■ 第31節J1の第31節。7勝12敗11分けで勝ち点「32」の浦和レッズが、ホームで10勝12敗8分けで勝ち点「38」のジュビロ磐田と対戦。前節、横浜FMに逆転勝ちして「15位」に浮上した浦和は、「16位」の甲府との勝ち点差は「2」のみ。ただし、14:00キックオフの試合で甲府が敗れているので、勝つと勝ち点「5」差に広げることができる。磐田は勝つと「J1残留」が確定する。
ホームの浦和は「4-1-4-1」。GK加藤。DF山田暢、濱田、永田、平川。MF小島、高橋峻、梅崎、柏木、原口。FWエスクデロ・セルヒオ。堀監督になってから「レギュラー」として起用されていたMF鈴木啓とMF山田直が出場停止。MFマルシオ・リシャルデスは怪我のため欠場となった。
対するアウェーの磐田は「4-2-2-2」。GK川口。DF駒野、加賀、藤田、那須。MFロドリゴ・ソウト、小林、西、山田。FW山崎、前田。リーグ戦で10ゴールを挙げているルーキーのFW金園はベンチスタート。DF駒野、FW前田がザッケローニ監督率いる日本代表に招集されている。
■ ジュビロが圧勝!!!試合は、アウェーの磐田が圧倒する。2トップのFW前田とFW山崎が前線で躍動し、MF西、MF山田らも絡んで、バリエーション豊富な攻撃を見せる。先制ゴールが決まったのは前半12分で、左CKを獲得すると、DF駒野のボールをエースのFW前田がヘディングで決めて先制する。対する浦和は、攻撃のリズムをつかめないまま、1点ビハインドで前半を終了する。
後半も磐田ペースが続く。追加点が決まったのは後半9分で、FW前田が競ったボールをFW山崎が拾うと、スピードで相手をぶっちぎってから、最後はループシュートを決めて2点目を挙げる。U-22日本代表のFW山崎は、今シーズン4ゴール目。さらに、後半22分にも、磐田はカウンターからFW山崎のクロスからゴール前でフリーになっていたFW前田が頭で決めて3点目を挙げる。3年連続得点王を狙うFW前田は今シーズン13ゴール目となった。
ほとんど形を作れない浦和は、FWデスポトビッチ、FWマゾーラらを投入するも、あまり効果を発揮せず。結局、FW前田が2ゴール、FW山崎が1ゴール1アシストと、2トップが活躍した磐田が「3対0」で圧勝。勝ち点「41」となって「J1残留」が確定した。一方の浦和は、勝ち点「32」のまま。16位の甲府との差は「2」のままで、残り3試合に残留を賭ける。
■ J1残留が確定磐田は秋に入って「怪我」や「病気」の選手が増えてきて下り坂だったが、アウェーで勝ち点「3」を獲得し、「降格」の可能性がなくなった。シーズン前は、MF成岡、MF上田、MF松浦といった中堅クラスの選手が退団し、新加入選手も大卒ルーキーが中心だったため、「降格候補の1つ」に挙げる人も多かったが、3試合を残して「最低限の目標」をクリアしたことになる。
試合内容は、「今シーズン最高」と言ってもおかしくないほどで、ホームで「0対4」で敗れた30節のC大阪戦とは見違えるような動きを見せた。先週末はナビスコカップ決勝が行われたため、磐田は試合がなくて、試合間隔が空いたことがプラスに働いたようで、選手達のコンディションが非常に良くて、最初から最後までホームチームを圧倒した。
ボランチのMFロドリゴ・ソウトと、攻撃的の軸になりつつあるMF山田が戻ってきたのも、大きな助けになった。ルーキーのMF山田は、ここまで「29試合で5ゴール」と期待以上の活躍を見せているが、左サイドでボールを受けたときにアイディアが豊富なので、何をするか分からない面白さがある。
MF山田は「1988年12月27日生まれ」なので、わずか数日のところで、ロンドン五輪の対象からは外れてしまうため、「フル代表」に入るしか「日の丸」を付ける道はないが、視察に訪れていたザッケローニ監督にもいいアピールとなっただろう。「磐田の10番」ということで、プレッシャーも大きかったと思うが、文句なしのデビューシーズンとなっている。
■ 代表復帰のFW前田遼一が2ゴールザッケローニ監督の見守る中で、久々に日本代表に復帰したFW前田が2ゴールの活躍を見せた。今シーズンは、精彩を欠く試合が多かったが、この日は、立ち上がりから、数多くボールに触って、攻撃の起点になり続けた。2トップを組んだFW山崎との連携も良くて、U-22日本代表のDF濱田とマッチアップすることが多かったが、空中戦でも、地上戦でも、ほとんどの場面でFW前田が勝利し、格の違いを見せつけた。2点ともヘディングシュートだったが、チャンスを確実にものにする力はさすがである。
