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■ 鹿児島ラウンドの2日目ニューイヤーカップの鹿児島ラウンドの2日目。初戦は浦和レッズを相手にスコアレスドローだったロアッソ熊本と、初戦はライバルのジュビロ磐田に1対2で惜敗した清水エスパルスが鹿児島県立サッカー・ラグビー場で対戦した。先に行われたもう1つの試合は3対1で浦和が勝利したので、浦和は1勝1分け、磐田は1勝1敗となった。鹿児島ラウンドで1位になると賞金として300万円が贈られることになっている。
熊本は「3-4-2-1」。GK金井。DF大谷、クォン・ハンジン、園田。MF高柳、上原拓、嶋田慎、片山奨、齊藤和、常盤。FWアンデルソン。4日(水)の大分戦、8日(日)の浦和戦はいずれも4バックを採用したが、この日は「3-4-2-1」を採用。広島から期限付き移籍のDF大谷は2試合連続スタメンで、左CBにはDF園田は起用された。昨シーズンのDF園田は41試合で6ゴールを記録してチーム内の年間MVP級の活躍だった。
対する清水は「4-2-3-1」。GK薄井。DF犬飼、平岡、ヤコヴィッチ、鎌田。MF八反田、六平、大前、枝村、澤田。FW北川。8日(日)の磐田戦で途中出場で同点ゴールを記録した18歳のFW北川が1トップで起用された。昨年はU-19日本代表にも選ばれている期待の星である。U-22日本代表に招集されたGK櫛引はこの試合の前にチームを離れてシンガポールに移動したので、新加入のGK薄井がスタメンとなった。
■ 1対0で熊本が勝利して勝ち点「3」を獲得。前半は「J2の熊本が主導権を握る。」というやや予想外の展開になる。熊本は「3-4-2-1」というどちらかというと積極的に前からプレスをかけにくい布陣だったが、両WBの位置取りが巧みで、3バックのチームにありがちなベタ引きの5バックにはならず。いい位置でボールを奪って多くのチャンスを作ったが、決定力を欠いてゴールを奪うことができない。熊本は前半に4度ほど大チャンスを迎えたが0対0で折り返す。
後半開始から熊本は19歳のMF上村をアンカーに置く「4-1-2-3」のような並びに変更。ただ、途中出場のMF黒木晃のポジションがトップ下で「4-2-3-1」のようにも見えた。いずれにしても3バックから4バックに変更したが、経験豊富なボランチのMF本田拓を投入した清水も攻守のバランスが良くなる。後半の立ち上がりは熊本が高い位置でボールを奪うシーンが続いたが、徐々に清水ペースに移っていく。
その後、前半はほとんどチャンスを作れなかった清水が相手のゴール前を脅かす場面をたびたび作ったが、後半39分に途中出場のMF田中達のクロスからファーサイドで待っていたMF齊藤和が難しい体勢からファインゴールを決めて熊本が先制に成功する。結局、1対0で熊本が勝利した。これで熊本は1勝1分けで勝ち点「4」。得失点差では劣るが、勝ち点では浦和に並んで単独2位となった。一方の清水は2連敗となった。
■ 厳しいシーズンになりそうなエスパルス後半はやや盛り返したが、J2でも中位クラスと言える熊本を相手に「この内容とこの結果」では新シーズンに向けてサポーターは不安な気持ちを抱えざる得ない。もちろん、キャンプ期間中なので、チームによってコンディションはバラバラで、仕上がりの早いチームもあるし、仕上がりの遅いチームもある。その点は十分に考慮する必要はあるが、熊本の厳しいプレスの前に危険なエリアでボールを失う場面が多過ぎた。
幸いにして熊本の選手がチャンスシーンで力んでしまったので、0対0のままで終盤に突入することができた。切り札のMF村田和らを投入した後は清水の時間帯が続いたが、後半39分に一瞬の隙から決勝ゴールを許してしまった。MF石毛も含めて途中出場の選手は比較的出来が良かったが、スタメン抜擢で期待された18歳のFW北川、古巣対決となったMF澤田などはほとんど見せ場を作れなかった。
