■ 4カ国対抗の最終戦4カ国対抗戦の最終戦。日本は、アフリカのボツワナと対戦。
日本は、内転筋を痛めたFW平山がベンチスタート。李とカレンの2トップ。中盤が、枝村・増田・青山・菅沼。DFラインは、一柳・千葉・福元・田中。GK武田でスタート。
前半は、ボツワナのマークの甘さを突いた日本が、李やカレンの裏への飛び出しからチャンスを作るが、決定機に決められず。すると、後半開始早々に、ボツワナにロングシュートを決められて、先制を許す。日本は、安田、岡崎、上田、平山と次々と攻撃的な選手を起用し、同点を狙うが、微妙な判定にも泣かされて、同点ゴールを奪えなかった。結局、0対1で敗れて、「勝ち点4」で大会を終えた。
■ 悪くなかったが・・・前半から、日本の出来は悪くなかった。何度も決定的なチャンスを作ったし、DF面でも、ボツワナの身体能力の高さに対して脅威にさらされるシーンはほとどなく、アンラッキーな失点は喫したものの、及第点以上の出来だった。
したがって、チームとして考えると、十分に合格点である。だが、今大会は、チームとして結果を求めていくことは当然ながら、個々の選手にとっては、最終予選のメンバー入りに向けて、是が非でもアピールしたい大会であった。そう考えると、一部の選手を除いて、十分なアピールが出来たとはいえず、物足りなさも目立った。
■ 台頭した岡崎と田中そんな中で、今大会で目立った収穫というと、FW岡崎とDF田中の台頭だろう。
岡崎は、この世代では人材が不足している、セカンドストライカーである。今大会は、前線でボールをキープする仕事と、ゴール前で決定機に絡む仕事を、高レベルでこなしていた。1トップ下というポジションは、これまでは家長が起用されることが多かったが、家長はミッドフィールダーのキャラクターが強い。したがって、ゴール前での仕事は得意とはしていない。家長がレギュラーポジションを失うことは考えづらいが、サブとして岡崎というカードを得られたことは、大きいだろう。
また、左サイドバックで起用された田中も、印象的なプレーを見せた。田中はCBでもプレー可能であり、左サイドバックのポジションを争うと考えられる安田と比べると、守備面で信頼が置ける。左足の精度も悪くなく、面白い存在となりそうだ。
■ 対照的な李とカレン初めて、長い間。2トップを組んだ、李とカレンだが、李には、ポジティブな印象を持ったが、残念ながら、カレンには、ネガティブな印象をもった。
李は、得点こそ、奪えなかったが、シュートへの意識も高く、チームに合流して半年ほど過ぎて、ようやくチームになじんできた印象である。Jリーグでゴールを重ねていることによる自信も芽生えつつあり、2トップであるならば、平山のパートナーとして、最右翼に躍り出た。
一方のカレンは、この試合でも、精力的な動きでチャンスを呼び込んだが、決定的なシュートを外して、チームの勝利に貢献することは出来なかった。現代表チームでは、Jリーグでもっとも、実績のあるフォワードであるが、なかなか、代表チームでゴールを決めることが出来ない。ゴール以外での貢献度が高いのは間違いないが、カレンがゴールを決められないことで、それ以外の選手が、積極的にゴールを狙っていかなければならないので、過剰な負担がかかることになる。
■ 初戦のベトナム戦に向けてこれで、最終予選に向けての強化期間は終了し、今月末から、アジア予選が始まる。なかなかベストメンバーがそろわず、強化が進んでいるのか、進んでいないのか、よく分からない状態であるが、まず、初戦の国立でのベトナム戦に勝利して、波に乗りたい。
鍵を握るのは、FW平山だろう。幸い、平山の調子が上がってきており、それほど高さがないと予想されるベトナムのDF相手には、猛威を振るうだろう。いかにして、平山に生きたボールを上げられるかも、重要なポイントである。
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