モンテディオ山形 ・・・ 「C+」 → 得点力アップを目指して、2011年のシーズン途中に加入して14試合で4ゴールを挙げたFW山崎を完全移籍で獲得し、草津で35試合で8ゴールを挙げたFW萬代も迎え入れた。さらに、FW中島(仙台)も獲得しているので、FW長谷川、FW大久保という長身フォワードが退団したものの、穴を埋めることができたといえる。一方で、中盤は、MF下村とMF佐藤らが退団したが、即戦力といえるのはMF永田(鳥栖)くらいで、層は薄くなった。よって、大卒ルーキーのMF宮阪(明治大)とMF日高(慶應義塾大学)には、1年目から出場機会が巡ってきそうで、どこまでチームに貢献できるか。
したがって、トータルで見ると、フォワードは戦力アップしているが、中盤は戦力ダウンとなっている。同じ降格組の甲府や福岡と比べると主力選手の流出は少なく、昨シーズンと同程度の戦力を維持しているように思えるが、1年でJ1に昇格しようとするならば、現状では、厳しいと言わざる得ない。中盤で軸になれる外国人選手の補強があれば、戦力は大きくアップすると思われるが・・・。
水戸ホーリーホック ・・・ 「C-」 → DF保崎が退団したが、元日本代表のDF市川(甲府)とDF輪湖(徳島)を獲得を獲得して穴埋めを図った。DF市川は、ここ2年ほどは衰えが目立ってきているが、初のJ2でのプレーで、チームを引っ張っていくことが期待される。2002年のW杯も経験している選手であり、クラブへの注目度を高める意味でも、悪くない補強といえる。
一方、中盤は、MF小池とMF遠藤が抜けて、MF橋本(名古屋)を獲得している。名古屋では出番はなかったが、水戸では10番を与えられて、相当に期待されていることが分かる。水戸の10番は呪いの番号になっており、過去、ほとんど活躍できずにチームを去っているが、ジンクスを打ち破れるだろうか。今年は大卒の獲得は一人だけだったが、ここ2年ほどは大卒を中心に補強してきたので、期待できる選手は揃っている。結果を出したいシーズンとなる。
栃木SC ・・・ 「B-」 → レンタル移籍だったMF水沼、DF渡部の退団は仕方がないが、レギュラーとして活躍していたDF那須川とDF大久保が徳島に移籍することになったのは誤算である。特に左SBは、2011年シーズンは、DF那須川、DF堤、DF入江がいたので、ストロングポイントになっていたが、3人とも退団したので、一転してもっとも手薄なポジションとなった。栃木SCは、左サイドからの攻撃が武器になっていたチームなので、かなりのダメージである。
一方でウイークポイントだった右SBのレギュラー候補として、DF山形辰(福岡)、DF當間(鹿島)、DF臼井(湘南)を獲得した。弱点を補う補強を見せたが、前述のように左SBが手薄になっているので、誰かを左サイドに回して起用する可能性が高い。他クラブに引き抜かれる可能性もあったMFパウリーニョが残ったことは大きくて、MF菊岡(東京V)、MF菅(岐阜)、MF荒堀と見事な補強ができていたので、土壇場に来て、DF那須川とDF大久保がいなくなったのは痛手である。
ザスパ草津 ・・・ 「C+」 → 2011年はシーズン途中にFWラフィーニャをG大阪に引き抜かれたが、FWアレックスを中心に奮起し、終盤戦に怒涛の快進撃を見せてチーム史上最高の9位でフィニッシュした。同じ戦力を維持できると、プレーオフ進出も見えてきたが、FWアレックスとFW萬代が移籍し、フィニッシャーが不在となった。加入して2年目のFWリンコンと、新加入のFW金成勇(京都)に期待がかかるが、 現時点では計算は立たない。
そのほかのポジションでは、左SBでポジションを確保していたDF永田がレンタル延長となったのは大きく、右SBも、DF古林とDF佐田がいなくなったが、DF保崎(水戸)を獲得して補った。中盤に関しては、大きな入れ替えもなく、MFヘベルチが活躍できなくても、高い水準をキープできるメンバーが揃っている。とにかく、誰が点を獲るか?であり、ポテンシャルの高いFW金成勇のブレークに期待したい。
