サガン鳥栖と東京ヴェルディの試合。鳥栖スタジアムの観客は、なんと11388人。芝生は最悪だけど、雰囲気も素晴らしい。このカードは、この前、
国立で生で見たカードと同じ。もう、そんなに経ったんだな・・・。
テクニシャン集団の鳥栖だが、この試合は、山口(貴)・濱田といった選手が不在。さらには、エースの新居もベンチスタート。一方のヴェルディは、(コロコロスタメンが変わるので、どれがベストメンバーなのかよく分からないが、)それなりのメンバーが揃っていて、鳥栖の苦戦は必至かと思われたが、終始、試合を支配したのは、鳥栖だった。
前半から、何度も決定的なシュートを放つ。キャプテン・高橋のミドルシュートが、2度ほどがヴェルディのゴールを襲う。新居の代わりにトップに入った鈴木も奮闘した。先制したのは鳥栖。後半6分に、ゴール前のフリーキックから、DFの高地が決めた。さらに、後半30分に、FW鈴木が、相手キーパー・水原のトラップミスを突いてゴール。鳥栖が、2対0で勝利した。
もしかしたら、サガン鳥栖が東京ヴェルディに勝利したというニュースを聞いて、”番狂わせ”と感じる人がいるかもしれないが、それは違う。ヴェルディの黄金時代を知るものとしてはさびしい限りだが、今のサガンにアウェーで勝てるほどの力はない。
試合終了後、ラモス監督は、
「確かに今日の敗戦は痛い。神戸戦の敗戦も痛かったが・・・。5連勝、10連勝しないといけない。これからは1試合1試合負けられないわけだが、昇格の可能性が1%でもあるうちはあきらめない。今日の敗戦を選手が乗り越えてくれるかどうかが心配」と語っており、一部で報道されているような、
「状況は厳しくなったが、ここから10連勝すればなんとかなると思う。」という能天気な考えではないと思うが、今のヴェルディは、組織が崩れているというよりは、まだ、ラモス監督になってから一度も、ベースとなるものが築けていないので、どんなサッカーをして勝ち点を重ねていくつもりなのか、全く見えていない。3年くらい、J2で戦っていこうというつもりなら、長い目でもいいかもしれないが、これまでのところは、残念ながら、何も蓄積がないので、無駄な時間を過ごしてしまったという感じがする。もう、チームの上層部の人も気が付いていると思うが、少なくとも、今のラモス氏は、ヴェルディを好転させるだけのスペックを持っていない。監督の影響力がそれほど大きくない野球の世界であれば、”面白い野球”とか、”ドラマチック”とか、”ミラクル”とか、曖昧な形容詞をつけて、無能な監督を持ち上げることも出来るが、サッカーの場合は、監督の能力が、結果と内容にストレートに表れる。
一方の鳥栖は、完勝と言っていい試合。最終スコアは、2対0だったが、もっと点差が開いていても良かった。この試合で一番の活躍を見せたのが、CFの鈴木孝明。レッドスター所属のあの選手を思い起こさせるような献身的なプレーで、チームを牽引した。この長身ストライカーだが、昨シーズンは15得点を挙げているが、今シーズンは、わずか2点目。(1点目は、国立のヴェルディ戦。)鈴木が、スタメンに定着できれば、鳥栖の攻撃は、もっとバリエーションが出てくるだろう。
鳥栖では、189cmの韓国人センターバック・金裕晋(キン・ユジン)が相手の壁になった。同じく韓国人の尹晶煥(ユン・ジョンファン)とともに、チームへの貢献度はかなり高い。
鳥栖は、これで、ヴェルディを抜いて5位に浮上。4位の仙台との勝ち点差もわずかに4。ヴァンフォーレ甲府もそうだが、スモールクラブの躍進は、胸踊るものがある。
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