もちろん、元ナイジェリア代表のFWピーターウタカと元オーストラリア代表のFWミッチェル・デュークの加入が決定的と言われているので、代表歴のある2人が加わるとまた違った雰囲気になると思うが、今の時点では193センチのFWノヴァコヴィッチが退団した影響は大きくて、ショートパスを主体に攻撃せざる得ない状態。不用意につなごうとしたところをカットされてカウンターを受けるシーンが非常に多かった。
一番、気になるのはチームのスタイルがはっきりと定まっていない点である。過去を振り返ってみるとFW長谷川であったり、MF三都主であったり、DF安藤であったり、MF市川であったり、強力なサイドアタッカーを擁して彼らを中心としたワイドな攻撃を披露していた時期が清水の強かった時期と重なるが、特に昨シーズンの途中に大榎監督になってからはどういうサッカーをするのか?が今一つ見えてこない。
■ なぜ3バックを採用したのか?一方の熊本は結果も内容も申し分ない試合だったと言える。鹿児島ラウンドには浦和・清水・磐田・熊本の4チームが参加しているが、明らかに熊本が一番格下である。「3連敗」という厳しい結果に終わったとしてもおかしくない相手との試合が続くが、2試合を終えて1勝1分け。8日(日)の浦和戦はかなり押し込まれたが、清水には勝利した。いい経験ができただけにとどまらず、自信を手にすることが出来たと言える。
この日は「3-4-2-1」を採用したがこれがうまくハマった。3バックを採用した意図に関して小野監督は「3バックと4バックを両方使えるようにしたい。」と説明した後、「J2は3バックのチームが多い。試合前の紅白戦などで次の対戦相手をイメージした練習を行うことが多いが、レギュラー組の相手をするサブ組がある程度のレベルで3バックを習得できていると有意義な練習になる。」という趣旨の話をした。
「3バックと4バックを使い分けることのメリットとデメリット」に関して、そういう視点で考えたことは無かったのでなかなか興味深かったが、確かにシーズンに入ると次のリーグ戦の対戦相手をイメージしてトレーニングを行うことが多い。そのときにレギュラー組の練習相手になるサブ組がノーマルな4バックだけでなく3バックにも対応できるようだと実りのある練習になって、いいイメージトレーニングができる。
■ 重要な存在になりそうな新加入のMF上原拓郎この試合の熊本は前半は3バックを採用して、後半は最初から4バックを採用した。前半の3バックが非常に機能したので、「(3バックの)いいイメージを残したままにしておきたい。」と意図があったのではないかと思うが、今の段階では「3-4-2-1」の方が攻守に機能しているという印象がある。「4-2-3-1」になると選手間の距離が遠くなるケースが増えるので、特に攻撃のときは選手が孤立してしまいがちである。
シーズン中も両方を使い分けて戦っていくことになると思うが、そうなった場合、複数のポジションでプレーできる選手の重要度が増してくる。この試合は選手交代が8人まで認められているので、公式戦とは若干異なるが、前半はボランチでプレーしたMF上原拓が後半は最終ラインに入って左SBでプレーした。途中出場のMF黒木晃も最初は中盤でプレーして、最後はSBでプレーしたが、こういう選手は必須である。
特に新加入のMF上原拓はここまでのところうまくチームに溶け込めているように思える。大卒2年目の選手で、ルーキーイヤーの2014年は札幌で13試合に出場している。シーズン終了後に1年限りで札幌を契約満了になったことに関しては不可解さが残るが、貴重なレフティで、パス精度が高くて、ユーティリティー性もあって、なかなか使い勝手のいい選手だと思っていた。なので、熊本は非常にいい補強になったと思う。
「札幌U-18出身で大学を経由して(札幌の)トップチームに加入した大卒ルーキーを1年限りで契約満了にする。」というのは『素行面がどうしようもないほど酷かった。』というような特別な理由がない限りはあり得ない。早い段階で熊本入りが決まったので、「(札幌を)戦力外になった。」というよりは「最初から(熊本と)話が付いていたのではないか?」と思うが、ここまでのプレーぶりを見るとなかなかである。
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