ブラジルW杯のアジア最終予選の第7節。4勝1分けで勝ち点「13」を獲得してグループBの首位を独走する日本代表は、試合前に行われたオーストラリアとカタールの試合が2対2のドローに終わったので、ヨルダン戦で引き分け以上の結果を得ると、世界最速で5大会連続のW杯出場が決定する。
日本は「4-2-3-1」。GK川島。DF内田、吉田、今野、酒井高。MF長谷部、遠藤、岡崎、香川、清武。FW前田。カナダ戦でスタメン起用されたDF伊野波とMF乾はベンチスタートとなった。その他では、GK西川、GK権田、DF駒野、DF栗原、DF酒井宏、MF細貝、MF中村憲、MF高橋、MF大津、FWハーフナー・マイクがベンチスタートとなった。
■ ヨルダンが勝利立ち上がりは日本がペースを握って、前半4分にMF香川とMF清武のコンビネーションからMF香川がシュートを放つが相手DFにブロックされる。前半14分にも左サイドからMF清武がクロスを上げると、中央でFW前田がヘディングシュートを放つが、キーパーにセーブされて先制ならず。さらには、前半23分にもMF長谷部のクロスをFW前田がヘディングで合わせるがクロスバー直撃でゴールならず。
ここまでは日本が優勢だったが、前半ロスタイムにヨルダンが左サイドのCKを得ると、MFディーブが右足で蹴ったボールをMFバニアテヤが頭で合わせてホームのヨルダンが先制が先制に成功する。MF岡崎がマークしていたが、前に入られてしまった。前半の日本は左サイドを中心にしていい形を作ったが、前半終了間際にセットプレーからゴールを許して1点ビハインドで折り返す。
後半も開始から日本がボールを支配するが、後半15分に左サイドを突破されて、カバーに来たDF吉田も振り切られて1対1のピンチを迎えるとFWハイルに決められて2点差となる。2点を追う日本は、後半19分にFWハーフナー・マイクを投入すると、後半24分にMF清武のパスからMF香川が裏に抜け出して1点を返す。MF香川はA代表では昨年10月のフランス戦以来のゴールとなった。
その直後にも、MF清武のスルーパスを受けたDF内田がペナルティエリアで倒されてPKを獲得。決まるとW杯行きが近づいたが、MF遠藤のPKをヨルダンのGKシャフィがセーブして追いつくことはできず。その後も、何度かゴール前のシーンを作ったが、決めることはできず。結局、2対1でヨルダンが勝利して、日本はブラジルW杯出場を決めることはできなかった。
■ 痛かった2つのシーン「負けるとしたらこれ」という典型的な負けパターンにハマったザックジャパンは、引き分けでもOKという有利な状況を生かせなかった。この試合でW杯出場を決めることができると、これからの強化スケジュールは楽になったが、相手も必死なので、こういうこともある。むしろ、6月4日にオーストラリアという強豪国とホームでしびれるような試合ができるチャンスを得たことをポジティブに考えたいところである。
痛かったのは、前半のロスタイムの失点とPK失敗の2つのシーンであるが、このチームは高さが無いので、セットプレーでやられる可能性というのは、どんな相手でも考えられる。W杯出場が決まって、組み合わせ抽選会が行われて、どの国と同じグループになるかでも変わってくるが、高さ対策というのは必須で、高さのある選手をあと1枚 or 2枚は増やさないと、セットプレーの弱さは改善されない。
PK失敗については、仕方がないと言うしかない。GKシャフィというキーパーはアジアでも屈指のキーパーで、MF遠藤のシュートコースもそれほど悪くはなかったので、読みが当たって、ギリギリのところではじいた相手のキーパーを褒めるしかない。PKの成功率というのは、だいたい80%くらいで、スペシャリストでも失敗することはある。
悔やまれるのは、2失点目である。DF酒井高とDF吉田が対応したが、DF吉田がものの見事にスピードで振り切られてしまった。FWハイルという選手がスピードのある選手ということは、情報として持っていたと思うので、DF吉田に任せたDF酒井高の判断も良くなかったし、あっさりと振り切られたDF吉田の対応もまずかった。1点差であれば、どうにかできたと思うので、最悪と言える失点の仕方だった。
■ まずまずだった攻撃の4人したがって、2失点目については、反省が必要であるが、攻撃に関しては、形は作っていた。前半にFW前田が2度、決定機を迎えたので、そこで決めていれば、こういう結果にはならなかったと思うが、もちろん、決定機がすべて決まるわけでもない。FW前田は序盤からいい感じでボールに絡んでいて、動きは良かったので、ヒーローになれるチャンスを逃してしまった。
