■ J1は7月18日(水)に再開W杯のため、約2か月間、中断していたJ1リーグはいよいよ7月18日(水)に再開する。ロシアW杯で日本代表が快進撃を見せてベスト16進出を果たしたことで久しぶりにサッカー界に追い風が吹いている。ロシアW杯を戦った日の丸戦士はもちろんのこと、超大物助っ人のMFイニエスタとFWフェルナンド・トーレスの加入も起爆剤になるはず。「サッカー人気」や「代表人気」を「Jリーグ人気」につなげないといけない。
16節からの再開となるが最大の注目点の1つは独走態勢に入っている首位の広島がこのまま逃げ切るのか?否か?である。12勝2敗1分けと圧倒的な成績を残しており、すでに勝ち点「37」を稼いでいる。2位のFC東京との差は「9」、3位の川崎Fとの差は「10」、4位のC大阪との差は「11」。逃げ切りに成功して4度目の日本一に輝くのか?否か?15試合で22得点/8失点。失点数の少なさというのは驚異的である。
ただ、優勝争い以上に注目を集めると思われるのが残留争いである。今シーズンからレギュレーションが変更になって16位になったチームはJ2の昇格プレーオフを制したチームと一発勝負の入替戦を戦うことになるが、入替戦圏内となる16位に位置するのはG大阪となる。10位の清水から16位のG大阪の差が「3」のみ。清水・鹿島・湘南・横浜FM・浦和・長崎の6チームも油断の出来ないポジションに位置する。
■ 13試合勝ちなしの名古屋グランパス下の表1は開幕前に募集した順位予想バトル(J1編)の集計結果になる。今年の参加者数は590名だったが、前評判が最も低かったのは長崎で518名(=87.8%)が16位以下に予想した。16位以下と予想した人の人数に着目すると続くのは清水で395名(=66.9%)、3番目は湘南で258名(=43.7%)。開幕前は長崎・清水・湘南の3チームに対する評価が低かったが、3チームとも今の時点では残留圏に位置する。
名門クラブや資金力を持ったクラブの多くが下位に低迷しているのが今シーズンのJ1の最大の特徴と言えるが、開幕2連勝の後、13試合勝ちなしで中断期間に突入した名古屋の前評判は決して低くなかった。2017年のJ1で(名古屋と同じように)昇格プレーオフを制してJ1に復帰したC大阪が3位と快進撃を見せたこともあって名古屋への期待値はかなり高かった。平均予想順位は10.49位。上から10番目だった。
名古屋を16位以下と予想した人は50名(=8.5%)。そう考えると2勝10敗3分けという成績は期待を大きく裏切るものである。残留圏となる15位の長崎との差は「8」。簡単には縮めることは出来ない差がついているが、降格回避に向けてフロントは積極的な動きを見せており、今夏にMFエドゥアルド・ネット(川崎F)とDF中谷(柏)とDF丸山(FC東京)の獲得に成功した。残留に向けてフロントの本気度は伝わってくる。
表1. 2018年の順位予想バトル(J1編)
ランク | クラブ名 | 平均予想順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | 11位 | 12位 | 13位 | 14位 | 15位 | 16位 | 17位 | 18位 |
1 | 鹿島 | 2.58 | 199 | 132 | 121 | 76 | 28 | 15 | 6 | 6 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
2 | 川崎F | 2.75 | 166 | 159 | 94 | 85 | 51 | 20 | 7 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
3 | C大阪 | 3.95 | 89 | 119 | 73 | 102 | 82 | 48 | 30 | 16 | 11 | 5 | 4 | 2 | 6 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 |
4 | 浦和 | 4.44 | 47 | 94 | 105 | 84 | 97 | 55 | 38 | 31 | 20 | 8 | 4 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
5 | 柏 | 5.52 | 33 | 36 | 57 | 83 | 101 | 109 | 60 | 40 | 28 | 17 | 10 | 5 | 5 | 2 | 3 | 0 | 1 | 0 |
6 | 磐田 | 5.96 | 19 | 27 | 75 | 72 | 82 | 104 | 75 | 48 | 21 | 21 | 16 | 11 | 4 | 6 | 4 | 0 | 4 | 1 |
7 | G大阪 | 9.56 | 8 | 6 | 13 | 12 | 35 | 42 | 53 | 69 | 73 | 55 | 48 | 44 | 42 | 30 | 17 | 31 | 10 | 2 |
8 | 横浜FM | 9.63 | 4 | 6 | 13 | 12 | 32 | 42 | 78 | 62 | 51 | 62 | 61 | 31 | 34 | 30 | 26 | 34 | 12 | 0 |
9 | 鳥栖 | 10.37 | 0 | 2 | 8 | 16 | 14 | 37 | 45 | 47 | 74 | 60 | 59 | 64 | 53 | 43 | 38 | 14 | 13 | 3 |
10 | 名古屋 | 10.49 | 7 | 2 | 5 | 12 | 19 | 34 | 44 | 53 | 51 | 60 | 75 | 49 | 48 | 51 | 30 | 32 | 13 | 5 |
11 | 神戸 | 10.57 | 4 | 3 | 7 | 10 | 14 | 20 | 41 | 52 | 55 | 73 | 77 | 83 | 53 | 29 | 21 | 28 | 13 | 7 |
