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■ 引き抜きの可能性は限りなくゼロに近い。日本サッカー協会は2月3日(火)にアギーレ監督との契約を解除したことを発表。志半ばでいきなりアギーレ体制が幕を閉じた。アギーレ監督の今度の動向や裁判の行方も気になるが、もっとも関心を集めるのは何と言っても「日本代表の後任監督が誰になるのか?」である。あまり信憑性は高くないが、大手スポーツ紙の1つであるスポーツニッポンは1月24日(土)の記事の中でガンバ大阪の長谷川健太監督、名古屋グランパスの西野朗監督、前名古屋グランパスのストイコビッチ氏らの名前を具体的に挙げている。
ただ、現段階で日本サッカー協会は「Jリーグのクラブで監督を務めている指導者を引き抜く可能性」を否定している。したがって、長谷川監督や西野監督の線はほぼ無くなったと言える。西野監督というと、川淵氏が日本サッカー協会の中で権力を握っていた頃、盛んにメディアで「日本代表の監督候補」と報じられた。「日本サッカー協会はトルシエ監督を解任して西野監督を後任監督に据えたがっている。」という噂が当時は頻繁に流れた。実績は抜群で、知名度も高いが、今回も候補からは外れるだろう。
日本サッカー協会の言葉を借りるまでもなく、この時期に(外国人を含めた)Jリーグのクラブで監督を務めている指導者を代表監督に据えるために日本サッカー協会が引き抜きを画策する可能性はゼロに近い。思い出されるのは2006年のドイツW杯の後、当時、ジェフ千葉で監督を務めていたオシム監督を日本代表に引き抜いた件であるが、そのときはJリーグのサポーターを中心に日本サッカー協会は相当なバッシングを浴びた。「Jクラブの監督を引き抜く。」という選択肢は鼻から日本サッカー協会には無いと推測できる。
当然、岡田武史監督の名前も候補に挙がって来ると思われるが、現在は四国サッカーリーグのFC今治の運営に携わっている。2014年11月に同チームのオーナーに就任しており、まだ数か月である。大きなチャレンジをしようとしている最中であり、他の仕事に興味を示すことは考えにくい。そして、メディアの前に登場するとき、「代表監督はもう二度とやらない。」と繰り返し発言しており、精神的にストレスのかかる仕事を受ける可能性は非常に低い。こちらも日本代表監督就任の可能性は「ゼロに近い。」と言える。
■ 日本人の候補は少ないが・・・。言うまでもないことであるが、やはり、日本人監督でフル代表の監督を任せることができるだけの実績と経験を持っている指導者というのは限られてくる。先のスポニチが名前を挙げたG大阪の長谷川監督と名古屋の西野監督、そしてすでに触れた岡田監督以外では五輪代表の手倉森監督、広島の森保監督、千葉の関塚監督、松本山雅の反町監督、前甲府の城福監督くらいだと思われるので、もし、日本サッカー協会が「日本人監督」にこだわるのであれば城福監督にオファーを出す可能性がもっとも高いと言える。
もっと言うと、日本人監督に限定した場合、このタイミングで候補に挙げられるのは城福監督くらいである。U-16・U-17日本代表を任されたときはFW柿谷を中心としたチームでアジアを制覇しており、FC東京の監督時代は安定した成績を残して2009年にはナビスコカップを制覇している。2012年に甲府の監督に就任すると、就任1年目はJ2優勝を果たして、苦戦が予想された2013年と2014年は2年連続で「J1残留」を果たした。甲府のような地方のスモールクラブにとって「2年連続残留」というのは快挙である。
「クラブの監督と(年代別)代表の監督の両方を経験している。」というのは大きな武器になる。そして、U-16・U-17日本代表とFC東京のときは攻撃的なチームを作って、甲府では守備を重視した非常に手堅いチームを作った。かつての城福監督は「攻撃的なサッカー」、「自分たちが主導権を握るサッカー」に意識を集中し過ぎる傾向にあったが、甲府では全く違ったスタイルで結果を残した。甲府では指導者として「違った顔」を持っていることを示したが、城福監督が柔軟性を見せたのは大きな驚きだった。
■ いくつかの失敗を糧にして・・・。もちろん、監督としていくつかの失敗も経験している。2006年の秋に行われたU-16アジア選手権は前述のとおり頂点に立ったが、翌2007年に行われたU-17W杯はフランスとナイジェリアに敗れてグループリーグは1勝2敗。決勝トーナメントに進出することはできなかった。「世界の舞台で結果を残している。」という部分を重要視するのであれば、日本代表の監督候補からは外れるが、日本人の指導者でこの要件を満たしているのは岡田監督と関塚監督の2人くらい。日本人監督に強くこだわるのであれば目を瞑るしかない。
FC東京の監督時代の2010年シーズンの途中に解任されたことも苦い経験と言える。結局、チームはJ2に降格したので城福監督の評価は急落したが、先のとおり、その後、甲府を率いて見事な結果を残したため、再び監督としての評価が急上昇した。昨シーズン限りで甲府の監督の座を退いて、今シーズンはフリーの立場である。U-18日本代表の監督に就任するのでは?という話があったが、基本的には充電期間であり、「いいオファーが届くのを待っている。」と報じられている。障害となるものは非常に少ない。
一番のネックとなるのは「日本代表監督というのはリスクの高い仕事である。」という点である。当然、紆余曲折はあったが、ここまでは監督として順調にキャリアを積み上げてきた。「いずれは日本代表の監督をしてみたい。」という気持ちは持っているとは思うが、まだ監督としては発展途上である。「もっと監督としてのキャリアを積んで万全の状態で日本代表の監督にチャレンジしたい。」と考えていても不思議はない。なので、仮にオファーがあったとしても、固辞する可能性も十分に考えられる。
Jリーグや欧州リーグのシーズン終盤の時期であったり、オフ期間であれば、比較的、人材を見つけやすいが、この時期というのは非常に難しい。アギーレ監督の八百長騒動は昨年の秋から大きな話題になっていたので、もちろん、そのときから日本サッカー協会は水面下で後任監督を探していたと思われる。今回、意外とあっさりと契約解除を発表しているので、「実は目途が付いている。」という可能性も無いとは言えないが、その可能性はあまり高くない。果たして誰に日本代表を託すことになるのだろうか・・・。
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