8位 : ベガルタ仙台 1勝1敗0分け 2得点/2失点→ 渡邉監督になって3年目となる仙台は1勝1敗。悪くないスタートを切った。開幕は(アウェイ戦で)相性の良い横浜FMと対戦したが1対0で勝利。「大黒柱のMF中村俊が欠場する。」という幸運もあったが新加入のMF三田が決勝ゴールを決めるという幸先のいいスタートを切った。2節のFC東京戦(H)は前半7分にCKからDF渡部がゴールを決めて先制に成功したが、その後、FC東京に2ゴールを許して1対2で敗れた。
ホーム開幕戦となるFC東京戦(H)は「残念な逆転負けだった。」と言えるがこの試合は契約上の問題で開幕戦のヒーローのMF三田が出場不可。J1初出場となる22歳のMF藤村がスタメンに抜擢されたがあまり存在感を発揮できず。『MF三田の穴は大きかった。』と言わざる得ない。FC東京からの期限付き移籍となるMF三田は技術が高くて運動量も豊富。Wボランチの一角で起用されているが大きな戦力になりそうだ。
新加入選手ではDF大岩、DF平岡、MF三田の3人がスタメンに定着しているが、基本的なメンバーはほとんど変わらない。「継続性」が強みとなるがそれでも昨シーズンと比べると守備のときのアグレッシブさが増した。「ブロックを作ってしっかりと守る。」というのが仙台の特徴だったが、「前からプレッシャーをかける意識」が高くなっており、高い位置でボールを奪おうとする意図が感じられるようになった。
「最終ラインにCBタイプ」を4人並べているのも特徴の1つで、右SBはDF大岩で、左SBはDF石川直が起用されている。どちらの選手も「SBでもCBでもプレーできる。」という選手であるが明らかにキャラクターとしては守備寄りの選手である。DF菅井やDF二見などが起用されている時と比べると攻撃にかかわる回数は少ないが、その分、安定感ならびに最終ラインの高さがアップしてセットプレーは大きな武器になる。
注目したいのはFWウイルソン。東日本大震災の翌年で仙台が2位と大躍進した2012年には32試合で13ゴールを挙げてベストイレブンに輝いたがここ2年間は低調。怪我に苦しんだが、ウエイトオーバー気味で明らかに初年度のキレがなくなっていた。悩みの種になっていたが今シーズンはスリムになっている。4キロから5キロほど体重が落ちていると思うが全盛期の身体に戻りつつある。復活する可能性は高い。
2位 : 鹿島アントラーズ 2勝0敗0分け 2得点/0失点→ 2009年以来のリーグ制覇を目指す鹿島は2連勝スタートとなった。中でも吹田スタジアムのこけら落としとなるG大阪との開幕戦に1対0で勝利した試合はインパクトが大きかった。2戦目の鳥栖戦(H)はそれほどいい出来ではなかったが1対0で勝利。開幕直前にチームに戻ってきた日本代表候補のFW金崎が前半31分に決勝ゴールを記録した。「フォワードの軸」となる選手が戻ってきたのは当然のことながら大きい。
数年前までは「世代交代は急務」、「このままではマズいことになる。」と盛んに言われていたが、セレーゾ監督が指揮した2年半で一気に若返った。その上、若い選手を重点的に補強したこともあって、GK櫛引、DF植田直、MF三竿健の3人が五輪代表に選ばれており、DF伊東幸やMF鈴木優も五輪代表に選ばれてもおかしくない実力を持っており、MFカイオとDFブエノの2人もリオ世代。若くて優秀な選手がたくさんいる。
昨シーズンは鹿島にしては失点数が多いシーズンだった。DF昌子のパートナーがなかなか定まらなかったが、DF昌子自体も2014年ほどのプレーはできなかった。「守備の問題を改善できなかったこと」がシーズン途中でセレーゾ監督が解任されてしまった一因と言えたが、今シーズンは共に日本代表候補のDF昌子とDF植田直がレギュラーとして起用されており、ここまで2試合連続完封勝利。最終ラインは安定している。
中でもDF植田直の充実ぶりは目覚ましい。2節の鳥栖戦(H)はFW豊田とマッチアップする機会が多かったがほとんど仕事をさせなかった。「U-23アジア選手権でDF植田直は大きく変わった。」という人が多いが、ここまでの2試合は見事なプレーを見せている。DFファン・ソッコ、DFブエノ、DF青木剛とポジション争いをしているが、彼が鹿島でスタメンに定着しつつあることは日本サッカー界全体を考えても大きい。
2試合とも1対0の勝利なので攻撃陣はまだ全開とは言えないが、MFカイオとMF鈴木優という切り札を2枚持っているのは今シーズンの鹿島の大きな武器と言える。MF鈴木優はプレシーズンの讃岐戦(A)と水戸戦(H)、開幕のG大阪戦(A)はいずれも途中出場ながら終盤に決勝ゴールを奪うなど無類の勝負強さを発揮している。MFカイオだけでも厄介であるが、その上、闘争心のあるMF鈴木優も控えているのは心強い。
7位 : 浦和レッズ 1勝1敗0分け 3得点/3失点→ 2015年の1stステージを無敗で制した浦和だったが、ホーム開幕戦となる2節の磐田戦(H)で敗れて今シーズン初黒星を喫した。開幕の柏戦(A)は2対1で勝利。同じACL組の広島・G大阪・FC東京が揃って開幕戦を落としたことを考えると「ACL組の中で浦和だけが順調なスタートを切った。」と言えたが、磐田戦(H)は1対1で迎えた後半37分に途中出場したFWジェイに決勝ゴールを許してホームで初黒星を喫した。
ACLはここまで1勝1敗。J1のリーグ戦も1勝1敗。過密日程であることを考えるとまずまずの出だしと言えるが、磐田戦(H)を落としたのは残念だった。主力の流出は全くなかったので基本的なメンバーは同じであるが、五輪代表のDF遠藤航はさっそく試合に絡んでいる。「ボランチ」と「右ストッパー」と「3バックの中央」の3つで起用されているが持ち味は出せている。想像していた以上に早くチームに溶け込んだ。
新加入のDFイリッチやMF駒井などはまだほとんど試合に絡めていないので既存の選手が大半。成熟度はかなり高いが現段階では3バックの並びが定まっていない。磐田戦(H)の前半は『右・DF遠藤航、中央・DF槙野、左・DF森脇』という配置だったが、後半開始から『右・DF森脇、中央・DF遠藤航、左・DF槙野』という並びになった。いろいろなバリエーションがあるのでペトロヴィッチ監督は模索段階と言える。
ACLで対戦するチームは強力なCFを擁しているチームが多いので空中戦に強いDF槙野を3バックの中央に置くと高さの面で対抗できるようになるがDF槙野が中央にいると自由に攻撃参加するのは難しくなる。もちろん、DF森脇やDF遠藤航も高い攻撃力を有しているがDF槙野には及ばない。188センチのDFイリッチが試合に絡んでくるようだとさらに面白くなるが、2015年と比べると選択肢が格段に増えたのは確か。
注目はエースナンバー「9」を背負うことになったMF武藤雄。開幕の柏戦(A)では1ゴール1アシストと結果を残した。FWズラタン、FW興梠、FW李忠成、MF梅崎、MF石原直、MF駒井、MF高木俊がいるのでアタッカー陣は人材が豊富であるが、「年間最多勝ち点」を成し遂げるためには絶対的な得点源が必要。浦和の選手の中では2010年のFWエジミウソン(=16ゴール)を最後に14ゴール以上を記録した選手はいない。
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