12 | FC東京 | 11.04 | 3 | 2 | 8 | 14 | 11 | 17 | 31 | 61 | 52 | 64 | 53 | 56 | 63 | 51 | 39 | 31 | 25 | 9 |
13 | 札幌 | 11.81 | 2 | 0 | 2 | 5 | 5 | 18 | 24 | 28 | 67 | 55 | 43 | 78 | 71 | 72 | 39 | 50 | 23 | 8 |
14 | 広島 | 11.95 | 6 | 1 | 6 | 5 | 9 | 13 | 26 | 35 | 37 | 36 | 60 | 64 | 72 | 73 | 53 | 59 | 30 | 5 |
15 | 仙台 | 12.74 | 2 | 1 | 3 | 1 | 8 | 9 | 20 | 32 | 30 | 38 | 49 | 49 | 59 | 74 | 84 | 72 | 45 | 14 |
16 | 湘南 | 14.68 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4 | 6 | 6 | 7 | 21 | 21 | 28 | 49 | 62 | 126 | 113 | 116 | 29 |
17 | 清水 | 15.70 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 5 | 1 | 4 | 10 | 8 | 20 | 21 | 50 | 71 | 104 | 210 | 81 |
18 | 長崎 | 17.28 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4 | 4 | 1 | 3 | 6 | 14 | 38 | 20 | 73 | 425 |
■ FWフェルナンド・トーレスを獲得したサガン鳥栖17位の鳥栖も開幕前の評価はまずまず高かった。平均予想順位は10.37位。16位以下に予想した人は30名(=5.1%)のみ。10位前後に予想した人が多かったことを考えるとまさかの低迷と言える。6節から8連敗を喫するなど大いに苦しんだが、ラスト3試合は1勝2分け。やや上り調子で中断期間に突入した。15試合で14得点のみということで得点力不足がチームの足を大きく引っ張ったのは明らかである。
大黒柱のFWイバルボのコンディションが整わなくて7試合の出場にとどまったのは誤算だったが得点力アップを目指して元スペイン代表のFWフェルナンド・トーレスの獲得に成功した。スペイン代表として110試合で38ゴール。豪華な中盤からいいパスがどんどん出てくる環境だったことを考えると「意外と得点数は少ない。」と言えるが、世界的なストライカーだった選手がJリーグでどこまでやれるか?は興味深い。
鳥栖はKリーグの蔚山現代でプレーしていた元エースのFW豊田の復帰も確定した。外国人枠の問題を抱えているのでFWイバルボの去就ははっきりしないが、FWフェルナンド・トーレス、FW豊田、FW田川、FWチョ・ドンゴン、MF小野裕、MF原川と攻撃陣のタレントは豊富である。最近の鳥栖は「4-3-2-1」や「4-3-1-2」を採用するケースが多くなっているがどういうスタメンになるのか?の予想はしにくい。
ライバルクラブのC大阪の看板選手であるFW柿谷の引き抜きを画策したもののまたしても失敗に終わった16位のG大阪は現時点では出場機会に恵まれずにJ3のG大阪U-23でプレーする機会もあったMF矢島慎(→仙台)とMF泉澤(→東京V)の2人を期限付き移籍で他クラブに貸し出したのみ。inのニュースは全く聞こえてこないが入替戦圏内なのでこのままの顔触れで後半戦を迎えることはさすがに考えにくい。
G大阪は今夏も補強の部分で出遅れているが、17位の鳥栖と18位の名古屋が積極的な動きを見せて戦力アップを図ったことで残留争いはさらに面白くなってきた。どちらも「金満クラブ」と揶揄されるほどお金を持ったクラブであるが、なりふり構わずに選手補強に動いたことで(現時点では残留圏に位置するが)残留争いに巻き込まれている清水・鹿島・湘南・横浜FM・浦和・長崎などは危機感を増しているはずである。
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (上) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
・2018/07/13 【J1】 残留争いの展望 (下) ~降格候補の筆頭はどこになるのか?~
★ 現在の投票数 → 153票
→ 必ず2チーム or 3チームを選択してから投票を行ってください。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2018/06/14 【ロシアW杯】 サッカー中継に登場する解説者(27名)を勝手に評価する。 (前編)
2018/06/15 【ロシアW杯】 サッカー中継に登場する解説者(27名)を勝手に評価する。 (後編)
2018/07/02 【J1】 2018年の夏の移籍市場の勝ち組はどこだろうか? (前編)
2018/07/04 【J1】 2018年の夏の移籍市場の勝ち組はどこだろうか? (後編)
2018/07/11 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その1)
2018/07/12 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その2)
2018/07/12 【J1・J2・J3】 12段階のプレーヤー別の戦力補強の評価 (2018年・夏の移籍市場) (その3)
2018/07/13 J3+(アンテナ)・・・注目サイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-