■ 片道のアクセス時間が最長となるのは鹿島アントラーズJリーグの観戦者報告書の中から「スタジアムへのアクセス時間(片道)」に注目してみた。ホームチーム応援者が対象でアウェイサポーターは除外されるが、1位になったのは鹿島で103.3分だった。2位は清水で65.6分なので断トツの1位である。2015年の調査結果を見ると鹿島は県内在住者の割合はリーグで1番下となる51.8%。東京都を中心に幅広い地域にサポーターが散らばっていることが理由の1つと言える。
2位は清水で65.6分、3位は磐田で64.6分となる。IAIスタジアム日本平は山を登ったところにスタジアムがあるのでそれだけでもかなりの時間がかかるが旧の静岡市から来場する人が多い点が理由の1つと言える。同様のことは浜松市からの来場者が多い磐田にも言える。4位はG大阪。2015年の数字では大阪府の人は64.7%。大阪府の東寄りで活動しているので京都府内にも多くのサポーターがいると考えられる。
5位は広島で62.5分。新スタジアムの問題で揺れているがエディオンスタジアムは「アクセスの良くないスタジアム」として知られている。広島県以外のサポーターは15.1%なので遠方から来ているサポーターもたくさんいると思うが、アクセスの悪さはクラブとして発展していく上で大きな障害になっているのは確かである。例えば広島市の中心部に専用スタジアムができると観客動員数が激増する可能性はある。
6位は名古屋で61.5分だった。名古屋はパロマ瑞穂スタジアムと豊田スタジアムの両方をホームスタジアムとして利用しており、今シーズンはパロマ瑞穂スタジアムで8試合、豊田スタジアムで9試合のリーグ戦を戦うことになる。パロマ瑞穂スタジアムへのアクセスはそれほど悪くないが豊田スタジアムは名古屋市からはかなり遠い。同様に出来ることならば名古屋市内に専用スタジアムを持ちたいところである。
7位は札幌で59.7分、8位は横浜FMで58.8分、9位は浦和で58.2分、10位は東京Vで58.0分となる。札幌は今シーズンから北海道全域をホームタウンとして活動を行っているが2015年の数字では79.4%が札幌市内に住むサポーターで、道内に住むサポーターが100%だった。北海道のJリーグのクラブは1つだけ。全域からサポーターが集まってくるのが理想と言えるが、都市と都市の距離が遠いのでなかなか難しい。
10位の東京Vは東京都以外に住む人が31.8%と高確率になっている。もともとは川崎市で活動していたクラブなので「ヴェルディ川崎の時代から応援している。」という人は少なくないはず。上位の顔ぶれを見ると大都市で活動するクラブが多い。60分を超えたので鹿島・清水・磐田・G大阪・広島・名古屋の6チーム。片道1時間を超えると「ちょっと遠いなあ・・・。」と感じるのが普通。理解できる数字になっている。
表1. スタジアムまでの片道のアクセス時間 (1位-10位まで)
【Jリーグ】 スタジアムへのアクセス時間(片道) |
順位 | クラブ名 | 平均(分) | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
1 | 鹿島 | 103.3 | 102.8 | 87.7 | 89.8 | 109.3 | 95.2 | 111.7 | 117.8 | 98.9 | 118.7 | 100.0 | 104.1 | 103.4 |
2 | 清水 | 65.6 | 60.5 | 64.3 | 69.2 | 68.1 | 64.7 | 61.2 | 69.1 | 65.1 | 66.5 | 65.4 | 65.0 | 68.6 |
3 | 磐田 | 64.6 | 63.3 | 61.7 | 61.3 | 58.9 | 60.4 | 80.8 | 70.3 | 71.7 | 67.6 | 59.8 | 58.1 | 60.8 |
4 | G大阪 | 62.8 | 74.0 | 63.3 | 63.6 | 54.2 | 66.5 | 57.7 | 62.8 | 63.0 | 63.7 | 61.3 | 62.0 | 61.9 |
5 | 広島 | 62.5 | 55.0 | 50.1 | 63.9 | 67.0 | 53.2 | 65.2 | 60.8 | 63.2 | 62.8 | 71.9 | 70.4 | 66.7 |
6 | 名古屋 | 61.5 | 60.4 | 50.5 | 50.3 | 60.7 | 60.3 | 60.2 | 68.6 | 66.4 | 67.4 | 70.8 | 62.8 | 59.4 |
7 | 札幌 | 59.7 | 69.3 | 77.7 | 55.2 | 57.3 | 59.6 | 63.4 | 56.9 | 55.2 | 62.0 | 59.5 | 51.3 | 49.2 |
8 | 横浜FM | 58.8 | 63.4 | 57.7 | 59.0 | 60.7 | 64.2 | 56.0 | 64.5 | 57.0 | 53.0 | 56.7 | 60.2 | 53.1 |