スタメンに抜擢されたMF清武は、反撃のゴールをアシストして、PKのシーンもMF清武のスルーパスから生まれているので、まずまずのプレーを見せたと言える。運動量も多くて、至るところに顔を出したが、クロスやミドルパスの精度が低くて、長いボールを蹴るときのフィーリングが今一つだった。その点は残念だったが、ザッケローニ監督のスタメン起用に応えたと言える。
MF香川はトップ下で出場となった。トップ下でも、サイドでも、どちらにも適応できる選手で、「トップ下だから生きる。」とか、「サイドだから生きない。」というようなレベルの選手ではないと思うので、ポジションはあまり関係ないと思うが、MF清武のパスに素早く反応して追撃のゴールをマークした。1対2になった後、若干、消えてしまったのは良くなかったが、トータルではいい部類である。
最後にMF岡崎であるが、前の4人の中では、一番、いいプレーを見せたと言える。ゴールには絡めなかったが、運動量が多くて、ゴール前のいいところに顔を出していて、相手にとっては、厄介な存在であり続けた。今シーズンはシュツットガルトで苦労していて、スタメンから外れるケースが多くなっているが、コンディションを落としている風にも見えない。こういうタフな試合では頼りになる選手である。
■ 次はオーストラリア戦ということで、この試合に関しては、PK失敗もあって、「運が無かった。」というのが敗因の1つに挙げられるので、極端に悲観する必要は全くない。アジア最終予選なので、絶対に勝てる試合というのは1つもなくて、やや楽な立場になっていた日本とホームで勝たなければならないヨルダンの気迫の差がスコアに現れてしまったが、「サッカーの世界ではよくあること」である。
もちろん、よくなかった部分は修正が必要であるが、楽観的になることと同じくらい、悲観的になることも意味が無いので、バランス感覚が求められる。そんな中、収穫を挙げると、こういう追いかける展開になることがアジアカップ以降、ほとんどなかったので、いいシミュレーションになったことである。そして、嵩にかかって攻めこんだときに、このチームがかなりのパワーを持っていることが明らかになった点も収穫と言える。
0対2となった後の日本の追い上げは見ごたえがあったが、キーマンになったのは、FWハーフナー・マイクである。先日のカナダ戦も出来が良かったが、この日も、前線で力強いプレーを見せた。福岡や鳥栖や甲府時代は、どちらかというと、ひ弱さを感じさせることが多かったが、エールディビジでたくましさを身に付けつつある。FWハーフナー・マイクに目途が立ったことも、大きな収穫と言える。
結局、このタイミングでW杯出場を決めることはできなかったが、W杯予選なので、こんなに簡単に決まってしまっても、面白くない。そして、アウェーで引き分けてW杯行きを決めるというのも、すっきりしないので、次のホームのオーストラリア戦で、日本らしいサッカーを見せて、勝ってW杯出場を決めて欲しいところである。この敗戦から多くのことを学ぶことができれば、決して後退とは言えない。
おしらせヨルダン戦の日本代表選手(11名+3名)を採点してください。以下のようにお願いします。
・10点満点で採点してください。
・普通の出来だった場合は、「5.5~6.0」としてください。
・点数は、0.5刻みでお願いします。
・日本代表の選手(スタメン11人+途中出場3名)全員を採点してください。
・出場時間が短い選手は「採点なし」でもOKです。
・点数の理由も合わせて、お書きください。
※ たくさんの採点が集まった方が、比較ができて面白いと思うので、是非とも参加してみてください。
※ 投稿は下のフォーム(↓)からお願いします。
http://form1.fc2.com/form/?id=827570 (採点用フォーム)
質問事項(1) ハンドル名
(2) 年代
(3) 性別
(4) 地域
(5) ヨルダン戦の採点をして、その横に理由を記述してください。
(6) 試合の感想等があればお書きください。(省略可)
(7) 日本代表に招集して欲しい選手がいれば記述してください。(省略可)
上の(5)のところで、記述方法がバラバラになると読みにくくなるので、できるだけ、以下のフォーマットを利用してください。(ポジション+フルネーム+点数+理由)
<スタメン>
GK 川島永嗣 点数 → 理由
DF 内田篤人 点数 → 理由
DF 吉田麻也 点数 → 理由
DF 今野泰幸 点数 → 理由
DF 酒井高徳 点数 → 理由
MF 長谷部誠 点数 → 理由
MF 遠藤保仁 点数 → 理由
MF 清武弘嗣 点数 → 理由
MF 香川真司 点数 → 理由
MF 岡崎慎司 点数 → 理由
FW 前田遼一 点数 → 理由
<途中出場>
FW ハーフナー 点数 → 理由
DF 駒野友一 点数 → 理由
MF 乾貴士 点数 → 理由
※ たくさんの採点が集まった方が、比較ができて面白いと思うので、是非とも参加してみてください。
- 関連記事
-