アビスパ福岡→ 昇格プレーオフを制して2011年以来のJ1復帰を果たした福岡は1stステージは2勝10敗5分け。勝ち点「11」で最下位に終わった。開幕から8試合勝ちなし。スタートダッシュに失敗した。9節のFC東京戦(A)で今シーズン初勝利を挙げると12節の湘南戦(H)で2勝目を挙げたが13節以降は0勝4敗2分け。同じように下位に低迷していた湘南や鳥栖が上昇気流に乗り始めているのとは対照的に結果を出せずにいる。
17試合で11得点/25失点。失点数が極端に多いわけではない。大差で敗れた試合は0対4で敗れた14節の広島戦(H)くらい。大半の試合は拮抗した展開に持ち込むことが出来ているが勝利は遠い。3バックを採用したり4バックを採用したり井原監督は試行錯誤を繰り返しているが思うような成果は出ていない。残留圏のチームから引き離されつつあるので当面は取り残されることなく食らいついていくことが求められる。
厳しいシーズンになっているが16節はステージ制覇がかかった川崎Fを相手にホームで2対2のドロー。前半の早い段階で2ゴールを奪って川崎Fを奈落の底に突き落とした。17節の鹿島戦(A)は0対2の敗戦。目の前で鹿島のステージ制覇を見ることになったが福岡にも少なくない数のチャンスがあった。2試合連続でステージ優勝が懸かったチームとの試合になったが内容に関しては一定の手ごたえを感じているだろう。
「3-4-2-1」を採用していたシーズン当初は「1トップのFWウェリントンが孤立してしまう。」という問題点を抱えていたが「4-2-2-2」になってからはFWウェリントンへのサポートが早くなった。ここに来て東京世代のFW邦本が急激に存在感を増しているが、18歳の選手とは思えないほどの強靭なフィジカルを持っており、左足を駆使したドリブルやパスも光るものがある。攻撃のバリエーションは確実に増えている。
リオ行きは逃したがMF金森は16節の川崎F戦(H)で2ゴールを挙げるなど注目度の高い試合で存在感を発揮。MF城後は直接的にゴールに絡む機会は少ないが献身的なプレーでチームを支えている。走行距離に関してはJ1のアタッカーの中で屈指の数字を残している。FWウェリントンとFW邦本とMF金森とMF城後の4人で構成される攻撃陣はコンビネーションが良くなってきて期待感の持てるユニットになりつつある。
苦労してJ1に上がって来たので当然のことながら「1年での降格」は絶対に避けたいところである。すでにMF三門(横浜FM)の加入が決定している。今シーズンはあまり出番がなかったが昨シーズンはモンバエルツ監督の信頼を得て中心の1人として活躍していた選手なので即戦力になるのは間違いない。基本的な技術はそこまで高くないが運動量が多くて意外なところで点を取る「意外性」も持っている選手である。
2列目とボランチと右SBの3つのポジションでプレーすることができるが先のとおり、前の4人はいい感じになってきているのでMF三門はボランチが基本ポジションになるだろう。昨オフに名古屋で実績を残したMFダニルソンを補強したが思うような活躍が出来ていない。高精度の右足のキックを武器に開幕から安定したプレーを続けてボランチの軸になっているMF末吉とMF三門でWボランチを組むことになるのではないか。