ジェフ千葉 ・・・ 「S-」 → 2011年に主力として多大な貢献を見せたDF竹内を完全移籍で獲得し、DF山口(G大阪)、MF佐藤健(山形)、MF兵働(柏)とJ1でもレギュラーとして活躍できる選手も補強。さらに、J2では実績十分のFW藤田祥(横浜FC)とFW荒田(磐田)をダブルでゲットし、五輪代表にも選ばれているDF大岩も獲得した。泣きどころとなっていたサイドバックの補強は進んでおらず、両サイドバックに不安が残るが、それ以外のポジションは、J2でトップクラスの選手が集まって、申し分ない補強ができている。
注目は、FW荒田とFW藤田祥の二人で、共にJ1では十分な活躍はできなかったが、J2では15ゴール程度は期待できるストライカーである。もちろん、フォワードには、204センチのFWオーロイもいるので、選択肢は限りなく広がった。1トップになるのか、2トップになるのかを含めて、木山監督はどういうチームを作るかは大注目で、J1に昇格できるメンバーは揃ったといえる。
東京ヴェルディ ・・・ 「C+」 → 攻撃的なサッカーを支えてきたMF菊岡とMF河野が揃って退団することになったのは大きなマイナスである。特に、MF河野はユース出身の生え抜き選手で、クラブ消滅の危機にあった苦しい時代に、希望の星となっていたので、最大のライバルのFC東京に移籍することになったのは、戦力的にも、精神的にもキツイ話である。ユースから昇格してきて、期待の大きいMF南秀仁やMF杉本竜士が、彼の存在を忘れさせることができるか。
一方、新加入組で期待されるのは、万能型のFWアレックス(草津)で、攻撃の軸としての期待がかかる。また、水戸で活躍したMF小池の加入もプラスといえるが、MF西(磐田)、MF鈴木慎(京都)とピークを過ぎた選手を集めてきたことは疑問で、将来を考えても、効果的な補強には思えない。ただ、2012年は、どのクラブも十分な補強ができておらず、昇格候補の1つであることに変わりはない。
町田ゼルビア ・・・ 「B-」 → J2で1年目のシーズンとなるが、これまでの昇格組とは違って、1年でJFLに降格する可能性もあるので、初年度から結果を残す必要がある。したがって、厳しいシーズンになることは確実であるが、FW平本(東京V)、MF戸田(草津)、DF薗田(川崎F)、GK相澤(川崎F)と、限られた資金であることを考慮すると、十分な補強ができている。近年、J2に昇格してきたクラブは「地方クラブ」が多かったが、町田の場合、東京のクラブなので、選手も勧誘しやすく、今後もクラブのアドバンテージとなるだろう。
新卒選手は、FW鈴木孝司(法政大)とMF庄司悦大(専修大)の二人が加わるが、特に期待されているのは、専修大学から加入のMF庄司で、1年目から主力として活躍するのでは?という評価もある。クラブが育っていくには、生え抜きの選手が活躍することも大事なので、ゼルビアのシンボル的な存在になれるかどうか。期待は高まっていく。
横浜FC ・・・ 「A+」 → ここ数年、移籍市場をにぎわせてきたが、今年も効果的な補強を行っている。フォワードにFW田原(湘南)、FW永井(清水)、FW大久保(山形)を加えて、前線の層は厚くなった。中盤も、サイドアタッカーのMF荒堀が抜けたのはマイナスだが、2006年のJ1昇格に大きく貢献したMF内田(甲府)が戻ってきて、戦力ダウンにはなっていない。プレーオフ枠あるいは昇格を目指すには、中盤はやや物足りない気もするが、駒はまずまず揃っている。
大きく変わりそうなのは最終ラインで、ディフェンスリーダーになれるDFペ・スンジン(徳島)を獲得し、2010年に途中加入し、レギュラーでプレーしたDF阿部を、再び、レンタルで迎え入れることになった。守備の要になれる選手と、左SBは補強ポイントだったが、J2レベルでは上位クラスの選手を手に入れることができた。さらに、経験豊富なDF杉山(大宮)、堀之内(浦和)の獲得にも成功していて、総入れ替えになる可能性もあるが、2011年よりも守備が安定することは確実で、今年もいい補強ができている。
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