■ みっともない試合アジア大会の予選リーグの初戦で、日本はパキスタンと対戦。試合経過は、省略。
日本は、非常にみっともない試合をした。問題点は明確で、これだけ機械的なパス回しを行っていれば、時間が立つとパキスタンレベルのDFでも対応されてしまうし、リズムが悪くなってしまう。この試合で、平山の高さを生かそうとした場面や、カレンのスピードを生かそうとした場面は、いったい何度あっただろうか?
MF青山を中心に、素早くボールを回して、右サイドの辻尾と左サイドの本田を生かしたサイド攻撃でチャンスを作ろうとする意図はよく分かる。ただ、組み立ての基本は、まず、ボールを奪ったら、前線にロングボールを入れられるかどうかを確認する作業からはじめなければならない。トップに正確なロングパスが入れば、そこで一気にチャンスにつながるからである。
しかしながら、この日の日本は、はじめから、つなごうとする意識が強すぎた。ロングボールを放り込まれる危険性の少ないパキスタンDFは準備の時間がもてていて、日本のボール回しにも、余裕をもって対応できていた。
丁寧に組み立てて攻撃をするのは悪くはない。むしろ、良いことである。ただ、日本の前線には、明確なストロングポイント(平山の高さ、カレンの飛び出し)がある。それにもかかわらず、画一的な組み立てしか出来なかったのは、非常に残念で失望した。相手にとってどんな攻撃をされると一番嫌なのか、ベンチも含めて誰も分かっていないように見えた。
■ 及第点は、一柳・辻尾・増田・谷口選手個々の出来でいうと、及第点以上なのは、DF一柳、MF辻尾、MF増田、MF谷口の4人だけ。その中でも、一柳のプレーが良かったと思う。確かにパスミスは多かったが、ダイレクトでつなぐ意識やスピードのあるくさびのパスを入れようとする意識が見えた。日本代表経験者の水本や青山はセーフティなプレーが多かったが、一柳は、終始、積極的なプレーを行っていた。
不安が残るのは、GK松井。比較するのは良くないが、西川に比べると、数段、安定感に欠ける。潜在能力でいうと、松井も素晴らしいものがあるが、GKは何よりも、味方に安心感を与られる存在でなければならない。先日の韓国戦でも見られたが、DFラインとのコンビネーションも確立されておらず、チーム全体が浮き足立って見える。これは、西川不在の影響が大きいからではないだろうか?
FWの平山は、いい出来ではなかった。立ち上がりの20分間は、ボランチからのパスをダイレクトではたくプレーで、攻撃のリズムを作っていたが、徐々に試合から埋没してしまった。クロスの精度にも問題はあったが、なかなかゴール前でシュートを放つ場面もなかった。このメンバー構成であると、平山への期待は大きい。真価の問われる大会になる。
■ 残り2連勝すればいい!!!パキスタンに追い上げられて予想外の苦しい試合になった。得失点差は稼げなかったが、グループリーグの残り2試合に連勝すれば、得失点差は関係なくなる。気にする必要はない。
とにかく、課題は、攻撃の組み立てに尽きる。アタッキングゾーンに入れれば、イマジネーションのある攻撃を披露できるのだが、どうもこのチームは、その回数が少ない。試合終盤にMF青山が退場になって、次の試合に出場できなくなったが、ボクは、むしろ、チームが好転するチャンスだと思う。
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