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2022年1月23日 (日)

欧米による制裁の中、EUと形勢を逆転するロシアと中国

2022年1月11日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 近年、ロシアと中国に対するいくつかの優位を実現する狂ったような願望から、アメリカとヨーロッパは国際法に違反するあらゆる種類の一方的制裁を発表し、積極的に不公平な競争を使い始めている。

 ワシントンと西洋同盟諸国は、中国に対し思いつけるあらゆる措置をとって、公然と挑発的行動をして、インド・太平洋で状況を悪化させている。主に台湾に焦点を合わせて、彼らは軍事を含め新たな同盟を作っており、インド・太平洋でのAUKUS設立はこの鮮明な例だ。近年ワシントンがとっている中国との対決路線は、中国を全欧米の第一の敵だと宣言して、軍事的、政治的、経済的領域だけでなく、新彊ウイグル地域での人権侵害とされるものを批判する情報キャンペーンまで開始して推進されている。ここ数ヶ月、ワシントンは、2022年2月に行われる予定の北京冬季オリンピックを、各国に外交的ボイコットに参加するよう進めて、くつがえそうとしたが無駄だった。

 劣らず積極的に、ワシントンと西洋同盟国はロシアに対しても、様々なこじつけの理由で、制裁政策を追求し、発明し、益々多くの反ロシア制裁を行っている。最近、欧州連合は、このようなワシントン方針の積極的手段となり、最近ドイツ・メディア規制当局MABBにより新しいドイツ語テレビ局RTDEヨーロッパの人工衛星運営会社Eutelsat 9Bのプラットホームから排除し、特にロシア・メディアの活動を禁止、制限し、ロシアに対する経済制裁を導入している。

 ロシアに対し様々な貿易、経済制限を導入し、拡張することにより、欧州連合はモスクワに積極的に輸入品代替策を強いた。ヨーロッパの経済封鎖は一層無意味になった。ヨーロッパ経済にとっての、このような制裁政策の失敗を実感して、EUの現在の政治支配体制は、最近EUに課された輸入代替政策による損害のかどで、WTOを通してロシアに2900億ユーロを要求すると決定した。この方針は、ロシア国営企業や他の組織と取り引きするヨーロッパ企業にとって、すでに不利になっている。

 ここ数週間、ロシアとの対決で、モスクワによるウクライナに対する武力侵略の危険とされているものの告発が人為的に誇張されている。ロシア当局が繰り返し事実無根と虚構を様々な演壇から語っているが、バイデン政権は欧州連合同盟諸国にロシアの銀行とエネルギー企業に対する制裁の広範なパッケージを最終的にまとめるよう駆り立てている。

 欧米のロシア嫌悪から採択された、ロシアとの対決のもう一つの方向は、悪意ある目的のため、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ヨーロッパ市場に対して、エネルギー資源の欠乏を使っているとされるアメリカとヨーロッパの専門家による非難だった。この非難で、アメリカとユーの公式代表はロシアをエネルギー制裁で脅した。同時に、アメリカは、特に経済封鎖と、ドイツ・ロシアのプロジェクト、ノルド・ストリーム2の停止を強く要求している。発想がまずく、公然とドイツとEUの利益に反するのに、緑の党の新ドイツ外務大臣アンナレーナ・ベアボックは、このパイプラインは操業すべきでないと主張する声明で、アメリカを大喜びさせている。同時に、ヨーロッパのロシア嫌悪はわざわざハンガリーのペーテル・シーヤルト外務貿易相や、ヨーロッパのガス部門代表者の公式声明を聞こうとさえしない。そしてEUの誰もロシアのガスプロムによるガス供給協定違反に会っていない。反ロシア姿勢で知られているポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相さえ、ここ数ヶ月のでヨーロッパでのガスとエネルギーの高価格に責任があるのは、ロシアではなく欧州連合だと言った。

