■ J2は残り9節J2は残り9節となったが、残留争いは熾烈を極める。25節から6連敗を喫するなど一時は19位まで転落した新潟だったが、ここ3試合は2勝1分け。残留争いの大一番だった32節のFC岐阜戦(H)で5対0と大勝すると、続く33節の金沢戦(H)は後半の終了間際に高校3年生で18才のMF本間が劇的な決勝ゴールを決めて2対1で勝利。直近の3試合で勝ち点「7」を上積みしたことで、ひとまず、安全圏に突入した。
6位の大宮との差は「18」。プレーオフ出場は絶望的と言えるが、21位の熊本との差は「9」まで広がった。降格圏に位置する熊本や讃岐の戦力ならびに最近の戦いぶりを考えると両チームが一気に勝ち点を積み上げる可能性は極めて低い。一時は「J3降格の危機」が迫ったが、全く結果が出ていなかったデンカビッグスワンスタジアムでの試合で2連勝したことでさすがに「新潟のJ3降格」は考えにくい状況になった。
17位の愛媛FCも同様に残留争いから抜け出すことに成功した。こちらは開幕4連敗。春先から低迷してずっと残留争いの中心だったがここ13試合は6勝2敗5分けと好調。いつの間にか、21位の熊本との差が「12」まで広がった。残りは9試合であることを考えると新潟と同様で安全圏に突入した。シーズン途中に現・秋田の間瀬監督からバトンを受けた川井監督はしっかりとチームを立て直した。高評価に値する。
■ 早々に抜け出すとしたら京都サンガ17位の愛媛FCならびに18位の新潟が残留争いから抜け出した。よって、残留争いは19位のFC岐阜、20位の京都、21位の熊本、22位の讃岐の4チームに絞られた。昨シーズンの秋田のようにJ3で昇格資格を持たないチームが1位 or 2位に入ると「J2からJ3への降格枠」も少なくなるので、J3の上位争いも気になるところではあるが、当然、他力になる。自力でJ2残留を勝ち取るためには20位以内に入らないといけない。
33節を終えた時点で19位のFC岐阜が勝ち点「32」、20位の京都は勝ち点「28」、21位の熊本は勝ち点「27」、22位の讃岐は勝ち点「25」となるが、京都と讃岐はこの時点では1試合消化が少ない。下位3チームが勝ち点「3」の中に入っているが、この中で戦力値が最も高いのは、やはり、京都である。一時は最下位を独走していたが、27節から3連勝を飾るなど調子は上向き。良い流れになりつつある。
今夏の補強が成功したが、FWカイオ、MFジュニーニョ、MF庄司らを加えて戦力は大幅にアップした。一気に残留争いから抜け出せそうな流れになったものの、ここ4試合は0勝1敗3分け。停滞してしまったのは残念だったが、その他の3チームと比べるとチーム状態は良好。下位4チームの中でタレント力は京都が群を抜いている。早い段階でJ2の残留争いから抜け出す可能性があるのは、やはり、京都だろう。
■ 厳しいのはFC岐阜と熊本と讃岐FC岐阜と熊本と讃岐は非常に厳しい。19位のFC岐阜と21位の熊本の差は「5」。なかなか下位の勝ち点が伸びない残留争いにおいて「5差」というのは大きな差といえるが、FC岐阜はクラブワーストの10連敗中。今夏、エースのFW古橋をJ1の神戸に引き抜かれたのは痛すぎた。FW古橋が抜けた後は1つも勝ち点を獲得できていない。カウンターの脅威がほぼなくなったことが相手チームの戦い方を楽にしている。
後半の終了間際に失点をして勝ち点を取りこぼす試合もいくつかあるが、とにかく、悪い流れを食い止めないといけない。もちろん、勝利を手にできれば最高であるが、とにもかくにも、早く大型連敗を止めたい。21位の熊本もここ4試合は0勝3敗1分け。11節以降はわずか2勝。2勝17敗4分けと散々な成績である。FW皆川、FW安柄俊、MF田中達がいるので、コンスタントに点は取れているが、守備が弱点になる。
63失点というのはJ2ワーストになる。一方で41得点というのは下位4チームの中では最多。FC岐阜は37得点、京都は29得点、讃岐は23得点であることを考えると、「それなりに点が取れている。」というのは熊本の強みになるが、「1つ勝つのもやっと」と言える状態である。讃岐もここ7試合は0勝6敗1分けと低調。20節からの6試合は4勝2敗。この時期に一気に勝ち点を積み上げたが、通算では6勝のみ。
