川崎フロンターレ→ 悲願の初タイトルに向けて絶好の位置で1stステージの終盤戦を迎えた川崎Fだったが16節の福岡戦(A)で2対2のドロー。0対2のスコアから2ゴールを奪ってドローに持ち込んだが最下位の福岡を相手に取りこぼしたことが響いてステージ優勝には届かなかった。いくつものタイトルを獲得していて「優勝慣れ」をしている鹿島とタイトル未経験の川崎Fの『クラブとしての経験値の差』が明暗を分けることになった。
またしてもあと一歩のところでタイトルに届かなかったがそれでも1stステージは11勝1敗5分け。この成績は見事というしかない。12勝2敗3分けという成績で1stステージを制した鹿島との勝ち点差は「1」。わずかな差だった。当然のことながら「2ndステージ制覇」が次の目標であり、年間順位で3位以内に入ってチャンピオンシップの出場権を獲得することも大きな目標となる。初タイトルのチャンスは残されている。
1stステージは17試合で33得点/15失点だった。得点数はリーグ最多、失点数はリーグ2位タイ。風間監督になって2年目となる2013年は34試合で65得点/51失点、2014年は34試合で56得点/43失点、2015年は34試合で62得点/48失点だったのでJ1屈指の攻撃力はそのままで失点数が激減している。J1では2009年の34試合で40失点というのが川崎Fとしての年間の最少失点となるので大幅に更新する可能性がある。
チーム全体の守備意識が高まったことも失点数の激減の1つの理由と言えるが、それ以上に大きかったのは守備的なポジションにビッグタレントを獲得できたことだろう。新加入で韓国代表のGKチョン・ソンリョンとリオ五輪代表としても活躍したDF奈良の2人は期待どおりの働きを見せており、開幕直後の2月28日(月)に柏から186センチの長身CBのDFエドゥアルドを獲得できたのは幸運だったと言うしかない。
3人の加入によって単純に「個の力」が劇的にアップした。そしてオフの補強の目玉の1人だったMFエドゥアルド・ネットは当初はチームに馴染めずにベンチスタートが続いたが1stチームの途中からスタメンに定着するようになった。それまではMF中村憲とMF大島僚をWボランチで起用していたがMFエドゥアルド・ネットがスタメンで起用されるようになると中盤の守備力がアップして安定した戦いが可能となった。