■ 2月10日(土)にゼロックス新シーズンの幕開けを告げるゼロックス・スーパーカップは例年であればJ1の開幕節の1週間前の土曜日に行われるが今シーズンはW杯イヤーで過密日程になることが考慮されて2週間前の開催になった。新年1発目の公式戦の時期が早まると始動も早めなければいけないのでオフ期間が短くなる。特に天皇杯の決勝まで勝ち進んだC大阪はオフ期間が短くて大変だと思うがJ1で上位争いをするチームの宿命と言える。
2月10日(土)に行われるゼロックス・スーパーカップの川崎F vs C大阪でJリーグの2018年シーズンが幕を開けることになるが昨シーズンのJ1で最後まで優勝を争った川崎Fと鹿島の「2強」が優勝争いの中心になるのは間違いない。どちらも上位の常連で戦力的にも整っている。主力の流出はどちらも無かったが川崎FはFW大久保(FC東京)やMF齋藤学(横浜FM)、鹿島はDF内田篤(ベルリン)らを獲得。戦力アップに成功した。
鹿島も大崩れすることは考えにくいが本命は川崎Fだろう。MF齋藤学はケガで離脱中なので「復帰できるのは早くても4月に入ってから」と言われているがMF中村憲とFW小林悠の2枚看板だけでなくMF家長、MF阿部浩、FW赤崎(G大阪)、MF長谷川竜也などタレントが揃っている。DF谷口彰を中心とする守備陣もJ1有数の堅さを誇るが何と言っても魅力は攻撃陣である。J1最高の攻撃力を持っているのは言うまでもない。
■ 劇薬と言えるFW大久保だが・・・。タイトルに届きそうで届かない時期が10年近く続いた中、ようやく掴んだ初タイトルは川崎Fというクラブが発展していくための大きなエネルギーになるだろう。「1つ目のタイトルを獲得するまでは苦労するが2つ目は意外とすんなりと獲得できる。」というケースは多い。昨シーズンのC大阪がその典型例に挙げられるが初タイトルを手にして自信を掴んだ川崎Fが立て続けに何かしらのタイトルを獲得する可能性は高い。
不安要素を挙げると過密日程ならびにFW大久保の復帰の2点になる。過密日程に関しては、端からACLを捨ててしまうか、GLの序盤戦で全く勝ち点が取れなくてGLの終盤戦が消化試合にでもならない限り、避けるのは難しいが、この点は鹿島やC大阪や柏も同じである。DF闘莉王(京都)と並んでJリーガーの中では屈指の劇薬であるFW大久保が加入してうまくいっていたバランスが崩れる危険性はゼロではない。
最終節で川崎Fに逆転を許してまさかの無冠に終わった鹿島は雪辱を期すシーズンになる。4冠が期待されながらの無冠だったので例年以上に選手やサポーターのタイトル奪取への思いは高まっているがオフの補強はDF内田篤(ウニオン・ベルリン)、DF犬飼(清水)、DF安西(東京V)と最終ラインの選手が中心になった。攻撃的なポジションはFW山口一(阪南大)が加入した程度なので顔ぶれはほとんど変わらない。
■ 危うい立場からのスタートになる大岩監督カギを握るのは大岩監督になる。昨シーズンは難しい状況でバトンを受けてチームを立て直したが臨機応変なメンバー起用はできなかった。就任直後の試合で結果を残した選手を信じて彼らを最後まで中心に据えて戦った結果、出番に恵まれない実力者がたくさん出てしまった。ケガ等で自らチャンスを逃した選手もいるので大岩監督だけの責任ではないが膠着した選手起用が逃げ切れなかった一因と言える。
一時はセーフティーリードを保ちながら大逆転でリーグ制覇を逃したというのは名門クラブにとっては屈辱的な出来事だった。V逸によって大岩監督に対する評価は急落しており、2017年は2位と好成績を残したものの非常に不安定な立ち位置である。2017年はACLの決勝トーナメントで敗退した直後に石井監督が解任されているがリーグ戦の序盤やACLのGLで苦戦するようだと早期の監督交代もあり得る状況である。
2強を追うのはC大阪・柏・浦和・磐田あたりか。ルヴァン杯と天皇杯の2冠を達成したC大阪も主力の流出が全くなかった。その上でFWヤン・ドンヒョン(浦項)やMF田中亜(HJK)やMF片山瑛(岡山)などを獲得。各ポジションにタレントを揃えているので川崎Fや鹿島に引けを取らない豪華メンバーと言える。2017年のKリーグで19ゴールを記録したFWヤン・ドンヒョンがどこまでやれるのか?は大きな注目点になる。
27歳前後の脂の乗り切った年代の選手が多いのが今シーズンのC大阪の特徴といえる。初のリーグ制覇の大きなチャンスを迎えているが同世代の選手が多いので、今後、世代交代を上手く進めるのは難しくなる。FW柿谷やMF山口蛍やMF水沼やDF丸橋などが揃って30才を超える数年先というのはC大阪にとっては非常に難しい時期になる。つまり、初のリーグ制覇にチャレンジできるチャンスはそこまで多くない。