FW前田は久々の代表で、FWハーフナー・マイク、FW李忠成との争いになるが、FWハーフナー・マイクが17ゴール、FW李忠成が14ゴール、FW前田が13ゴールと、ぞれぞれリーグ戦で「ゴール」という結果を残しており、ハイレベルな争いになるだろう。
ここ最近は、「コンディションが良くないのか・・・。」と感じる試合が多かったが、この日のようなプレーを見せてくれると、代表でも期待したくなる。「1トップ」のスタメン争いは、FW前田がいない間に、FW李忠成とFWハーフナー・マイクが猛アピールしたので、FW前田の立場はやや苦しくなっている。ザッケローニ監督が誰を先発で起用してくるのか、注目したいところである。
■ FW山崎亮平 1ゴール1アシストの活躍FW前田もキレのあるプレーを見せたが、2トップの相方のFW山崎は、それ以上の「目覚ましい働き」を見せた。1ゴール・1アシストだったが、「キレ」が尋常ではなく、ドリブルで仕掛けると、面白いように相手DFを切り裂いていった。
FW山崎は、シーズンの中盤に病気で休んでいたこともあって、意外にも、5月21日のアビスパ福岡戦以来のゴールで、約半年ぶりのゴールとなったが、前半から、ドリブル突破でシュートチャンスを何度も作っていて、ゴールの予感は漂っていた。ただ、フィニッシュのところで「精度」を欠いて、「惜しいどまり」だったが、後半9分にカウンターから、ファインゴールを決めた。「強さ」と「速さ」を備えるFW山崎らしいゴールだった。
U-22日本代表は11月末に五輪予選を控えているが、日本代表に選ばれているMF原口、MF清武が不在ということもあって、FW山崎が、左サイドでスタメン出場するのも間違いないだろう。攻撃の軸となる選手が不在で、攻撃力ダウンが心配されるが、FW山崎がこれだけ「キレのあるプレー」を見せてくれると、バーレーンやシリアを相手に、どんなプレーをするのか、本当に楽しみになってくる。
■ 浦和は完封負け・・・一方の浦和は、シュートわずかに6本。決定機もほどんど作れず、元日本代表のGK川口の守るゴールを脅かすシーンもなかった。堀監督になって「3試合目」だったが、ペトロヴィッチ時代を含めても、今シーズンワーストと言えるような試合になってしまった。
試合の入り方も非常に緩かった。14:00キックオフの試合で、16位の甲府が敗れていたので、勝つと、勝ち点「5」の差に広がるので、心理的には有利な状況で試合を迎えることができたが、それがマイナスに作用したようで、選手も、スタジアムの雰囲気も、切羽詰まった感は感じられず、消化試合のようなテンションで試合に入って、あっさりと先制ゴールを奪われた。
もし、甲府が勝利していて、勝ち点で逆転されていれば、もっと違った「テンション」になったと思われるが、余裕が出たことが、裏目になった。先制ゴールを奪われた後も、ペースアップすることなく、最後まで、盛り上がるシーンはなかった。
■ 残りは3試合これで、残り3試合。16位の甲府が勝ち点「30」で、11位のC大阪が勝ち点「39」なので、11位以下の、C大阪、川崎F、新潟、大宮、浦和、甲府の6チームで、5つのイスを争うことになった。ただ、C大阪、川崎F、新潟、大宮の4チームが「16位」に落ちるには、甲府が3連勝して、これらのチーム3連敗するしかないので、この4チームの残留は「ほぼ確実」で、浦和と甲府の一騎打ちになったといえる。
対戦相手を見ると、15位の浦和が「仙台(H)、福岡(A)、柏(H)」で、16位の甲府が「磐田(A)、新潟(H)、大宮(A)」となっている。ホームゲームが2試合あるので、浦和の方が、若干、有利な気もするが、相手が、5位の仙台と首位の柏なので、勝ち点を計算することができない。現時点で、勝ち点で上回っている分、浦和が残留する可能性が高いように感じられるが、終盤戦は何が起こるか分からない。当該チームのサポーターにとっては、胃の痛い日々が続くだろう。
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