■ カメルーン戦に向けてカメルーン戦に、新たに6人の選手が追加招集された。いずれの選手も、再開後のJ1リーグでゴールをマークしており、最終アピールに成功した選手といえるかもしれない。
アジアカップ組の佐藤寿人については、巻や矢野、播戸らが落選した中で、FWとしては、ただ1人の連続選出となった。現在のJリーグの中で、「絶好調」というわけではないが、これまでの実績も尊重した結果であり、国内組のFWの中では、オシム監督が、最大級の評価をしているということをうかがわせる。
山瀬に関しては、MFながら10得点を挙げており、J1の中では、トップクラスのパフォーマンスを続けている。もともと、オシム体制の初戦となった、トリニダード・トバゴ戦で先発出場を果たした選手であり、オシム監督の期待は高かったと思われるので、J1でゴールを量産し、その当時とは比べ物にならないくらいの切れ味を見せる現在、どれほどのプレーを見せるのか、そのプレーに注目が集まる。
春先から、ずっと、高レベルのプレーを続けていた山瀬だったが、なかなか代表に招集されず、周囲をやきもきさせていたが、今の山瀬の活躍ぶりをオシム監督が見逃すはずもなく、アジアカップが終わり、一区切りがついた段階で、満を持しての代表復帰となった。ただ、攻撃的MFというポジションは争いが熾烈であり、練習の段階から、まったく気が抜けないだろう。
■ 熾烈なポジション争いが続くフォワード高松に関しては、試合の行われる九石ドームがトリニータの地元であることも、多少は考慮されたのではないだろうか。前半戦は怪我が多く、不本意なプレーが続いたが、後半戦のプレーを見る限りコンディションが上がっており、代表に復帰しても何ら不思議は無い状態である。
前田については、その潜在能力の高さを、オシム監督が以前の記者会見のときに絶賛しており、アジアカップメンバーから漏れたものの、アジアカップ後にチャンスが訪れることは間違いの無い状況であったため、順当な選考となった。
田中達也は、もともと、オシム監督の就任当初は、エース待遇でスタメン起用されていた選手であり、コンディションが上がれば、代表復帰は間違いない状況であったので、こちらも、順当であるといえる。
オシム監督就任後は初召集となった大久保は、J1で結果を残しており、ようやく、テストの場が与えられた。中盤での起用も考えられるが、持ち味を発揮できれば、面白い存在になりそうだ。
今回選出された選手は、J1での実績も十分であり、至極、順当な選考となった。一方、アジアカップに参加しながら、今回、メンバー落ちした選手もいるが、彼らは、完全に選考外になったわけではないだろう。むしろ、実力は十分に理解しているので、今回は、別の選手にチャンスを与えただけと考えるのが自然であり、依然として、アドバンテージをもつと考えられる。
以下で、今回、代表に召集されなかったものの、今後、代表入りが期待できる選手を挙げてみる。
▽ 河合竜二(MF:横浜Fマリノス)横浜FMの躍進を支える、ボランチ。CBが本職であるが、高い守備能力と正確なつなぎで、アンカー役を見事にこなしている。183cmと高さもあり、アンカーとしては、現在のJリーグでは、№1の選手ではないだろうか。
29歳ながら、新しいポジションで日々、進化し続けており、これからのノビシロも期待できる選手である。
▽ 平本一樹(FW:横浜FC)東京ヴェルディからレンタルでシーズン途中に、横浜FCに加入。1トップあるいは、2トップで、なかなか周囲のサポートが得られない状況にもかかわらず、3得点をマークしている。
フォワードに打開力を求めるならば、荒削りな部分は残るが、平本が候補に入ってもおかしくない。そのスピードと迫力ある突破は、国際舞台でも通用する可能性を秘めるだろう。
▽ 佐藤勇人(MF:ジェフ千葉)ボランチの位置からの、機を見た攻め上がりの巧みさは、現在の日本人MFの中では随一。もちろん、攻撃だけではなく、守備能力も十分に備わっている。
オシム監督が、ジェフ千葉の選手を代表で優遇する理由は、ジェフ千葉の選手が、一番、自分の意図するところを理解しているからである。したがって、要となるボランチのポジションで、佐藤勇人を起用してもまったくおかしくないだろう。
▽ 田中隼磨(DF:横浜Fマリノス)横浜ダービーを観戦したオシム監督が、そのプレーを賞賛したと報道された田中隼磨も、今回は、選考から漏れたものの、当然、候補の1人だろう。
オシム監督が、サイドバックに何を求めるのか、まだ、はっきりしない部分もあるが、オールラウンドな能力を求めるのならば、その存在が、もっとクローズアップされてもいいだろう。
▽ 成岡翔(MF:ジュビロ磐田)今シーズン、6得点。シャドーストラーカーとしての能力は、ピカイチ。献身的なプレーも厭わず、「背番号10」に恥じないプレーを続けている。
若年層のころから期待されてきた選手で、国際経験も豊富。まだ、23歳と将来性も十分で、近いうちに、代表でテストされる可能性もあるだろう。
▽ 藤田祥史(FW:サガン鳥栖)ジーコ前監督は、就任当初、「J2所属の選手は選考外である。」と公言していたが、オシム監督は、どう考えているのだろうか。まだ、2年目の24歳のストライカーは、J2で、フッキ(東京V)、パウリーニョ(京都)、アレックス(福岡)に次ぐ、得点ランク4位の17ゴールをマークしている。
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