■ アンストッパブルな活躍を見せるMF伊東純ACLのプレーオフで勝利して無事に本大会出場を決めた柏はちばぎんカップでもアウェイで千葉を相手に4対1と大勝。ここまでの2試合でMF伊東純は2ゴール5アシスト。アンストッパブルな活躍を続けている。MF山崎亮(新潟)はまだ良さを出せていないがMF江坂(大宮)、MF瀬川祐(大宮)、MF小泉慶(新潟)、DF亀川(福岡)などは早くもチームに馴染んでいる。MF武富(→浦和)などが抜けたが大きな穴にはなっていない。
中・中・中 トリオなどレギュラークラスは20代前半の選手が多いのでチームとしての伸びしろも大きい。柏も2011年以来となるリーグ制覇のチャンスのシーズンと言えるが不安視されるのはACLのプレーオフの影響である。2015年の柏は10位、2016年のFC東京は9位、2017年のG大阪は10位。前年のリーグ戦で4位になってACLのプレーオフの出場権を獲得したチームは軒並み苦戦を強いられている。
特に今年は1月30日(火)にACLのプレーオフが行われたので例年以上に早い段階で仕上げる必要があった。ムアントンUとの対戦になったが「侮れないチーム」と言われていたのでFC東京やG大阪以上にしっかりとした準備を行ってプレーオフを戦ったと推測できる。シーズンを乗り切るための体力を付ける大事な準備期間に絶対に負けられない公式戦を戦わざる得なかったのは大きなハンディとなるが戦力は充実している。
2018/02/08 【J1】 2018年シーズンの開幕直前の大展望 (優勝争い編)
2018/02/08 【J1】 2018年シーズンの開幕直前の大展望 (上位争い編)
・【J1】 「優勝候補」だと思うチームはどこですか? → 135票
・【J1】 「上位候補」だと思うチームはどこですか? → 30票
・【J1】 「躍進候補」だと思うチームはどこですか? → 32票
・【J1】 「降格候補」だと思うチームはどこですか? → 39票
★ 現在の投票数 → 135票
→ 最大で10人まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
拍手が多かったエントリー (2005年-2017年)
第01位 2009/02/19 サッカーを観る上で気をつけたい8箇条 → 433拍手
第02位 2007/12/16 オシムジャパンを殺したのはセルジオ越後か? → 360拍手
第03位 2008/06/01 松本育夫(サガン鳥栖GM)のサッカー人生 → 271拍手
第04位 2008/05/02 みんなKAZUが好きだった。 → 255拍手
第05位 2008/08/14 凹んだときにはオシム語録 → 250拍手
第06位 2010/06/30 日本代表のスタッフと27人の選手をたたえよう。 → 244拍手
第07位 2010/06/03 日本サッカーの偏差値を下げてしまっている人 → 219拍手
第08位 2013/01/31 【読エ】 鳥栖サポーターにとっての豊田陽平とは? → 216拍手
第09位 2013/01/04 【読エ】 サンフレッチェ広島 J1リーグ優勝について想う → 210拍手
第10位 2010/02/12 杉山サンが酷過ぎる → 200拍手
第11位 2011/03/10 【シャルケ×フランクフルト】 内田篤人のメッセージ → 200拍手
第12位 2008/05/04 カリスマ:山本浩アナの名フレーズを堪能する。 → 194拍手
第13位 2008/01/14 金子達仁さんのレッズサポ批判 → 176拍手
第14位 2010/05/16 【C大阪×神戸】 シンジ 旅立ちの日 (生観戦記 #4) → 171拍手
第15位 2008/10/30 もし、小倉隆史の大怪我がなかったならば・・・。 → 169拍手
第16位 2008/05/30 中田英寿のいない日本代表チーム → 162拍手
第17位 2014/02/25 ゼロックスでの広島批判に感じた強烈な違和感 → 154拍手
第18位 2013/03/07 【読エ】 香川真司と柿谷曜一朗 → 147拍手
第19位 2008/08/13 ラモス瑠偉と日の丸への思い → 129拍手
第20位 2011/02/02 はじめてのサッカースタジアム → 122拍手
第00位 2016/09/01 J3+(アンテナ) ・・・ 人気のあるサッカーサイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-