■ ベスト4に進出J1で17位となったガンバ大阪はJ2降格が決まったが、天皇杯の準々決勝でセレッソ大阪に2対1で勝利して、ベスト4進出を決めた。29日(土)に準決勝が行われるが、あと2勝すれば、ACLの出場権を獲得することができる。G大阪は、2008年以降は、毎年、ACLに出場しているので、出場権を獲得できると、6年連続となる。
ただ、ACLとJ2のリーグ戦を両立できるのかというのは、やってみないと分からないところもある。J1のクラブの場合は、ナビスコカップのGLが免除されるので、(移動は他のクラブよりもキツくなるが、)こなさなければならない試合数自体はそれほど変わらない。
しかし、J2になると、プラスアルファでACLを戦うことになるので、相当にハードである。ACLの試合は火曜日と水曜日に行われることがほとんどであるが、J2のリーグ戦は日曜日に開催されることがほとんどである。さすがに、日曜日→火曜日で中1日で試合というのは考えにくいので、考慮されるとは思うが、厳しい日程になることは確実である。
■ ACL出場で生まれるプラス要因G大阪にとって、ACLに出場するメリットの1つは、選手のモチベーションを維持するという作用である。MF遠藤、DF今野、MF明神、FWレアンドロらは残留が確実となっているが、DF中澤、MF倉田、DF藤春、DF金正也あたりの若手や中堅には他クラブからオファーが届いており、MF家長の去就もはっきりしない。
しかしながら、ACLに出場できるのであれば、ACLに魅力を感じて、残留を選択する選手も出てくるだろう。監督人事も同様で、今のところ、「長谷川健太監督の就任の可能性高まっている。」と報道されているが、ACLの出場権を獲得できれば、就任の可能性はグンと高まるだろう。
今シーズンは最悪のシーズンになったので、選手やサポーターのプライドを保つという意味でも、タイトルというのは、是非とも、獲りたいところであるが、それ以上に選手の流出を食い止めたり、優秀な監督を招聘出来る可能性を高めると意味でも、タイトルとACLの出場権を獲得したいところである。
■ 包囲網を打ち破る打ち破ることができるか?2013年のJ2を考えると、G大阪が中心に回るのは間違いないところである。そして、2008年の広島や2010年の柏や2011年のFC東京以上の包囲網が敷かれることも確実である。特に、序盤戦は、G大阪の試合というのは、ある意味では、J1の試合以上に注目されると考えられるので、対戦するチームにとっては、存在をアピールする大きなチャンスである。
よって、「包囲網をかいくぐって、2位以内を確保できるか?」が、最大の焦点になってくるが、「G大阪と言えども、そんなに簡単には、勝てないだろう。」という意見もあるだろし、また、「力は抜けているので、あっさりと昇格を決めるのではないか。」という意見もあるだろう。
個人的には、後者の意見で、「あっさりと昇格を決めてしまうのではないか。」と思う。例に出した広島や柏やFC東京と比べても、戦力は整っており、もし、主力の流出が最低限にとどまって、かつ、長谷川監督の就任が決定すれば、J1の舞台でも、「優勝候補の1つ」と言えるだけの戦闘力を保持している。
当然のことながら、J2のクラブは、モチベーションをマックスに高めて、G大阪に挑んでくると思う。G大阪に圧倒的にポゼッションされるのは確実なので、「耐えて、耐えて、カウンター」というのが、もっとも現実的な戦い方だと思うが、引いて守られても、打ち破ることができる攻撃力を持っているように思える。
■ 気になるさらなる高齢化したがって、現時点では、自動昇格を逃すことはもちろんのこと、J2優勝を逃すことも考えにくいので、J1昇格を狙う京都サンガ、ヴィッセル神戸、ジェフ千葉、東京ヴェルディなどにとっては、迷惑極まりない存在であり、G大阪が降格となって、一番、困っているのは、こういったJ2の上位候補のクラブではないかと思う。
これらのチームが頑張らないと、独走する可能性もあるので、責任は重大であるが、1つ気になるのは、若返りが進んでいないことである。フロントの基本的な考え方は、「主力は残す。」という方針で、MF遠藤、MF明神、DF加地、DF今野あたりは、チームに残る可能性が高まっているが、もし、MF倉田、MF家長、DF藤春らが流出となると、若返りどころか、さらに、高齢化が進むことになる。
もちろん、主力が引き抜かれて、J1昇格を狙えない戦力になることが、一番、困ることであるが、うまくいかなかったチームを変えようとするとき、「降格が決まったオフ」というのが、一番、動きやすいときなので、今オフ、思い切ったことをしても良かったと思うが、そうはならなかった。
G大阪のようなレギュラーの多くが代表歴を持っているようなチームは、宇佐美クラスのスーパーなタレントでない限り、18歳や19歳や20歳でチャンスを得るのは難しく、フロントが意図して、若返りを進めないと、スムーズな切り替えはできないが、大チャンスだった今オフも、話が進んでいない。来シーズンは、大きな問題にはならないと思うが、2014年や2015年あたりのことを考えると、不安になってくる。
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