32試合で23得点というのはJ2でワーストになる。ここに来て失点数も増えており、先の大分戦(A)は0対5の大敗。監督交代となっても何ら不思議はない成績である。熊本やFC岐阜にも同じことがいえるが、J3降格を回避するための監督交代はあり得るのか?は1つの注目点になる。特異なサッカーをしているFC岐阜は監督交代を実施したらサッカー自体は大きく変わるはず。打開策の1つに挙げられる。
表1. 残り試合の対戦相手について (33節終了時点)
順位 | クラブ名 | 勝ち点 | 得失点差 | 残り試合 | 残り試合の対戦相手 |
計 | Home | Away | 平均順位 | ランク | 1位-6位 | 7位-11位 | 12位-16位 | 17位-22位 |
1 | 松本山雅 | 61 | 15 | 9 | 5 | 4 | 12.33 | 15 | 2 | 2 | 2 | 3 |
2 | 町田ゼルビア | 60 | 16 | 10 | 5 | 5 | 10.90 | 8 | 2 | 5 | 0 | 3 |
3 | 大分トリニータ | 57 | 20 | 9 | 3 | 6 | 9.89 | 4 | 3 | 2 | 3 | 1 |
4 | 東京ヴェルディ | 56 | 13 | 9 | 3 | 6 | 12.22 | 13 | 2 | 2 | 2 | 3 |
5 | 横浜FC | 56 | 12 | 9 | 4 | 5 | 10.89 | 7 | 2 | 2 | 4 | 1 |
6 | 大宮アルディージャ | 54 | 15 | 10 | 4 | 5 | 12.90 | 18 | 1 | 4 | 3 | 2 |
7 | アビスパ福岡 | 54 | 13 | 9 | 4 | 6 | 13.10 | 20 | 2 | 2 | 2 | 3 |
8 | 徳島ヴォルティス | 53 | 15 | 9 | 4 | 5 | 10.44 | 6 | 4 | 0 | 3 | 2 |
9 | ファジアーノ岡山 | 48 | 2 | 9 | 4 | 5 | 11.78 | 12 | 3 | 1 | 2 | 3 |
10 | モンテディオ山形 | 48 | 1 | 9 | 4 | 6 | 9.90 | 5 | 4 | 2 | 2 | 1 |
11 | 水戸ホーリーホック | 47 | 4 | 9 | 6 | 3 | 12.44 | 16 | 3 | 1 | 2 | 3 |
12 | レノファ山口 | 45 | -4 | 10 | 6 | 4 | 11.40 | 11 | 3 | 2 | 2 | 3 |
13 | ジェフ千葉 | 42 | -2 | 9 | 5 | 4 | 13.00 | 19 | 2 | 2 | 1 | 4 |
14 | 栃木SC | 41 | -9 | 9 | 4 | 5 | 11.00 | 10 | 4 | 0 | 3 | 2 |
15 | ツエーゲン金沢 | 40 | -1 | 9 | 6 | 3 | 9.11 | 1 | 3 | 4 | 0 | 2 |
16 | ヴァンフォーレ甲府 | 39 | 6 | 10 | 4 | 5 | 10.90 | 8 | 3 | 3 | 2 | 2 |
17 | 愛媛FC | 39 | -12 | 9 | 5 | 4 | 9.78 | 3 | 4 | 1 | 2 | 2 |
18 | アルビレックス新潟 | 36 | -12 | 9 | 4 | 5 | 13.44 | 22 | 1 | 3 | 2 | 3 |
19 | FC岐阜 | 32 | -15 | 9 | 5 | 4 | 9.11 | 1 | 2 | 4 | 3 | 0 |
20 | 京都サンガ | 28 | -18 | 10 | 6 | 4 | 12.60 | 17 | 3 | 1 | 2 | 4 |
21 | ロアッソ熊本 | 27 | -22 | 9 | 4 | 5 | 13.11 | 21 | 1 | 3 | 1 | 4 |
22 | カマタマーレ讃岐 | 25 | -37 | 10 | 7 | 3 | 12.30 | 14 | 3 | 1 | 3 | 3 |
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