9 | 浦和 | 58.2 | 58.8 | 57.1 | 54.7 | 58.8 | 57.9 | 60.7 | 55.5 | 57.5 | 61.1 | 59.1 | 61.4 | 55.9 |
10 | 東京V | 58.0 | 55.2 | 54.9 | 57.9 | 57.8 | 61.5 | 53.8 | 54.7 | 57.4 | 57.9 | 61.7 | 60.5 | 62.3 |
■ 50分を超えているのは全部で14クラブ11位は神戸で54.8分、12位は横浜FCで52.2分、13位は千葉で52.1分となる。相変わらず、大都市で活動するクラブが多い。千葉は2005年10月にフクダ電子アリーナがこけら落としになったが2004年は57.4分、2005年は55.1分だった。千葉市へのホーム移転によってアクセス面が大きく改善されたのは間違いないが数字だけを見ると劇的に短縮されているわけではない。(※ 観客動員数は劇的にアップしている。)
14位はFC東京で51.6分となる。ここまでの14クラブが50分オーバーとなる。15位は愛媛FC、16位はC大阪、17位は福岡、18位は山形と続いていく。C大阪は大阪府の南にあるクラブで和歌山県境と近い。大阪府のサポーターは78.0%なので府外のサポーターも多い。現時点で和歌山県内にはJリーグのクラブがないので「和歌山県のサッカーファンがJリーグを見に行きたい。」となったときはC大阪が第1候補になる。
19位は鳥栖、20位は京都となる。鳥栖のベストアメニティスタジアムは鳥栖駅の目の前にスタジアムがあるので「アクセス面では日本屈指」と言われているが、内訳をみると佐賀市に住む人が22.7%で、鳥栖市に住む人が14.9%。さらに36.4%が県外のサポーターになるので佐賀県以外に住む人が意外と多い。福岡市から遠くないので福岡県内に住む鳥栖サポーターはかなり多いのではないか?と予想される。
当然、移動時間に関しては「短ければ短い方がいい。」と言えるのは間違いないが、一方で、お金や時間や労力をかけてでも足を運んでくれるサポーターも大事である。クラブや選手に魅力があればあるほど遠方からやって来るサポーターは多くなるので平均のアクセス時間を計算すると長くなる。鹿島・G大阪・広島・横浜FM・浦和などのアクセス時間が長くなっているのはそういう部分も大いに関係しているだろう。
表2. スタジアムまでの片道のアクセス時間 (11位-20位まで)
【Jリーグ】 スタジアムへのアクセス時間(片道) |
順位 | クラブ名 | 平均(分) | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
11 | 神戸 | 54.8 | 61.7 | 56.3 | 62.3 | 54.9 | 55.6 | 55.0 | 56.3 | 53.9 | 49.9 | 52.2 | 49.2 | 50.2 |
12 | 横浜FC | 52.2 | 50.5 | 57.1 | 53.9 | 52.2 | 52.1 | 53.1 | 52.1 | 53.2 | 53.0 | 49.1 | 52.8 | 47.7 |
13 | 千葉 | 52.1 | 57.4 | 55.1 | 54.7 | 55.2 | 49.2 | 52.8 | 52.8 | 52.4 | 51.5 | 45.5 | 50.0 | 48.3 |
14 | FC東京 | 51.6 | 53.0 | 55.0 | 51.5 | 50.8 | 50.8 | 51.3 | 50.7 | 49.9 | 50.5 | 51.2 | 52.0 | 52.0 |
15 | 愛媛FC | 49.7 | - | - | 74.7 | 48.9 | 48.6 | 46.7 | 51.5 | 50.6 | 39.7 | 51.9 | 38.8 | 45.3 |
16 | C大阪 | 49.3 | 50.2 | 50.7 | 52.6 | 48.9 | 41.8 | 44.2 | 46.8 | 42.0 | 51.2 | 55.0 | 59.6 | 48.5 |
17 | 福岡 | 49.3 | 48.3 | 52.1 | 50.1 | 46.8 | 58.7 | 50.4 | 47.5 | 46.5 | 50.4 | 46.7 | 48.0 | 45.9 |
18 | 山形 | 48.6 | 47.1 | 53.0 | 45.5 | 50.1 | 52.6 | 51.2 | 48.0 | 48.9 | 48.5 | 50.7 | 45.6 | 42.2 |
19 | 鳥栖 | 48.4 | 61.7 | 41.0 | 46.6 | 48.8 | 46.0 | 49.4 | 42.9 | 43.6 | 52.5 | 49.3 | 49.7 | 48.8 |
20 | 京都 | 48.0 | 56.2 | 49.5 | 46.5 | 46.3 | 47.4 | 50.1 | 48.0 | 47.2 | 47.5 | 46.6 | 47.1 | 43.7 |
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