浦和レッズ → 巨大戦力になりつつあるが・・・。→ 圧倒的に有利な立場でCSの決勝戦の2戦目を迎えながらまさかの逆転負けで年間優勝を逃した浦和はペトロヴィッチ監督の続投がすでに決定している。来シーズンが就任6年目となるが今度はリーグタイトル獲得が至上命題となる。今シーズンは年間最多勝ち点に加えてルヴァンカップも制覇した。秋以降の戦いぶりは安定していたが最後の最後で躓いたことで後味の悪いシーズンになってしまった。
ここ数年の浦和はピンポイント補強で効果的に戦力補強を行ってきた印象があるが、今オフはなりふり構わぬ補強を見せている。すでにFWラファエル・シルバ(新潟)とFWオナイウ阿道(千葉)の獲得が決定。FW興梠やMF武藤雄やMF高木俊やMF李忠成が他クラブに移籍することは考えにくいが、その上、FWズラタンも残留濃厚と見られている。「1トップ+2シャドー」は質も量もJ1最高レベルになることは間違いない。
その他ではDF田村友(福岡)の期限付き移籍が決定。MF菊池大(湘南)とGK榎本哲(横浜FM)も加入濃厚と報じられており、期限付き移籍中だったMF矢島慎(岡山)とMF長澤(千葉)の復帰は確定。同じく期限付き移籍のDF岡本拓(湘南)もチームに復帰する可能性がある。MF石原直(→仙台?)、GK大谷(→新潟)、DF加賀(→山形)、DF永田充(→東京V)が抜けることになるが単純な戦力収支は大幅なプラスと言える。
独力で決定機を作ってゴールを射止めることができる選手はいなかったのでFWラファエル・シルバ(新潟)の獲得は効果的と言える。突出したスピードはACLの舞台でも威力を発揮するだろう。彼の獲得が浦和にとっては一番大きいと思うが、その一方でFWオナイウ阿道(千葉)やDF田村友(福岡)やMF長澤(千葉)やMF菊池大(湘南)あたりは「ベンチ入りできるかどうかさえ微妙」と言える立ち位置になる可能性が高い。
当然、人間のやるスポーツなので「選手層は厚ければ厚いほどいい。」とは言い切れない。正当な競争が行われた上でベンチから外れてしまったら選手としては受け入れるしかないが、特に他クラブで中心的な存在として活躍してきた選手にとって「ベンチ外」という事実は簡単には受け入れることが出来ない。ACLを考えるとある程度以上の選手層の厚みが必要なのは確かであるが現時点では過剰ではないか?と思う。
大宮アルディージャ → 大黒柱が流出となると大ダメージ。→ 大宮は昇格1年目ながら5位と大躍進した。J1においては過去最高順位が12位だったことを考えるとクラブ記録を大きく塗り替える「クラブ史上最高の1年」になった。すでに渋谷監督の続投は決まっているが、大黒柱のMF家長の動向が最も気になるポイントである。G大阪やC大阪なども獲得に乗り出していたが最新の情報では「川崎Fへの移籍が濃厚」と報じられており、移籍を選択する可能性が高まっている。
今シーズンは26試合で11ゴール5アシスト。怪我で離脱した時期もあったが十分すぎるほどの成績を残した。大事なところでゴールを奪ってチームに勝ち点をもたらすことが多かったが、ゴール数やアシスト数と同じくらい評価できるのは絶対的なキープ力である。ほとんどボールを失わないので味方選手は安定してボールを預けることが出来る。大宮にとってMF家長の類稀なキープ力は生命線になっている。
周りの選手は彼がいることで良さを引き出されていた部分もある。仮に流出となると単に11ゴール5アシストの選手が抜けた以上のダメージである。また、MF泉澤に関してはG大阪や横浜FMが獲得に乗り出している。元韓国代表のMF李相湖の加入が濃厚と言われているが「スピードが武器のサイドアタッカー」と報じられている。MF泉澤の引き留めが難しくなったのでその後釜としてフロントが動いている可能性もある。
一方、J2で42試合に出場して13ゴール11アシストのFW瀬川祐(群馬)の加入が決定した。身体的な能力が高くてダイナミックなプレーと左右両足のシュートが特徴であるMF江坂に対してFW瀬川祐はより繊細なタイプの選手である。どんなスタイルでもある程度は対応できそうなMF江坂に対してFW瀬川祐はバイタルエリアでボールを受けてから仕事をするタイプ。合うチームと合わないチームにくっきりと分かれるだろう。
大宮についてはバイタルエリアを攻略するのはまずまず上手なクラブなのでFW瀬川祐の選択は的確だったのではないか?と考えられる。仮にMF家長やMF泉澤が抜けるようだといきなり大きな期待を背負ってプレーすることになる。また、MF茨田(柏)の加入が決定的と言われている。柏では右SBで起用されたが本来は司令塔タイプのボランチである。頭角を現している21歳のMF大山啓のいいお手本になるだろう。
柏レイソル → 相乗効果が生まれるのか?持ち味を殺し合うのか?→ 早々にDF小池龍(山口)の加入が決定した。今シーズンのJ2の右SBの中で最も目立った選手である。右SBが補強ポイントだった柏にとっては弱点を補う効果的な補強になった。コンビネーションを重視する山口で力を伸ばしてきたがビルドアップでの貢献度が非常に高いので柏のサッカーに合った選手と言える。しかも、走力もある選手なので大きな補強と言える。期待通りに右SBのレギュラーを獲得できるか。
さらにはFWハモン・ロペス(仙台)の加入も決定的と言われている。左足の強烈なシュートが最大の武器でここ最近は空中戦も武器になりつつある。今シーズンは32試合で10ゴールを挙げているがそのうちの6ゴールがヘディングでのゴールだった。能力の高い選手であるが一方でパワーとスピードとシュート力が持ち味なので「FWクリスティアーノとプレースタイルが重なるのではないか?」というのは心配の種である。
もちろん、右利きと左利きの違いはある。さらにはFWハモン・ロペスの方が繊細なプレーも出来る。柔らかいパスを出すことが出来るのでうまく融合して相乗効果が生まれる可能性もあるが、その反対で持ち味を殺し合うことも十分に考えられる。こういうタイプの選手はチームに1人いると非常に心強いが、2人になるとチームメイトが抱えるストレスは大きくなる。共存できるのか?否か?は始まってみないと分からない。
守備的なポジションはGK中村航とDF中谷とDF中山雄の3人がレギュラーを確保。これからしばらくの間、この3人が守備の中心となって柏を支えていくことになると思うが、ベテランのDF増嶋が仙台に期限付き移籍することが確定したのでCBがかなり手薄になっている。10月のU-19アジア選手権でDF中山雄が不在だったときはベテランのDF鎌田をスタメンで起用したがあまりいいプレーは出来ず。穴になっていた。
もちろん、ある程度のレベルのCBを獲得できる見込みになったのでDF増嶋の期限付き移籍にOKを出したのだと推測するが、DF中山雄は東京五輪代表チームの主力中の主力なのでこれからも定期的にリーグ戦を抜けることになる。3人目のCBは柏にとっては大事なポジションである。その他ではDF山中(→横浜FM)が抜ける左SBも補強が必要と言えるがここに来て新戦力獲得のニュースがあまり聞こえてこなくなった。
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