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名門・清水エスパルスのJ2降格の原因について考える。 (前編) の続き。
■ 選手補強のちぐはぐさ当然、大榎監督ならびに田坂監督にも大きな責任はあるが「選手補強のちぐはぐさ」がJ2降格の最大の理由ではないかと思う。2014年シーズンに34試合に出場して13ゴールを挙げたFWノヴァコヴィッチ(→名古屋)が抜けたが、代役候補だった新外国人選手のFWピーター・ウタカとMFミッチェル・デュークの加入が決まったのは2月21日。シーズン開幕の直前の時期にチームにフィットさせる作業を行わざる得なかった。
両選手とも非常に能力が高いのは確かである。外国人助っ人の中では「J1の中でも上位クラス」の実力を持っていることは明らかであるが、影響力の大きい選手が開幕直前の時期に2人も加入してくるとチーム作りは難しくなる。(
前編)で記した通り、MFミッチェル・デュークが思いの他、左WBのポジションでフィットしたのでFW大前らとの共存が可能となったが、どういう風に使えばいいのか?で大榎監督は苦労した。
両助っ人の頑張りもチームとしての結果には結びつかなかったので、夏の移籍市場がオープンすると元北朝鮮代表のFW鄭大世を獲得。FW鄭大世は全盛期と比べると力は落ちていたが、それでも10試合で3ゴール。個人としてはまずまずの成績を残しているが、FWピーター・ウタカとFW大前がいる中でのFW鄭大世の獲得だった。FW鄭大世の加入によって大榎監督はさらに選手起用で頭を悩ませることになった。
結局、FWピーター・ウタカとFW鄭大世の2トップでFW大前はサイドハーフに回る試合が増えたが、FW大前がベンチスタートになる試合もいくつかあった。誤算だったのはFW鄭大世とFW大前の相性が非常に悪かった点で、両者の息が合わないシーンは試合中に何度も見られた。実際に一緒にプレーしてみないと相性が良いのか?悪いのか?判断するのは難しいので仕方がないところはあるが、この点も誤算だった。
■ 何故か行われなかったSBの補強FWピーター・ウタカという力のあるCFを擁している中、同じくCFタイプのFW鄭大世を獲得した判断はどうだったのか?というところもあるが、最大の弱点だった左右のSBの補強が昨オフも今夏もほとんど行われなかった点がもっとも解せないところである。ゴトビ監督時代もSBの人選で大いに苦労したが、オフにレギュラー格で左右両サイドをこなすDF吉田豊(→鳥栖)が抜けたことでどうしようもない状態に陥った。
SBとして計算していたDF犬飼が開幕早々に怪我をして離脱したのも大きな誤算だったが、左右のSBはDF犬飼、DF河井、DF鎌田、DFヨン・ア・ピン、DF福村、DF六平など多くの選手が起用されたものの、誰1人として満足いくパフォーマンスを出せず。3バックを採用していた時期は右WBがMF枝村、左WBでMFミッチェル・デュークで固定できたが、(今シーズンに限った話ではないが)SBの人材不足は深刻だった。
同様にCBも怪我人が続出して苦労していたので夏に川崎FからDF角田を獲得できたのは大きかった。(※ DF角田も「当初はボランチとして計算していた。」という話が出ているが・・・。)怪我で離脱していたDFヨン・ア・ピンやDF平岡が戻ってくるとCBの人選で苦労することはなくなったが、「長期間に渡ってこれほどSBで苦労しているチームが何の手も打たずにやっぱりSBで苦労する。」というのは理解しがたい。
当然、資金力というのは限られているので、「SBの補強まで手が回らない。」というのであれば仕方がない。しかしながら、フォワード陣はFW鄭大世が加入すると「やや過剰」と言える戦力になって、アタッカー陣はMF澤田やMF高木善やMF金子翔やMF石毛などがシーズン途中で余剰戦力となった。(※ 今夏にMF高木善は東京Vに期限付き移籍して、MF金子翔は栃木SCに期限付き移籍することになった。)
一部のポジションは過剰なほど選手層が厚くて、一部のポジションはほとんど頼りになる選手がいないという状況。これほどアンバランスなチーム編成になるのはフロントの問題と言わざる得ない。(※ チームとしての戦い方がきちんと定まらなかったから補強もおかしなものになったのか、補強がちぐはぐなのでチーム作りもおかしなものになったのか、「どちらが先」と言えるのかは判断の難しいところであるが・・・。)
■ 容易ではない1年でのJ1復帰当然のことながら、1年でのJ1復帰が目標となるが、千葉や京都などJ2に定住してしまったクラブは少なくない。2011年のFC東京や2013年のG大阪は1年でJ1復帰を果たしたが、当時のFC東京やG大阪は「各ポジションにタレントは揃っているが歯車が狂わなかった。」というのが降格の理由で、実際にシーズン途中に監督を代えてからはJ1の舞台でもそれなりの成績を残している。今の清水とは状況が異なる。
清水というと近年は主力級の流出が目立ったクラブなので、「今オフに主力級の選手をどこまで引き留めることが出来るか?」が目下の最大の関心ごとと言える。最近は(昨シーズンのC大阪が典型例と言えるが、)「自分たちがクラブをJ2に落としてしまった。」という責任を感じて主力級の選手のほとんどがチームに残るケースがかなり多くなっているが、実際にストーブリーグが始まってみないと分からない部分は多い。
とにもかくにも、チームのシンボル的な存在なのでエースのFW大前がチームに残るか否かは大きなことだと思う。軸となる選手が残留を決断すると後に続く選手が続々と出てくると思うが、FW大前に関してはすでに神戸などが関心を寄せていると報じられており、争奪戦に発展する可能性がある。「点の取れる選手」というのはどのクラブも探しているので、もっとも去就が注目されるのは間違いないところである。
結局、磐田も1年でのJ1復帰に失敗したが、現状では「1年で清水がJ1に復帰する可能性」は決して高くない。J2に定着してしまう可能性は無きにしも非ずであるが、幸いにしてMF石毛とGK櫛引を筆頭にMF金子翔、DF犬飼、FW白崎、FW北川、MF水谷などリオ世代の若手は有望株が目白押し。彼らを育てつつ、J2で結果を残して、なおかつ、1年でJ1に復帰できたとしたら「苦い経験も無駄ではなかった。」と言える。
大半の選手が清水のユースで育っているので、このあたりの選手が今オフに流出することはほぼ無いだろう。彼らが中心にならなければ明るい未来はやってこないが、MF石毛とGK櫛引とFW白崎の3人に関しては完全に伸び悩んでいる。特に今シーズンは不本意なシーズンになったが、J2での戦いというのが大きな転機になる可能性はある。どのチームよりも早く2016年の戦いをスタートできる点を有効に活用したい。
2015/10/19
名門・清水エスパルスのJ2降格の原因について考える。 (前編) 2015/10/19
名門・清水エスパルスのJ2降格の原因について考える。 (後編)
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