ロシアの両当事国が否定しているのに米国だけが「ロシア」のウクライナ侵攻を強弁! それ以外をすべてウソとまで断言! 米ウクライナ首脳会談で「攻撃の発生は確実なものではない」とのウクライナ側の発表を米NSC報道官が「うその情報」「『ロシアが2月にウクライナ侵攻』以外の報道は完全に虚偽だ」とさえ主張! ウクライナのゼレンスキー大統領は「尊敬される複数の国家指導者でさえ、明日にも戦争になると言ってくる」と批判! ロシアのラブロフ外相は「ロシア次第というなら、戦争は起こらない」と断言!!
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