 ワシントンとEUによる、ロシアと中国に対する、これら政治的、経済的、軍事的ほのめかしを前に、モスクワと北京は益々相互協力を強化している。エルサレム・ポストが最近発表した評価によると、これはモスクワと北京が、どのように彼らの政策を調整し、同盟を構成しているかという一例だ。目標は多極世界を作り、アメリカ覇権の痕跡を無くすことだ。アメリカとヨーロッパ同盟諸国の失敗した制裁政策が、ロシアと中国間の協力の好ましい条件を引き出した事実は、アメリカ・メディアにも報じられている。同時に、1972年以来、欧米は今アメリカとEUにとって脅威と見なされている二国間の和睦を防ぐ機会を持っていたことも指摘されている。

 ロシア・EU間エネルギー協力を含め、欧米の挑発行動という環境で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は中国へのガス供給を増やすことに同意し、特にヨーロッパ・メディアが注目した。特に、ロシアと中国間の新しいパイプラインを建設することについての来る中国-ロシア合意は、ノルド・ストリーム2により欧州連合に送られるよう計画された燃料と等しい量のロシア・ガスを中国に供給する。この合意は、毎年シベリアの力2という大規模新ガス・パイプラインを通して、最高500億立方メートルの天然ガスを輸送し、中国への輸出を倍増する。同時に、ヨーロッパは、ヨーロッパの国々が厳しいエネルギー危機を経験している時に、特にこれが起きているのに気づいている。ブルームバーグは、ヨーロッパは、凍りつくような天気と、少ない燃料備蓄のため、今後二カ月ガスなしで過ごす危険があると書いている。

 同時に、アメリカが液化天然ガスでEUを助けると期待するべきでないことをヨーロッパは明らかに悟っている。ワシントンでは、市場が全てを決定するので、エネルギー資源を誰に売るべきか企業には言えないと言っている。アジアが、いつでも、それに更に多く支払うことができるから、アメリカLNGのタンカーが再び彼らの航路を変えて、ヨーロッパではなく、日本、台湾あるいは韓国にガスを送り始める可能性がある。

 ウラジーミル・オディンツォフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/01/11/russia-and-china-turn-the-tables-on-eu-amid-western-sanctions/

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 デモクラシータイムス

コロナ禍、縮むニッポン 何より危険な「日米地位協定」 WeN20220122

 ドイツ海軍のシェーンバッハ総監、インドでの発言を巡り辞任という記事を見た。何を言ったのか聞いてびっくり。

高まるドイツへの不信感、クリミアは二度と戻ってこないと発言した独海軍トップが辞任

 ロシアのRTでは、この件の記事に、もっともなコメントが多々ついている。

 例えば、「真実は最初の犠牲者。」

 驚いたのは下記。

アメリカ議員の多くが徴兵忌避者なのに戦争を挑発しているのは驚くべき事だ。連中の世界では、戦争は誰か他の連中が、人のいやがる仕事をして、遺体袋で帰国するかも知れない限り、戦争は素晴らしいものなのだ。ジョン・ボルトンは徴兵忌避者で、ディック・チェイニーもそうだった。チェイニーは、自分には他にすべきことがあると言い、ボルトンは自分がベトナムの田んぼで死ぬことは考えられないと言った。

 ボルトンは、調べてみると、召集される前に、メリーランド州兵になっている。
 安倍や高市が参戦する可能性も皆無。

Amazing how many US legislators were Vietnam draft dodgers yet they are all up on war mongering. War in their world is great so long as someone else does the dirty work and maybe comes back in a body bag. John Bolton was one of the draft dodgers, Dick Cheney too. Cheney said he had better things to do. Bolton said he couldn't see himself dying in a rice paddy in Vietnam.

 クリス・ヘッジズ氏の対談番組、アメリカの郵便局が民間企業から狙われている状況が話題。対談相手は、この問題に関する本の著者。

 On Contact: Corporate assault on US Postal Service

 Christopher W. Shaw is the author of ‘First Class: The U.S. Postal Service, Democracy, and the Corporate Threat’.

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